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夢のような池袋、夜のジャズライヴ

池袋、夜のジャズライヴに行ってきました。
まだ興奮覚めやらぬ感じです。

Cさんと五歳の娘さんと私はステージのすぐ隣の席でした。
すぐ目の前、真正面でH先生がヴァイオリンを弾いているという幸せ、、

赤ワインを飲みながらほんとに幸せな時間でした。いつもクラシックのコンサートやバレエの観劇では「パニック症状が出たらどうしよう。。」と不安に包まれるのですが、アットホームなリラックスした雰囲気の中で、ワインを飲みながら楽しい時間を過ごすことが出来ました。

始まる前、「ほんとに五歳なの?信じられない。」ってH先生に言われるくらいCさんの娘さんはお利口さんでした。

一番むこうにグランド・ピアノ。イケメンの金髪のお兄さん。
正面にヴァイオリンのH先生。
H先生の後ろには背の高い優しそうなコントラバスのお兄さん。
そして、私の真横には華奢なドラムのお兄さん。
ピアノとヴァイオリンとコントラバスとドラムのカルテットですね!

四人の息づかいがそのまま直に伝わってきて圧倒されました。
何拍子なのかわからない複雑なリズムの中でどうしてこんなに呼吸が合うんだろう。
私の真横のドラマーさんは常に身体がリズムを刻んでいる。
なめらかな上半身の動きだけじゃなくて革靴の先まで細かく正確な振動が私の心臓の鼓動に働きかける。リズムって、すごい。ドラムをこんなに近くで見るのも私は初めてでした。

コントラバスは包み込むような深い深い音色で全体を支えている。コントラバスをこんなに近くで見るのも初めてでした。こんなに大きな楽器なんだ。チェロよりずっと大きい。左手は常に休むことなく動き、華やかなヴァイオリンを優しく男らしく支えている。

真正面、手を伸ばせば届くところにブルーの衣装のH先生が。
私は出がけに薄い黄色のワンピースに着替えたけど、やっぱり水色のワンピースにすれば良かったなぁなんてチラッと思う。

ステージのH先生は圧巻。薔薇の花のようです。ヴァイオリンの音色はやはり華やかだ。
ドラムとコントラバスとピアノがそれぞれの個性でヴァイオリンの旋律を盛り上げていく。
H先生の頬はだんだんと紅潮し、美しく発光したメロディーが溢れていく。

「先生。美しいわね。」と隣のCさんがささやく。
ほんとに曲が進むほどにますます表情が輝いていく。
いつも聴いている先生のCDの中にある曲があり、ああ、生で聴くとこんな感じなんだとうっとり。。ヴァイオリンが紅一点だったこともあるけど、やっぱりヴァイオリンは華なんだなと思う。
バレエでも華やかさが求められる。

人として個性は様々だけど、舞台に出た時に華があるかないかは天性のものだと思う。
H先生に出逢えて良かったなあと、新しいヴァイオリン教室を一生懸命探してくれた夫にちょっと感謝する。

そして気がついた。
H先生は演奏中ずっと笑顔。
唇は笑っていてちょっと開いている!

これだわ。
「私もH先生みたいに弾きたい!」
小声でCさんに言うと「ムリムリ」と軽くいなされた。
技術じゃないのよぉ(技術は完璧ムリ)、あの唇を真似したいの、、

Cさんはピアノのお兄さんに釘付け。「あのタイミングを計るちょっとした視線。たまらないわぁ。私の好み!」

人それぞれ胸に刺さる部分は違う。

ほんとに素敵なジャズライヴ。
音楽の渦に巻き込まれ、くらくらしながらちょっとCさんの娘さんが眠たくなってきたので帰ることにする。

帰りがけ、コントラバスのお兄さんとちょっと話が出来ました。
「Hさんの生徒さん?
大人からヴァイオリン始めたんだ。またまた大変な楽器を選びましたねぇ!」

ひぇ~、コントラバスのプロもヴァイオリンは大変だと思うのですね!

私の道のりは長い!

とりあえずH先生の唇を目指そうと思ったりしながら帰りのタクシーに三人で乗り込みました。

帰宅したら夫がお好み焼きを作って(自分の夕飯を作って私の分も残してくれていた)ワンコたちと待っていてくれた。
「楽しかった?」

うん、楽しかったよ。
ジャズライヴ、はまりそうかも。
お留守番、ありがとう。


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