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高尾歳時記 2024年8月3日

梅雨明けから暑い日が続いています。ですが、幾分か暑さはやわらいできています。

ここ数週間は早朝でも気温が高かったのですが、本日早朝の高尾山口駅前は25℃。久しぶりに爽やかなスタートになりました。ですが、本日の八王子市街の最高気温の予報は35℃。スマホにはしきりにNHKアプリから命の危険がある暑さだとか、運動は原則控えるようになどというメッセージが流れてきます。

この時期は熱中症予防のため放熱性能の高いウェアを着用します。こどものころは、いまちまたで売られているような化学繊維の高機能ウェアはまだ一般的ではなく、あっても大変高価だったので、綿やウールなど、自然素材のウェアが普通でした。当時はテントひとつとっても非自立式、天幕はキャンバス地、いわゆる帆布(手入れをきちんとしないと水が染み込みます。いわゆる、ロウ引きってやつです)で、それを支える支柱、ロープそしてペグを合わせると10kgごえはあたりまえ。分割して三人がかりで担いで行ったものです。いま使っているソロテントは、自立式かつ完全防水のダブルウォールでアルプス縦走にも耐えられる十分な耐候性能がありながら、ペグも含め全部こみこみで700gしかありません。すごい進化です。

この季節は、汗を地肌から吸い上げてウェアに持ち上げる、いわゆるメッシュインナーを着用し、その上に速乾性能の高い化学繊維のシャツを着用するとともに、同じく速乾性能の高い化学繊維のアームスリーブとグローブを着用します。全身を速乾性能の高い生地で覆って地肌を出さないことで、日焼け防止とともに、汗が蒸発する時の気化熱を利用し表面温度を下げることで身体の異常加熱を防ぎます。高性能なのですが、注意が必要なのは、発汗を利用するので水分とミネラル補給は意識的に十分にしないといけないことと、風がないと乾燥時間がのびて、性能が落ちることです。また、高性能ゆえに体を冷やし過ぎないよう、ウィンドシェルも持っていく必要があります。

あと、下山後シャワーを浴びないと汗ダラダラで気持ち悪いというのがあるのですが、電車やバスで帰る行程でも、これは本人が気にするかしないかでなんとか…ワタクシはいやなので、必ず温泉に直行できるところに下山するか、マイカーで帰宅するかのどちらかにしています。

今日も暑い日でしたが、来週8月7日は二十四節気の立秋。暦の上では、もうすぐ秋を迎えます。今日も花の多いところをめぐってきました。

早朝の高尾山口駅を出発。気温は25℃と涼しめでしたが、今日も最高気温は酷暑日の予報でした。だからなのか、人出は少なめ。
クサノオウはごくごく一般的な野草で、人家近くや河原で、あちこちかつ長い期間
観察できます。
ここ数年あまり見られなかったノカンゾウは今年豊作ですね。八重咲のヤブカンゾウは毎年あちこちで見られるのですが、一重咲きのノカンゾウはなにがちがうんでしょう。
ハグロソウはピークです。日があまり当たらないところで咲いています。暗いところで観察できるので葉が黒く見えるとか、出羽三山のひとつ羽黒山で見つかったからだとか、その名の由来には諸説あるのだとか。
稲垣栄洋静岡大学教授著「面白すぎて時間を忘れる 雑草のふしぎ」(三笠書房)によると、植物がさまざまな昆虫の力を借りて花粉を運んでもらうことは知られているが、このツユクサはアブを利用する。アブは美味しい花粉を食べたいが、黄色い花粉と補色関係にあるのは青色である。ツユクサは青い花をつけることで黄色い雄蕊を目立たせ、アブはそれを目指して飛来する。ところが、この雄蕊はダミーである。この美味しそうな偽物の雄蕊には花粉がない。実は、本物の雄蕊は花の下にぶら下がっていて、色も地味で雄蕊に見えない。獲物が偽物であることに気づいたアブが花の奥の方で花粉を探し始めると、本物の雄蕊にある花粉がちょうどアブのお腹やお尻につく設計になっている、ということなのだそうです。
キツネノカミソリはピークを迎えています。ヒガンバナの仲間で、地面から花軸が伸びて花をつけ、花が終わった後に葉をつけるという共通した特徴があります。
こちらはキツネノカミソリでも変わり種の、オオキツネノカミソリ。個体数はとても少ない。キツネノカミソリと比較して大ぶりで、花被片が長く、そして雄蕊はその長い花被片からさらに突き出るという特徴があります。
アジサイは梅雨のイメージですが、タマアジサイは梅雨が明けると開花します。 開花直前は、このような硬く丸いつぼみになります。
開花したタマアジサイ。このパンとはじけたようなフォルムが特徴で、実際は動いていないのに、なぜか動きを感じてしまいます。
ダイコンソウ。沢沿いなどの涼しく湿った環境で多く見られます。
キツネノボタン。こちらも、沢沿いなどの涼しく湿った環境で多く見られます。
マツカゼソウが咲き始めていますね。こちらも沢沿いなどの涼しく湿った環境で多く見られます。
フジカンゾウがピークを迎えつつあります。夏の花です。
沢沿いとはいえ今日も暑いので、デンデンムシさんは日中お休みです。
ミズヒキは盛りを過ぎて、一部綿毛になっていました。
ナガバハエドクソウがピークを過ぎ、ハエドクソウが花をつけ始めました。よく似ていますが。、ナガバハエドクソウはその名のとおり葉っぱが長く、花は純白。ハエドクソウの葉は卵形で、花は桃色がかかっています。
イヌトウバナ。沢沿いなどの涼しく湿った環境で多く見られます。
キンミズヒキの季節はもうそろそろ終わりです。
ミゾソバ。花は開花すると、かわいい星形になります。
ヤブミョウガが盛りを迎えつつあります。個体数は多い。
ムラサキシキブ。秋になると、かわいい紫色のつぶつぶした実をつけます。
あっ!ゲンノショウコが咲いていますね。これが咲き始めると、秋はもうすぐです。
ユウガギクはキクの花の中でも早めに咲きますが、秋の訪れを告げる花です。
イワタバコ。高尾では大人気の花のひとつで、毎年これを楽しみにしている方が大勢いらっしゃいます。もうそろそろ終わりですね。
シュウカイドウは、イワタバコの時期とあわせて開花します。
蝶々がひらひらと舞い降りて、地面で吸水しています。昆虫は詳しくないので識別できませんが、カラスアゲハとモンキアゲハでしょうか?
あっ!ツリガネニンジンが開花していますね。夏の盛りが過ぎる頃に咲く花です。
ヘクソカズラの花。あまりにも名前が気の毒ということで、サオトメカズラの雅名もあるそうです。
オオバギボウシの花は終盤。
あれっ!キキョウが咲いています。もうキキョウの花は終わったと思っていましたが、ちょっと遅めのお目覚め。
シシウドは盛夏から秋にかけて開花します。
これはカノコユリだと思いますが、図鑑をみると主に九州に自生しているということなので、もともと高尾に自生しているものではなく、人為的に持ちこまれたものでしょう。
今日は空の霞がとても強く、遠景はほとんど見えませんでした。一丁平の展望台から富士山方面。
空にトンボがいっぱい舞っているのが、秋らしい景色です。
高尾山山頂に到着。富士山方面。今日は遠くが本当に見えません。
同じく高尾山山頂から、丹沢主脈方面。丹沢の峰々も見えませんね。
空にはトンボがいっぱい舞っていました。

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