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父も、母からすればクズ夫なのか

私は幼い頃から父親をすごく頼りにしていて
家族の中でも意見や気が合うのは、父親だと感じていた。

会社を作り、家族と社員を養い、母親の親戚などの面倒もみていた。
ユーモアがあって、人情派でもある。
若かりし頃の私の彼氏の写真を見て
一発で悪人(既婚者だった!)だと見抜いたのも父親だ。

唯一、疑問符を浮かべてしまうのは趣味。
パチンコ、宝くじ。
母親曰く、昔はギャンブルで借金を作ったこともあったそう。
まあ、仕事を頑張っているし
他に趣味がないのなら仕方ないか、と
実家に住んでいるときも咎めることはしなかった。

父親は数年前に仕事を引退。
収入がなくなった今も、
パチンコと宝くじの購入がやめることができていない様子。
自分の貯金は使い果たし
今は母親にお金をもらって週3ぐらいで通っているという。
聞けば、まあまあの金額。
母親が結構な貯金をしていたみたいで
そこまで切羽詰まってはいないようだが
「飼い猫がちょっと調子が悪くても行きたがる」
「一人だと罪悪感があるせいか、母親も同伴させる」
「断ると機嫌が悪くなり、怒る」らしい。
母親から愚痴る電話がたまにある。

以前に、美味しいパンを届けたくて父親に電話をしたら
「今日は具合が悪いから、また今度にして」と断られ
では、玄関先において帰ろうとそれを告げずに向かうと
駐車場に車がなく。。。
電話をしたところ、パチンコに行っていたことが判明。
後ろめたさを感じながら、やめられない。
依存症とはこういうことかと
一平ちゃんを重ねて、ちょっと怖くなった。

うちの母親は天然で、ミスが多い。
それを常にカバーしてきた父親は
母親に対して、常に威張っている。
いわゆる亭主関白で、母親は常に従う夫婦スタイル。
自身の貯金を使い果たした今も
亭主関白はやめられず、加齢とともにひどくなっている感がある。
「俺が働いたお金で貯金ができたのだろう」とは言わないらしいが
そう思っていることが、母の話から十分に伝わる。

私なら「誰が子育てしたおかげで、仕事に専念できたと思ってんの?」
と余裕で言い返すわけだけど
母世代の夫婦関係ではむずかしいところもあるのだろうか。

母親は「お父さんには私が愚痴っていることを言わないでね」という。
怒られても可哀想なので言わないようにはしているけど
ちょっとでも娘に”よく思われてないかも”という危機感を感じて欲しく
「よ、一平ちゃん」と呼んでみたりしているが
相変わらずらしい。

先日、とある女性リーダーとの会食で
”男性に理解してもらうには?”という話題になった。
女性より察する能力が動物的に低いと言われる男性。
察することができないなら、こちらが行動を起こし、
体験によって理解してもらうしかない!いう話に。
一番わかりやすい例だと「家出」。
子育てに参加しない父親には、子どもを置いて家出すると
育児参加への理解が深まるという話を聞いたことがある。
だが、察する能力に長けた母親は
子どもの気持ちを慮り、家出することが出来ない人が多いというのが現実。
母親にも「うちに家出しな」と言ってみたが
掃除ぐらいしか家事のできない父親を心配して
きっと家出はしないだろうと思う。

それでも母親が一度だけ、家出したことがあった。
私が小学生ぐらいの頃、理由は知らない。
父親が会食に出かけなくてはならず
いつもは母親が着ていく服を肌着から靴下まで
すべて準備していたため、
何を着ていいか分からずに
箪笥の前でウロウロする父親の姿を覚えている。

私が別居していることを、母親に羨ましがられることがあり
その度に
「私の辛さがわかるのか」とイライラとしていたが
仕事せずにずっと家にいて、すぐに怒り、
お金がないのにギャンブルがやめられない
威張り散らす夫を持つ
母親の方がしんどいような気もしてきた。

父親のことは大好きだが
母親からすると「後発的クズ夫」なのだろうか。

人生は死ぬまで男に悩まされるのかと
素敵な再婚という未来が霞んで見える。

まあ、私の場合
「とりあえず、離婚だろ!」という話なのだけど。







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