混ぜ屋さん

新型コロナによって、観光業を辞めて、 畜産で使用される混合飼料などを製造する ”混ぜ屋…

混ぜ屋さん

新型コロナによって、観光業を辞めて、 畜産で使用される混合飼料などを製造する ”混ぜ屋”に転職 「まさか、第一次産業に関わるとは…」 という思いで、様々なことを書いていきます。 まずは、日々勉強している内容から、 書いてみたいと思います。

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飼料安全法って、何なんだ

エサ、つまり飼料の安全を守るための法律 それが飼料安全法 それくらいは字面を見ればわかる。 より正式には、 飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律 のことを飼料安全法というらしい。 混ぜ屋としては、エサに混ぜるものを製造しているので、 飼料安全法を順守して、製造や販売を行う必要がある。 しかも、この法律の面白いところは、その対象だ。 対象としては、 ・ほ乳類:牛、馬(食用に供さないものは除く。)、豚、めん羊、山羊及び鹿 ・鳥類:鶏及びうずら ・昆虫:蜜蜂 ・

    • 畜産してる人が、除草するメリットは

      今年も、だんだんと暑くなって、関東ですら梅雨入りか?というような 暑さを感じ始めている。 そして、梅雨すら開けてしまえば、酷暑になることだろう。 畜産を生業とする人々が除草する理由水も、太陽光も、あれば茂るのが雑草 その雑草を放置するとろくなことがない。 害獣でもあるネズミの隠れ場所になったり、吸血性のあるハエであるサシバエなどにより、ストレスがかかるだけなく、病気を媒介する可能性は否定できない。 牛を守れ!動物たちを襲うサシバエを駆除・予防する方法を一挙紹介|生活110

      • ネッククーラーは人間だけじゃない!!母豚にも!!

        今年も、暑いって… 今年もとても暑くなりそうですね… というのも、エルニーニョ現象の関係らしいと報道が頻発してますね 毎年のことではありますが、夏の暑さ対策は、 畜産現場でも頭を悩ませるものです。 暑熱による畜産関係被害状況 (令和3年9月30日時点)↓ https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kikaku/lin/l_tiku_manage/attach/pdf/index-146.pdf などでも分析されたりもするのですが、 夏の暑さ

        • ニワトリにもアスタキサンチン

          アスタキサンチンについて、聞いたことはあるだろうか? アスタキサンチンを連想しやすいのは、化粧品『ASTALIFT』だろう。 アスタキサンチンとは何か アスタキサンチンは、 ・ブルーベリーアイで紹介されている有効成分、「アントシアニン」 ・伊藤園のお~いお茶でシリーズ化している、「カテキン」 などでも話にあがる、抗酸化物質 アスタキサンチンはというと、 ・活性酸素を除去する作用(抗酸化作用)  β-カロテンの40倍、ビタミンEの1000倍  しかも、血液脳関門すらも通

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        飼料安全法って、何なんだ

          今年は展示会の年《国際養鶏養豚総合展2024》

          今年は、3年に1度の養鶏・養豚の展示会 《国際養鶏養豚総合展2024》 が名古屋で開催になる。 毎回のことなのだが、国際養鶏養豚総合展はゴールデンウイーク前に、 名古屋で行われるのが通例らしく、今年も変わらず、 4月24日水曜日~4月26日金曜日まで 4月27日土曜日から休むと10連休になるらしい 開催場所はポートメッセなごや 第1展示館 前回の国際養鶏養豚総合展2022の年に竣工した、 第1展示館での実施となるらしい。 概要はさておき、今回の《国際養鶏養豚総合展

          今年は展示会の年《国際養鶏養豚総合展2024》

          ニンニクを鶏に与えるとどうなるんだ!!

          ニンニクといえば、料理に多用する。 ニンニクはサプリメントとしても販売されているくらい、健康に対する効果はよいイメージをもっているのではないだろうか? https://my-best.com/5367 ↑ mybest 【2023年】にんにくサプリのおすすめ人気ランキング28選 畜産においても日本ガーリック株式会社という会社もあったりする。 (オーダーメイドプレミックスも作っているので、ペレット加工・顆粒加工に強そうなイメージがあるので、混ぜ屋でもあり、牛などの方が強

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          複雑奇怪な業界のお話(動物薬卸)

          混ぜ屋の取引先の半分は、動物薬卸 動物薬卸というと、人間での卸の売り上げについては、 noteにて書いておられる方もいる。 これの動物薬だと思ってもらえればいい。 売上高などは記載せず、あくまでもこんな動物薬卸がいるんだという認識でお願いしたい。 動物薬については、全国を網羅する会社はない。 広域にあったとしても、地域にぬけがあったりするのが常だ。 動物薬卸がどのように展開しているのか、簡単にまとめてみたい。 ①株式会社アスコ 本州を中心に、広く営業所を展開してい

          複雑奇怪な業界のお話(動物薬卸)

          【悔しかった話】物量こそパワー

          食塩の見積があったので、対応したのだが、見合った提案が出来なかった。 悔しい… というのも、規模の大きくない肥育牛農場だったので、 500kg(20袋)での見積は使い切るのに何年かかるか… 100kg(4袋)であれば使い切れると思うが、 それでは、ネットショップの価格に勝てない。 (Yahooのは運賃別) 使う物量が多ければ、価格も出すことが出来る。 しかも、飼料原料だからこそ、混ぜ屋を通して買わなくてもいい。 (混ぜ屋じゃないと作れないものではないから) 500k

