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接客に関わる人に読んでほしい「気持ちの良い接客の計算式」

私は大学時代の3年間、テーマパークで働いていました。

それはとてもとても大きな財産になったのですが、他の人は全く気にしていないだろう日常的な接客シーンにまで気に留まるようにもなりました。

私は、 " コンビニ " に接客を求めてしまいます。

求めるというよりは気になってしまう程度ですが、おそらく9割の人はコンビニに接客は求めていないでしょう。とにかく混雑時に速さだけ重視してほしいとの声が聞こえてきそうです。

コンビニに限らず、スーパーマーケットやファミレスやファストフードなどの飲食店もそうです。これらの店舗では時間帯によっては必ず並びますし、待ちます。

" 待つ " は接客において負の現象です。私の経験上、クレームは散々に待たされた挙句、対応が悪かった。というのがほとんどです。

私たちは待つという負の現象に対して、並びながら家族や友人と会話をする、スマホやゲームをするなどして負の感情を抱かないように対処しているわけですが、ただただじっと待っているお年寄りや、じっとできない幼児の対応に追われ更に負の感情を爆発させている親など、負の感情にうまく対応できなかった人たちがクレーマーと成り得るのです。

したがって、気持ちの良い接客を行うことによって、それらの人の負の感情を抑えてあげるべきなのです。それがいわゆるホスピタリティです。

コンビニやスーパーマーケットなどの日用店舗とテーマパークにおいて、接客の良さで比べるとテーマパークが先に浮かびますが、客を並ばせる、待たせるという点では、形態は類似しています。私は接客においては、これらは同じ形態に分類できると考えています。

これを" テーマパーク型 サービス "と名付けます。
この形態における気持ちの良い接客とは、以下の計算式で成り立ちます。

「気持ちの良い接客 = 応対の速度 × 応対者の(接客に対する)ゆとり」

応対の速度とは、そのままです。レジ処理の速さであったり、料理の提供スピード、いわゆるいかに待たせないかを表しています。

応対者のゆとりとは、簡単にいえば丁寧さです。丁寧さを出すことって実は難しく、応対者が対人関係、不眠など日常生活にストレスがあればそこにゆとりはありません。または、バイトが面倒くさい、接客をしたくない、そういう気持ちでもゆとりは生じません。生活にゆとりがなければ、良い接客は生まれるものではありません。

新人の応対者がクレームを受けてしまうのは、業務に不慣れなため速度がないのと、接客に緊張してしまいゆとりがないためです。ベテランの人でもクレームを受けるのは、速度を重視し接客に対するゆとりが欠けてしまうからです。接客で重要なのは会話です。会話で重要なのは人の目を見ること。しかし、この速度重視に陥ると客の目を見ることはないでしょう。

さて、速度とゆとりは相反するものです。両者を高めることは労力を費やします。しかし「速く走る」ことで考えてみると、足の速さというのは、歩幅の大きさ(ストライド) × 足の回転(ピッチ) で構成されます。これも相反するものですが、陸上選手は0.1秒記録を縮めるために相当な努力をします。接客のプロフェッショナルになるには、相応の心構えが必要だというわけです。

接客のプロと聞くと、ホテルマンや高級レストランのウエイター、キャビンアテンダントなどが挙げられますが、接客に速度を求めない以上のような接客は、テーマパーク型サービスとは違う形態です。

私自身は、現在サービス業からは離れてしまいましたが、客としてプロの接客に出会えると感動してしまいます。コンビニで接客を求めてしまうのは、そんな人たちに出会いたいという期待かもしれません。

皆さまも日常で出会った接客のプロのお話を聞かせてください。

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