高尾歳時記 2023年9月2日(土)
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天気:晴れ
気温:31.0℃(高尾山山頂 11:30)
人出:混雑
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二十四節気では、今年の立秋は8月8日。暦の上ではすでに秋です。
8月23日は処暑。暑さがおさまるころとされます。そして、9月8日は白露。夜間の冷え込みで朝しらつゆが草にやどり、いよいよ秋を感じる時期とされます。
よく「旧暦の方が日本人の季節感に合っている」というような言説を耳にしますが、単なる勘違い、思い込みです。ちなみに、本日2023年9月2日は旧暦だと7月18日(2023年は閏2月があるため1年は13ヶ月)、2022年9月2日は旧暦だと8月7日ですが、貴姉貴兄の季節感に合っていますか?そんなわけないですよね。
暦を決めるのは、時の為政者の専権事項。治世における吉凶などみずからの政権の安寧と秩序を守ることに加えて、権力の象徴として家臣らを諸々の政治日程に従わせる道具でもあり、多分に政治的なものですから、自然科学的には辻褄が合わないところがあります。
ものすごく長い話をものすごく要約すると、自然を相手にする農民や漁師など、農林水産関係に携わるひとたちはこれだと困ってしまうので、太陰太陽暦とは別の仕組みで太陽の動きに基づく季節の捉え方をいろいろと考案し、探究と発展を経て、こんにち極めて科学的に公表されるのが二十四節気です。
現代においてわたくしたちがテレビや新聞などで見聞きする二十四節気は、太陽の軌道を基準とした正確な計算による国立天文台の発表に基づきます。以下、国立天文台のHPから引きます。
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二十四節気(にじゅうしせっき)は、1年の太陽の黄道上の動きを視黄経の15度ごとに24等分して決められている。
太陰太陽暦(旧暦)では季節を表すために用いられていた。また、閏月を設ける基準とされており、中気のない月を閏月としていた。全体を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けて、節気(せっき)と中気(ちゅうき)を交互に配している。
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「太陰太陽暦(旧暦)では季節を表すために用いられていた」とあるとおり、要は旧暦では季節を表すことができなかったわけです。太陰太陽暦は、月の満ち欠けを「月」、太陽の昇沈を「日」として日付を定める方法。昔はテレビや新聞やラジオなどのメディアはもちろんのこと、なにかのおまけでカレンダーをもらえるとかいうような、自分で考えなくても多くの人がおのずと日付を知らされる便利な仕組みはありませんから、空を見上げて新月になれば「あ、月が改まったな」、満月になれば「あ、今日は15日だな」と、だれにも一目瞭然でわかりやすかったのでしょう。ですが、地球の公転上の位置とは不整合なこの方法は必然的に季節とのずれが生じます。実用的な反面、昔の人たちも当然それはわかっていて、色々研究したのです。
季節は秋を迎えています。毎年同じ夏でも気候にはゆれがあり、今年は記録的な猛暑となって体感的には異常な年に感じられましたが、野山の花々はきちんと秋を迎えています。年によって観察される花の時期は前後しますが、違っても一二週間程度であり、一ヶ月も違うということはありません。自然の神秘と言ってしまえばそれだけになってしまいますが、不思議なことに、山の花はそんなに季節を違えることはありません。科学的根拠は全く持ち合わせていませんが、山に通い続けている人間の肌感覚としては、暑いとか寒いとか雨が多い少ないというような気候的要素よりも、昼夜の長さの変化の方が、植物、鳥類、動物そして昆虫を含めた生きとし生けるものの季節感に強く影響しているように感じます。
なので、これが一二ヶ月とかのずれになってきたら、いよいよ本格的に何かがおかしいぞ、ということになるのでしょうね。
初秋の高尾山を巡ってきました。
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