みんなが一緒にいられる空間をどうつくる?入社4年目の私が今感じていること【スタッフnote】
はじめまして、THEATRE for ALL事業部の林です。私は新卒でprecogに入社し、気づけば今年で4年目(!)に突入します。
入社以降、私は子供向けのワークショップやバリアフリー制作の進行管理などを担当し、アーティスト・情報保障に取り組まれている方・障害のある方・お子さんなど、たくさんの方とのご縁をいただきました。
今年度は初めて企画プロデュースを行う事業が動き出します。企画始動に向けて、あーでもないこーでもない、と企画をねりねりしながら、これまで出会ってきた方々のことを思い浮かべ、どう接続できるか考えている日々です。
今まで出会った方々には”改めまして”、これから出会う方々には”これからどうぞよろしくお願いします”という気持ちで、私のこれまでと今感じていることを書いてみようと思います。よろしければお付き合いください。
precogとの出会い
私のprecogとの出会いですが、本当に運が良くご縁が繋がったおかげ、でした。
就活のタイミングでコロナ禍で緊急事態宣言が出され、地元の名古屋から出ようと思って、選択肢が多い東京・関西での就職を考えていましたが、なかなか就職先が決まらず。
大学では映像メディアを学んでおり、作品制作も行っていました。その際に私がチェルフィッチュを参考作品にしていたことを覚えていた大学の先生が「チェルフィッチュの制作とかに興味ないの?」といってくださり、そこからprecogに辿り着きました。
そして、連絡したタイミングの運が良く、オンライン型劇場「THEATRE for ALL」の立ち上げ時だったため、名古屋にいながらオンラインでアルバイトとして入社。その後、またまた運よく春から社員として関わることに。
入社後は、THEATRE for ALLのデスク業務、ワークショップ等を企画運営するラーニングチーム、情報保障の制作進行などを経て、気づけば4年目を迎えていました。
新卒ペーペーの私を見捨てず、本当にたくさんのご指導をいただき、 ー今現在も引き続きですがー 本当に有り難く思っています。
みんなが一緒にいられる空間ってなんだろう
4年目に入り、これまで経験してきたワークショップや情報保障制作は、多様な人が同じ場を過ごす環境を作る、という共通点があるなあと思ってきています。
ワークショップの場では時に、住んでいる場所・年齢・普段の活動フィールドなど全く違う属性の人たちが集まり、共にワークをおこないます。
情報保障制作では、作品を制作したアーティスト・音声ガイドや字幕を作るディスクライバー・ディスクライバーの原稿表現がきちんと伝わる表現になっているか、情報の過不足がないかチェックするクオリティチェッカーが集まり検討会という場が設けられます。そこでは”作品を作った人””作品を伝える人””作品を受け取る人”と立場の違う3者が共に作品の表現について語りあい、さらにその場を経て出来た情報保障によって、目の見える人・見えない人、耳の聞こえる人・聞こえない人が同じ空間で同じ作品を鑑賞できる空間作りへと繋がっていきます。
業務を通して、”全く違う人たちが、同じ場所で同じ時間を過ごす” そのために出来ることはなんだろうかと考える時間がたくさんあったように思います。
話が少し変わりますが、私が通っていた大学では、「映像メディア」の基礎を学び、そこから自分の専門性を深めていくというカリキュラムになっていました。且つ、研究として行う作品制作のアウトプットは何でもOKだったため、写真・映画・音楽・インスタレーション・ゲーム・パフォーマンスなどなど、みんなアウトプットがさまざま。
インスタレーション作品が所狭しと並べられ制作をしている部屋があるかと思えば、その隣の部屋ではパフォーマンス作品の練習が行われ、さらにその隣の部屋ではスピーカーを大量に並べて音楽を作っている子がいる。そんな教室が並ぶ廊下には、作品で使うぬいぐるみを大量生産している子、PCに向い映像編集をしている子、映画撮影の合間の息抜きに来た子が一緒のテーブルでお喋りしている。そこにまた防音ルームでギターをかき鳴らしていた子が息抜きに加わっていく。
そして、「作品で映像を使いたい」と言えば映像制作が得意な子が、「音楽をつけたいんだけど」と言えば作曲が得意な子が、「作品の記録写真を撮りたい」と言えばカメラが得意な子が、手伝いに来てくれる。
専門として学んでいることが違っていても、作りたいものが違っても、みんな一緒の空間でともに過ごし、それぞれが得意なことで手を貸し合うという環境ができていました。
私はそんな環境をとても居心地良く感じていた、その感覚を最近よく思い出します。
「みんなちがって、みんないい。」
このマインドでいることで、このマインドで居られる環境を作ることで、この世界で生きることが少しだけでも楽になる人がいるかもしれないということを、最近ぼんやりと考えています。
「みんなちがって、みんないい。」で居られるように
「みんなちがって、みんないい。」でいられる環境をつくるために出来ることは何か?を考え、行動していけたらと思っています。
1人の知識や視野では見えないものがたくさんあると思うので、これまで出会った方・この先出会う方々にお力添えいただきながら、または私が微力ながら力添えすることで、少しでも生きやすい社会に向かう道筋が見えたらなと思います。
未熟者のプロデューサー1年目、もがきながら自分にやれることを一生懸命やっていきたいと思います。
企画が表に出るのはもう少しだけ先なのですが、どうか暖かく見守り、もし気が向いたら、少し ーじゃなくてもとっても嬉しいですー お力添えくださると嬉しいです。
文:林芽生(バリアフリーコミュニケーション事業部/プロジェクトコーディネーター)
2021年、名古屋学芸大学メディア造形学部映像メディア学科卒業。2020年10月よりアシスタントとしてprecogに入社し、バリアフリーコミュニケーション事業部のデスクなどを経て、ラーニングプログラムやバリアフリー制作の進行を担当。
株式会社precog(プリコグ)は、芸術祭、映画祭、演劇・ダンス公演、スクール事業など、舞台芸術をはじめとする、さまざまなアートプロジェクトの企画・運営を手がける制作会社です。近年では、アートと福祉の取り組みにも力を入れ、芸術に関する新たな事業の開発にも取り組んでいます。
【スタッフnote】では、仕事を通して得た新たな気付きや知見の数々、プロジェクトにかける想いをお届けしていきます。
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