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高尾歳時記 2023年5月24日(水)

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天気:晴れ
気温:20.0℃(高尾山山頂 12:00)
人出:少なめ
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ホシザキイナモリソウ
Pseudopyxis depressa Miq. f. angustiloba (Makino) H.Hara

高尾山では、ホシザキイナモリソウが開花しました。

ホシザキイナモリソウは、放送中のNHK連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルとなった牧野富太郎博士が高尾山で発見し発表したものです。かつてはイナモリソウの変種とされたこともあるみたいですが、現在は否定され、イナモリソウの一品種(形違い)とされています。

イナモリソウの標準種。

高尾山では、このホシザキイナモリソウと同じくらい、標準種とされる個体も見かけます。こちらの開花も進んでいます。

こちらのホシザキイナモリソウは花の裂片が6枚で珍しい。通常は5枚。

標準種を見慣れたひとにとって、このホシザキイナモリソウが同じ種とは思えなかったでしょうね。植物分類学の世界にDNA解析に基づく技術が導入されて久しく、かつての定説が覆されることはよくあることらしいのですが、私みたいなシロウトは牧野博士が味わったであろう驚きと喜びを胸中で共有することと致しましょう。

昨日関東地方は冷たい雨となりましたが、未明までに低気圧は東へ抜けて、本日日本列島は高気圧に覆われ全国的に晴れとなりました。湿度が低くカラッとした爽やかな晴れとなり、日陰に入るとひんやりするほど。また、空は湿度の低下に伴いもやがはれて、数週間ぶりに富士山の遠景を望むことができました。

爽やかな行楽日和の高尾を巡ってきました。

雨の少ない冬には枯れてしまうこともある小仏川は、春の恵みの雨で水量豊富です。
新緑から漏れる木漏れ日眩しい小仏川のせせらぎ。
イワタバコは、タバコの葉っぱそっくりの大きな葉を岩の小さな隙間から伸ばすのがその名の由来です。他の植物が根付くことがかなわない垂直の岩の極めて微細な隙間に根を張る姿は、まことにたくましい。
それだけではありません。あと一ヶ月ほどで可憐な花を咲かせます。楽しみです。
蛇滝ではユキノシタが開花していました。可愛く見えるのですが、実は京王線の高架下にも生えている強靭な植物。環境の厳しいところでは雑草然としていてあまり人の目を引く姿ではないのですが、森の中の個体が咲かせる花は可憐です。
あっ!ギンリョウソウのお目覚めを見つけてしまいました。こう見えてツツジ科の植物ですが、菌類に寄生し(すなわち一方的に栄養をもらい)自らはエネルギーを作らないため、光合成のための葉緑素も退化した摩訶不思議な植物。その個性的な姿と生態で、密かな人気があります。
高尾ではこの時期よく見かけます。オカタツナミソウ。名前が示す通り、高く立ち上がった大波を思わせるフォルム。
フタリシズカはこの時期高尾全域で観察できます。
サイハイラン。こちらも高尾全域で観察できます。
遠目では地味に見えますが、近くで見るとランらしい可憐な花です。
麓ではほぼ終わっていますが、山中のマルバウツギももうそろそろ終わりですね。
イナモリソウと同じく高尾に初夏を告げる代表的な花です。ベニバナヤマシャクヤク。
セッコク。 いわゆる着生ランで、岩や樹木に根を張り付けて育ちます。5月下旬から6月にかけて、高い木を見上げるとセッコクの可憐な花を見つけられることがあります。
ニシキウツギは花のピーク。
ニシキウツギの花は、開花してすぐは白色ですが、成熟すると紅色になります。なので、二色ニシキウツギです。
テイカカズラは蔓性の植物で、杉や檜など背の高い木々をよじ登ってこの時期花を咲かせます。
今日はもやがなくすっきりとした晴れになりました。(小仏)城山からの眺望。都心のビル群とスカイツリーもはっきり見えました。
一丁平のヤマボウシは見頃を迎えています。
アヤメとショウブとカキツバタは混同しがちですが、その中でアヤメは陸生の植物(他は湿地帯の植物)。なので、高尾の稜線で元気に咲いています。
高尾山山頂に到着。久しぶりの富士山の勇姿です。
同じく高尾山山頂から。今日は丹沢主脈の稜線もくっきり。

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