クルーグマンも貨幣乗数を否定

セントルイス連邦準備銀行が金融システムの仕組みに関する理解のアップデートの必要性について書いていたが、

貨幣乗数の無意味さ(→捨て去るべし)について、クルーグマンも同じ理解に到達していた。量的緩和が高インフレを招かないことも、現実の通貨システムの仕組みを知っていれば自明だった。

現実にはあり得ないことではあるが、中央銀行の決済システムがダウンして銀行間決済ができなくなり、市中での現金決済オンリーになったとする。民間銀行は現金需要→預金引き出しの増加に備えて中銀当座預金を現金化し、店舗やATMの「現金在庫」を増やす。

量的緩和とは「現金在庫」が必要以上に溢れかえるように中央銀行が民間銀行に現金を供給することだが、それが民間部門の銀行借入や名目GDPの拡大に直結しないことは明らかだろう。

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