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目覚めへの囁き


その時間が訪れる一日の終わり

街が寝静まった後の夜のその後の

飛び出してゆくその先へ

いつものあの場所へ

時を越えて

この場所を越えて

色とりどりのあの花の咲くところへ

さあ いこう

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アクリル樹脂 B3サイズ 1995

夢の時間は大切な時間。3歳くらいの子供のころから、朝起きて玄関の外に出た時に表の道路一帯に残っている匂いを嗅いでいました。陽が昇って朝が来る前の匂いです。言葉を覚えた後には「おっきい人たちが来てたよ」って言っていました。その後にさらに「巨人さんたちなんだよ」って言っていたのを覚えています。その頃に見ていた風景も覚えていて、なんてことない街の家がたくさん並んでいる中の風景でした。他にも小さな変わった形のものたちも色々いて、陽が昇って朝になると人が往来し始める頃になるとその気配は消えていきます。人の方に時間が移るみたいな感じがしていました。

私はいつも朝になると「あぁ、また置いていかれちゃった」「あぁ、わたしはここにいるけど、家族なのに一緒じゃないなぁ」って残念に思っていたのをよく覚えています。何十年も経って、それがどういう意味だったのか、ようやく表現する幾種類かの言葉を持つようになりました。

こういうのをそのまま見ていても見ていなくても、子供にとっての毎日の中で感じていること見ていることは、大人にはわからない本当のことがあるんだよなって思います。それは子供たちにとって、とても重要なことだったりするのです。なんだかわからないけど何かがあるね、何かがいるねって、いう大人が増えるともっともっと面白い毎日になりそうです。


絵と文 sanae mizuno



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