          【悔しかった話】物量こそパワー

          ローソニアに対して、どう向き合うか

          ローソニアって、そもそも? ローソニア感染症は、ローソニア イントラセルラリス(Lawsonia intracellularis)という細菌による感染症 もう少し詳しく言うのであれば、グラム陰性偏性細胞内寄生細菌として分類している。 簡単に言うのであれば、菌の増殖に酸素がない環境が好ましい菌らしい。 細菌性の病気であり、肥育豚の他に、鶏や馬、猫なんかもかかるようだ。 人間もかからないことはないと思うが、感染性腸炎の原因としては、 他の菌が多く挙げられているので、人間に

          ローソニアに対して、どう向き合うか

          ビックモーターの除草剤って…

          ビックモーターの除草剤散布の話題 いろいろ話になっている。 それについて、noteでもみなさんいろいろ書いている。 畜産の現場でも、除草剤というのは必要不可欠 全く何も使っていないということはあまりないと思う。 というのも、農林水産省からの指導が入るのだ。 農林水産大臣が、 家畜の飼養に関わる衛生管理の方法に関し、 家畜所有者が遵守すべき基準を定めているからだ。 (飼養衛生管理基準及び家畜伝染病予防法第12条の3) 飼養衛生管理基準において、 「衛生管理区域内の整理

          ビックモーターの除草剤って…

          ニコチン酸が少し上がり始めてる?

          畜産で使用しているナイアシン(ニコチン酸) が少しずつ値上げされてきているらしい。 日本ではビタミンB3として1960年代までニコチン酸やニコチン酸アミド、ナイアシンを表現していたらしく、現在でもめちゃめちゃ混在している。 しかも、別段統一しているということもないらしく、 ニコチン酸・ニコチン酸アミド・ナイアシンのどれも通用するし、 なんなら、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)という成分すらあり、わからないとしか言いようがない。 ナイアシンアミドという言葉すらあり

          ニコチン酸が少し上がり始めてる?

          無菌豚というのは、存在しません

          街中などで、「無菌豚」という文言を見たことはないだろうか? 混ぜ屋として、働くようになってから、 「無菌○」という言葉は動物・畜産ではありえないということを感じた。 そんな中で、「無菌豚」という表記を見て、絶句してしまった。 なんで、「無菌豚」なんて表記に至ったのか、 書いてみたいと思う。 まず、このメニューに書かれている「SPF豚」が原因だと思う。 先に言っておくのだが、 「無菌豚」=「SPF豚」 では全くないということを言っておこう。 その「SPF豚」について

          無菌豚というのは、存在しません

          多分、卵の値段上がるんじゃな?って話

          混ぜ屋として、採卵(レイヤー)をやっていて、 黄身の色を上げるのに、努力しておられる方に、 是非ともお伝えしたいことを勝手に書いてみる。 卵の値段が上がるんじゃないかって話が入ってきた。 こんな記事が出たり こんな報道が出ている。 が、そういった話とは少し違った話だ。 というのも、卵の黄身の色を鮮やかにしている、 色素の1つ、パプリカの不作によるものだ。 少し前のネットの記事では、 2020年に穀物商社の1つである、Olamのスパイス部門の1つが出した記事では、

          多分、卵の値段上がるんじゃな?って話

          エコフィードといっても楽じゃない

          混ぜ屋といっても、何でも屋といった側面のある弊社 そんな弊社でも珍しい内容の話があった。 というのも、リキッドフィードをしているところで、 pH3という非常に酸性のものが出来てしまい、豚が食べないとのこと。 中和する為に食品添加物の水酸化カルシウムを混ぜて、 ある程度中和して豚に与えているということだった。 水酸化カルシウムを与えることは問題ではないが、 食品添加物だから使っていいということではない。 (飼料としての届出が必要だが、今回はいい) では、pH3にという状況

          エコフィードといっても楽じゃない

          混ぜ屋の得意不得意(抗菌性飼料添加物編)

          混ぜ屋にも得意不得意が存在する。 今回は、抗菌性飼料添加物 抗菌性飼料添加物とは、 あくまでも「飼料が含有している栄養成分の有効な利用の促進」が目的 で、どういった作用で「飼料が含有している栄養成分の有効な利用の促進」が出来るのかというと、病気の原因となるような菌をあらかじめ抑えることで、それらの菌によって疲弊することで消費するエネルギーを減らす。 という理解をしている。 (概ねあっていると思う) で、どういったものが抗菌性飼料添加物なのかというと、 という一覧が

          混ぜ屋の得意不得意(抗菌性飼料添加物編)

          三元豚っていうけれど

          混ぜ屋になるまで、豚肉に対してしっかり見ることはなかった。 (なんなら、卵や牛肉などについても) で、最近食べたとんかつが非常に美味しかったのだが、 それが三元豚らしい。 オーケーストアでも、三元豚を使ったロースかつ重を販売している。 そもそも三元豚って 三元豚というが、より正確に言うなら三元交雑種のことであり、 3種の豚の特徴を持った豚ですよ ということらしい。 http://www.famic.go.jp/public_relations_magazine/ko

          三元豚っていうけれど