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ど忘れしてしまった結婚記念日から思う わたしの2つの家族ストーリー


結婚記念日からの心の旅
2つの家族とは生まれ育った実家の家族と
今ともに暮らす夫と4人の子どもたちとの家族のこと



結婚記念日


11月1日は結婚記念日だった
16年が経った

始めたばかりの和太鼓の練習を終え
22時頃帰宅したら
静かなダイニングテーブルの上には
花束が置いてあった


1番すきなのはピンクと白の小さな花


完全に忘れていた…

それも1ミリたりとも脳裏をよぎっていない

少し前に
あ~もうすぐだなぁ~もないし
当日に
あっそういえば!もないし



…ほんとうに何にもなかった…


わたしは人を喜ばせることがすきで
記念日や誕生日に贈り物を贈ったり
お祝いすることが自分の楽しみのような性格なはずなのに

こんな忘れ方をする自分に驚き動揺した夜だった

夫のこと


夫はいつも大きくわたしを包んでくれる存在だ

私たち夫婦は大学時代に知り合い
のちに再会して結婚した

それは大きな力に導かれるような
不思議な流れで出会いなおした

得意なことや興味のあることは全然違っているけど 波長はとても合う
考え方が違っているようで 感覚は似ている

同級生だからか対等な関係を築きやすく
できることが違うから尊重し合える
4人の子どもが生まれ育っていく中で
わたしたちは より家族になっていっている


家族の生死を通して


わたしは7つで父を亡くしていて
父という存在がよく分からないまま大人になった

母はとても変わった人だったけれど
父への愛情を持ちつづけ
姉2人とわたし 3人の娘を
母なりのやり方で人生をかけて育ててくれた
孫が6人になって
娘たちの産後のお手伝いもひと段落したところで
10ヶ月の闘病の末 亡くなった
家族のために生きた人だった


両親が30代でいなくなってしまったことに
自分を不憫に思う一方で
もっともっと大変な境遇の人だってたくさんいる
大したことない 
なんて
悲しみに蓋をしてしまう自分が今もいる
わたしは悲しい と全力で涙を流せたらどんなに楽だろうか

母が亡くなった翌年 祖父母の中で唯一生きてくれていた
父方のおばあちゃんも亡くなってしまい
私たち姉妹に近しい肉親は誰もいなくなった

その事実はとても心細く悲しいことだった

もうイヤだ 
(これ以上人の死を経験したくない) 
おばあちゃんが火葬炉に入るときに口に出たのは 心からの声だった


うちの4番目の子はその2年後に生まれ
新しく輝く命は
姉たち家族を含めたみんなに幸せを運んでくれた

義理の親も兄姉も近くにおらず
夫婦2人で4人目の子どもを育てるのは
本当に途方もないようなことだったけれど
赤ちゃんのエネルギーは特別なもの
天使がきた と本気で思ったし 彼女は今も天使のままだ

生後4日目 まだあの世とこの世を行ったり来たりしているような時期に思える



わたしの家族におもうこと

わたしは親との縁は薄かった
それは心のベースに少しばかりの暗い影をおとしている

でも
姉が2人いて わたしたちはとても仲が良い
気も合うし趣味も合うし 私たちだけの言語をもち いつも冗談を言い合い 
3人それぞれ隣県に離れて暮らすけれど 
絆を感じながら支え合って生きている
これって当たり前のことではないらしい
父と母が残してくれたとても大切な家族だ


父方の祖母が染め物でつくった
私たち3姉妹の絵


そして
わたしがいま共に暮らす家族もまた
かけがえのない自分の家族だ

親の協力が得にくいこともあって  
夫婦でお互いを思いやり 助け合いながら 何とかやっていくしかない中で
工夫と試行錯誤の連続
自然とパートナーシップが強固なものとなり
それは年々良くなっていく感触がある

大切にしていることは
お互いをお父さんとお母さんにしてしまわないこと
スキンシップを欠かさないこと
わたしは自分の気持ちを難しくても言葉にして 
夫に伝えるようにしていること


子どもたちはそれぞれの過程の中で 
今を生きていて 
表面的には悩みは絶えないし 
苦しい場面も数多くある
だけど
わたしは ひとりひとりの奥底に絶対的な信頼を寄せている

どうか邪魔をせずに それぞれの道を進んでいけるように
たまには少し草を刈ったり 石をずらしたり 
そのくらいのお手伝いはできるかもしれない

子育てに正解はきっとずっとないから
悩みながらもその時できる精一杯やること
子育てが終わるのは自分がこの世からいなくなる時だと思っている
いや
亡くなった後でさえ 親は子を育て続けている

子どもはいくつになっても子どもという存在で

濃度は違ってくるけれど
親はいつまでも子どもを気にかけて生きていくだろう


家族は育てるものであり 育っていくもの なのかもしれない

10歳差の長女と3女 だいすきな場所で








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