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【映画の感想など】「センスとはインプットの掛け合わせである」という話から。
インプットを増やしたい
少し前にインタビューをさせていただいた若い社長さんが、
「センスって、インプットとインプットの掛け合わせなんですよ。自分にセンスがないと感じる人は、ただインプットが足りないだけですね」
そうおっしゃったので。
インプットは大事ですよねと共感しました。
その社長さんは、若くして起業して利益をあげ、仲間を増やし、自信がある様子も感じられて。興味深く話をうかがいましたが。
「ところで、あなたはどんなインプットをされているんですか?」
と尋ねてみたところ、
「僕は本を読んでいます。マーケティングの本が多いですけど、でも基本的にはなんでも読みますよ。年間70冊くらい」
そんな答えが返ってきました。へえ!
私は冊数にするとしょぼさが際立つので数えられません。
ただ、
人がまとめた思考を脳に取り込み、自分の言葉で説明できるところまで考えを練り上げることを繰り返すことが、インプットだと信じているので。
私は私なりにインプットを重ねなければと感じた次第です。
そんな最近、珍しく映画をいくつか観ました。
まずは「すずめ」の話
先週、金曜ロードショーで放送されていた「すずめの戸締り」を観ました。途中から。
一昨年の年末に映画館で観たので、まだ記憶には残っています。
私が記憶している以上に「イケメンがイケメンとして登場する時間はわずかで、あとは椅子の姿」という流れを認識しました。
→イケメン枠で登場する草太さんが呪い? により、椅子に魂を閉じ込められ、その原因となったダイジンという猫を追いかけ回しながら、禍を呼ぶドアが空いてしまった廃墟を訪れてドアを閉める話。
…このあらすじは大丈夫?
![](https://assets.st-note.com/img/1712476833641-ekSQDC7HQm.jpg?width=1200)
映画館での感じ方と、テレビでの受け取り方は違うじゃないかという感想
で。
映画館で見た時の方が、よかったんですよ。
多分「ストーリーを言語化」すると、とんでもない部分が随所にあって、テレビだと「とんでもなさ」の輪郭が明確になってしまう。
映画館の暗闇の中で、映像の美しさ、壮大さ、ダイナミックな音響などを体感し、ダイレクトに目と脳を刺激する方が合っている作品というか。
そもそも、映画ってそういうもの?
話は逸れますが、近々ジブリパークに行く予定があり、なんとなく「千と千尋の神隠し」を見直しまして。その時も似たような印象を受けました。こちらは20年以上前に映画館で観て以来、本当に久しぶりに拝見。
最終的な感想は「ところでカオナシってなんなの?」でした。
なんなの???
でも、見直したおかげで、「ジブリの大倉庫」のカオナシが座席に座っている列車の部分ではしゃげそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1712477298330-jeAwrgYsGt.jpg?width=1200)
「とんでもなさ」をナチュラルにストーリーに仕立て上げる力量がすごい
映画は、2時間弱の短い時間の中で、起承転結をいい感じにまとめあげるのがとても難しいなと感じます。
その中で「おっ」と思わせる仕掛けを作らなくちゃいけないし、主人公が立ち上がり、難関に挑むための挑戦をさせないといけないし(いやそういう話ばっかりじゃないはずだけど)。
話の整合性を保つことばかり考えていたら、面白くならないだろうし。
ジブリ映画はその「おっ」と思わせる動機付けなどが明確にあって、わかりやすい上に躍動的(誰もが運動神経が良くて、危険な場所をポンポン飛ぶし、死にそうなのに死なないのがすごいなと)。でもそれがアニメ映画の醍醐味なのだろうと思います。
「すずめの戸締り」でもすずめちゃんが、めちゃくちゃ走ってて、廃墟の観覧車がうっかり動き始め、命綱もなんもない空中で活躍するなどのアクロバティックな動きがてんこ盛り。
アニメだから盛り込めるポイントですね。
また、廃墟になった中学校の玄関で滑り込むシーンも、「それはリアルでやったら擦り傷だらけで相当やばい。あとガラスの破片!」と気になりすぎて私の感情は大変です。
それから「ある男」の話。
こちらは先日、ベッドに転がってiPadで「何か見ようかな」とアマプラを開いた瞬間、リストの一番上にあったので。
観ました。
すごくよかった!
原作が平野啓一郎さんの小説のため、映画にまとめるには要素が多すぎたはずで。
だから、「ん?」となる部分も多かったです。省かれてるなと感じる部分が。
その「ん?」をどうでもよくさせるのが、妻夫木聡さんの色気がダダ漏れてる演技。
さらに安藤サクラさんのいい感じに抑えた演技とか。
窪田正孝さんの「絶対過去になんかあったはずだけど今ちょっと幸せそう」な感じをうまい具合に醸し出す佇まいなども。
映像美、空気感、食事のシーンの幸福感、残虐なシーンのリアルさ、一つひとつに抜かりがない印象。安藤サクラさんが離婚して出戻った実家のキッチンを見て、「わかるこのぐちゃぐちゃ感!」と共感してみたり。
あと仲野太賀さんを起用しておきながら、セリフがないという贅沢な配役。え、しゃべらないの???
![](https://assets.st-note.com/img/1712479280788-3PvMRIWqgF.jpg?width=1200)
謎のまとめ
「すずめの戸締り」を映画館で見た直後。
SNSなどに記した自分の感想が、案外いいなと感じたので転記。
ほとんど前情報も仕入れず、「戸締りって言うから小さな子が防犯のために何かをするのかしら」そんな適当なイメージで構えていたら全く違う話だった。
「君の名は。」を観た時も思ったのだけど、田舎描写のクオリティが細かい。
その高い田舎度と東京の描写との対比から見える未来への警鐘。
廃墟は増えていて、田舎から人の思いは消え初めている。人の絶対数が足りない。
それを微塵も感じさせない都会の風景が、余計に不安を掻き立てる。
印象に残ったのは、HARUTAのローファーだ。
主人公すずめが暮らす、宮崎にある一軒家の自室にはHARUTAの空き箱があった。
彼女が運命に導き出されて東京にたどり着き、履いていたローファーの片方はなくなる。
モノが何かを象徴しているなんて、最近はあまり思わないけど。
いつかは人の思いが通って、生命に満ち溢れていたモノから人の気持ちが離れた時、それらは急速に色褪せる。そして災いを呼んでしまう。
でも、壊れた椅子は災いではなく未来への希望を運んできたし、ローファーはなくなったけれど、代わりに好きな人の靴を履いて主人公は挑戦への旅に出た。
壊れても。色褪せても。無くしても。
人の思いが強く続けば、きっとモノの形以上に残る物があるんだろうなという感想。
あらすじを文章にすると荒唐無稽だけど、圧倒的な映像美と背景描写が組み合わさった映画に引き込まれた。
インプットも、環境を整えて、心と体を正して見なければいけないので大変ですね。
映画館で視聴する方が、感想もいいなと思いました(でも暗闇力に負けて寝ちゃう時もあるよね!)。
本を読む姿勢なんて酷いんですけど。
インプットしっかりするぞ。そんなふうに感じる最近。
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