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複雑奇怪な業界のお話(動物薬卸)

混ぜ屋の取引先の半分は、動物薬卸

動物薬卸というと、人間での卸の売り上げについては、
noteにて書いておられる方もいる。

これの動物薬だと思ってもらえればいい。
売上高などは記載せず、あくまでもこんな動物薬卸がいるんだという認識でお願いしたい。


動物薬については、全国を網羅する会社はない。
広域にあったとしても、地域にぬけがあったりするのが常だ。

動物薬卸がどのように展開しているのか、簡単にまとめてみたい。

①株式会社アスコ

本州を中心に、広く営業所を展開している(株)アスコ
その母体は、なんとエネルギー関連企業である、株式会社サーラコーポレーション
正直、「なんで動物薬?」という感じのグループ企業の構成ではある。

しかし、転勤ありらしいので、働くとなると人を選ぶかもしれない。
また、本州に広く事業所があるが、サーラグループの本拠地である愛知県に営業所が多く、本州でも北陸と東北の一部で営業所がない。


②MPアグロ株式会社

MPアグロ(株)も非常に広域に支店を持つ。
こちらの母体は、人薬での最大手ともいうべき、メディパルホールディングス

北海道に管理本部を置く、北海道が拠点の会社
とはいえ、北海道はもちろん、東北や中四国、九州に支店を持つ。
しかしながら、東京に営業本部を置くものの、関東圏に支店の配置は多くない。


③株式会社アグロジャパン

本社を新潟に置き、営業部をチームを北海道と東北に配置している。

(株)アグロジャパンも、人薬でも大手の株式会社バイタルネットのグループ

(株)バイタルネットのグループには、⑩で紹介する(株)ファイネスを傘下にしている、(株)バイタルケーエスケー・ホールディングスがある。
営業拠点としては、(株)アグロジャパンと(株)ファイネスは競合しない。
うまくできてると思うが、統合してしまえば、と思うこともあるが…


④小田島商事株式会社

本社を岩手県に置き、東北と北海道に営業所を置く。
面白いことに、本社近くにガソリンスタンドを運営していたり、検査部門もある。

混ぜ屋としては競合ということになるが、プレミックス(混ぜ屋)の工場を自社で持っている。



⑤森久保薬品株式会社

神奈川に本部を置き、関東一円と山梨に事業部がある。
関東ではNo.1とホームページにあるくらい、関東での営業力が強い。

最近、動物薬は動物薬でも、畜産と小動物を分社化した。

その点、他の動物薬卸とは異なる点だろう。


⑥アクティ株式会社

動物薬卸以外に、食品卸でもある、アクティ(株)
本社を長野に置き、動物薬卸の営業部は関東と山梨、長野に展開している。


⑦株式会社大正堂

本社を栃木に置き、関東と北海道に営業所がある。
動物薬卸ではあるものの、本社の栃木には、農園芸資材の専門店TaiShoDoを運営している。(ホームセンターのようなもの)


⑧株式会社サン・ダイコー

福岡と大分に本社を構え、九州全域に支店と営業所がある。

(株)サン・ダイコーについても、株式会社フォレストホールディングスの傘下

グループ内に、協和化学株式会社という宮崎に拠点を持つ、動物薬卸がある。協和化学(株)は、(株)サン・ダイコーの傘下ということになるようだ。

https://kyowachm.com/


協和化学(株)のHP

パートナー企業として、松田商事株式会社と株式会社オキチク商事がある。

(株)オキチク商事は工事部としての部門や、建築資材を扱う資材部なんかもある。


⑨富田薬品株式会社

本社を熊本に置き、大分を除く九州全域に動物薬(A&S営業部)の営業所を置く。

株式会社沖動薬と動物用医薬品等卸売事業における業務提携がある。
((株)沖動薬についてはHPなし)

ベトナムにも、富田薬品ベトナム有限責任会社を設立している。


⑩株式会社ファイネス

https://www.finese.co.jp/


(株)ファイネスのHP

人用も動物用も、取り扱う(株)ファイネス
エリアとしても、石川や富山といった北陸をカバーしているのは、
(株)ファイネスくらいだろう。


まとめ

紹介した動物薬卸を含め、本社(本拠地)と営業拠点数をまとめてみた。
畜産が盛んな地域は複数の動物薬卸が営業拠点を持っている。
・酪農などが盛んな北海道
・卵や豚の生産などが盛んな関東
・和牛生産で知名度の高い中部
・和牛はもとより、豚鶏も盛んな東北や九州

動物薬卸拠点リスト(県別)
2023年10月11日作成


混ぜ屋としては、どこの動物薬卸から購入いただいても、
農場の目的に合った改善が行えるならそれでいいの。
しかしながら、混ぜ屋だけで農場を訪問しきることはおそらくどこもできないだろう。
(大手の農場であれば、混ぜ屋と直接購買をしてることもある)

だからこそ、動物薬卸の方々とは仲良くやっていきたいが、
動物薬卸の間でぶつかることもある。

ましてや、混ぜ屋の商品は飼料の販売に関する事業者に対する届け出を行えば販売できる。だからこそ、商社や原料屋を通しても販売する事は出来る。

動物薬卸だけでもこれだけ複雑奇怪なのに、もっともっと業界は複雑奇怪なんだから、立ち回りは本当に難しいところだ。


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