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女性のためのヨガの教科書14

骨盤の向きは足の向き


足の向きなどあまり日常では気にしないかと思いますが、
ヨガではとても重要です。

脚の造りは、腕と違い、
捻って使うように出来ていないので、
つま先の向きが膝の向きになります。

そして多くの人が少し外旋気味になっている股関節は、
内側に引きつけるようにして、
大腿骨を骨盤にしっかりはめ込んだ状態で、
さらには両股関節と会陰からの引き上げを行うことによって、
骨盤の中心に力が集まる仕組みです。
多くの方は、股関節に余分な力を入れたまま立ちポーズを行なっているのですが、
股関節は360度動かせる球関節。

このような造りは「動かすため」のもので、「支えるため」のものではありません。

ですから、足部をしっかり、
股関節はつま先や膝の向きに自然についていくように、
力は真ん中に引き寄せて。

トリコーナアサナ(三角のポーズ)がわかりやすいでしょう。
脚を左右に広げて立ち、前側の足はつま先を90度外に、
後ろ側の足は、つま先は踵より内側、60度、45度、
角度は股関節のコンディションによるでしょう。
この時、とてもクラシックなスタイル、
今から四十年ほど前は、
骨盤は真横に向いたまま上体を傾けてポーズを取っていました。
でも、それだと後ろ足の股関節や膝、
さらには腰に負担がかかるのです。
お尻の筋肉を無理にギュッと縮めて、
仙骨の周りを圧迫してしまいますので、
その上の背骨が伸びません。
また前の脚の膝が中に倒れやすく、
土台が安定しにくくなります。

四十年前くらいは、
ダウンドッグ(犬のポーズ Adho Mukha Svanasana)も、
思い切り腰を反って、おでこが床につくくらいの勢いでやるのが正解とされていました。

ヨガのアサナの名著アイエンガーヨガのBKSアイエンガー師の「ハタヨガの真髄」の写真にもそう載っています。
けれど、それだと肩に負担が掛かります。
前腕は内側に、上腕は外側に、
肩甲骨を開いて背中に呼吸を送るようにしながら、
少しずつ膝裏を伸ばしつつ腰を高く上げる。
この際に、反らずに両脇を長く、
前鋸筋の動きを意識しながら少しずつ呼吸を深めていく…

ダウンドッグのレクチャーはそれだけで何ページも費やせるほど複雑で奥深いものですが、
ヨガクラスではレベルに関わらずほぼ必ず出てきます。
だから、初心者はまずダウンドッグを頑張ってみると、
ヨガって何なのかが少し掴めるのではないでしょうか?


AIにDownward Facing Dogの画像を作らせたらこうなりました。

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ヨガインストラクター歴は18年。既に成人した息子をシングルマザーとして育ててきた経験から、ヨガを軸に、女性の生き方、医療でカバーできない健康のこと、などを発信していきます。