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社員たちが定年後も健康に暮らしていくために。会社と地域の健康を支える、フルタイム管理栄養士の奮闘

こんにちは! 愛知県瀬戸市に本社を置く大橋運輸です。

「仕事の付加価値は人がつくる。大橋運輸がダイバーシティ経営を始めるまでに積み重ねた改革の歩み」でご紹介した通り、私たちは「ダイバーシティの普及」「健康経営の実践」「地域貢献活動」の3本柱を掲げています。

今回は、健康経営にフォーカスしたいと思います。企業にとって社員は大切な「財産」です。当然ながら健康なくして良い仕事をするのは難しい。その健康を支える大切な役割を担うのが、社員として活躍する管理栄養士です。

管理栄養士といえば、学校や病院、高齢者施設で栄養管理・食事メニュー考案を担うイメージが強いと思います。しかし、私たち大橋運輸の管理栄養士が健康経営で取り組むのは、ひと味もふた味も違います。それは、社員が定年後も健康に暮らせるようにするための意識改革を促すアプローチです。

今回は、管理栄養士である太美善(たい みそん)が、業務内容や入社の経緯、大橋運輸が考える健康経営の在り方をお伝えしていきます。

治療より「予防」。夢を抱き中国から日本へ

初めまして。大橋運輸 管理栄養士の太です。

企業に所属する管理栄養士がどのような業務を行うかイメージしにくい方も多いと思うので、最初にその説明ができたらと思います。

まず重要な業務の一つとして、健康診断の手配やアフターフォローがあります。特に治療より予防の観点から、経過観察の項目についてもヒアリングしてアドバイスを行っています。また、生活習慣病の社員に対しては、産業医とも連携しながらアドバイスをしていきます。

次に、健康経営に関する取り組みです。例えば、社員の健康に関する意識向上のため、食育、睡眠、運動、メンタルヘルスなど、さまざまなテーマでイベントを開催しています。毎回アンケートをとり、次回以降の改善に生かすよう心がけています。毎週月曜日には、LINEを活用して健康に関する情報を発信する取り組みも実施しています。

対外的な活動も幅広いです。弊社が経営しているたいやき屋にて、地域の皆さまを対象とした健康相談会を毎週水曜日に開催しています。講演会の登壇、健康経営に関する取材の対応や、健康経営優良法人の認定申請にまつわる書類作りなども担っています。

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私が大橋運輸に入社したのは、2020年8月のこと。今、まさに長年夢見てきた仕事に就けているのですが、ここに至るまでには紆余曲折ありました。

中国で生まれ育った私は、高校生になったばかりのころ脳出血で母を亡くしました。このことをきっかけに、同じような病気の人たちを救いたいと考え、最初は医師を志しました。

しかし、病院での研修中、母と同じ脳出血で病院に運ばれてきた方が、病院に着いたときには既に亡くなっていたという光景を目の当たりにしたのです。「医師にも何もできないことがある」「間に合わないこともある」と、無力感にさいなまれました。

手術を含めた治療は、重症化を遅らせるための手段の一つ。脳出血の主な要因は高血圧や喫煙、飲酒、低栄養などが挙げられ、これらは生活習慣と強い関わりがあります。このことから治療ではなく、「予防」に携わりたいと強く思うようになりました。

その後、中国で栄養士の資格を取得したのですが、残念ながら約15年前の中国では食事や栄養に対する意識は低い状況でした。生かす場を探すうちに栄養の知識をもっと深めたい気持ちが生まれ、長寿国である日本に留学を決意。日本に渡り、1年半ほど日本語を勉強し、大学で一から4年間勉強。無事に管理栄養士の国家資格を取得しました。

LINE登録依頼も大苦戦。地道な啓蒙活動を

無事に管理栄養士の資格を取得したものの、ここでも大きな壁が私を待ち受けていました。管理栄養士として就労ビザを取得した前例が当時なく、「ビザがおりない」と言われてしまったのです。

中国に帰るか、他の職種を選択するかの二択を迫られました。中国に戻っても希望の仕事ができないことは分かっていたので、いったん栄養士以外の業務に5年就いて、就労に制限のない永住権を取得する道を選んだのです。

無事に永住権を取得し、「いよいよ管理栄養士の仕事を」と求人サイトを見ていたところ、目に留まったのが大橋運輸でした。以前から管理栄養士の採用が行われており、私で三代目となる大橋運輸。入社当初から、トレーニングルームの開設や食育、8020運動などの取り組みが始まっていました。「中小企業なのに、治療より予防が大事という同じ想いを持っており、ここまで実践しているなんて、すごい!」と思ったのを覚えています。

実は、面接を受ける前は「本当に健康経営に力を入れているのかな?」と少し疑う気持ちもあったのですが(笑)、それは杞憂に終わりました。面接で社長の熱意を聞き、「本気だ」と確信。面接で2時間ほど熱い議論を交わし、すぐに「一緒にやりたい」と伝えました。

入社後、さっそく健康経営に関する取り組みを始めましたが、営業所によって健康経営の捉え方に温度差がありました。特に、本社と物理的な距離がある営業所の社員まで健康情報が行きわたっていないことに気が付きました。もっと積極的にコミュニケーションをとろうと営業所に出向いても、夜勤のドライバーとは勤務時間が重ならないので、会うこともできません。また、新型コロナの感染拡大が始まり、直接会って話すことも難しくなりました。

「社員たちともっとつながり、想いを伝える方法はないか」と考えるなかで思いついたのが、オンラインのコミュニケーション手段をつくることです。LINEで定期的に健康情報を発信し、社員からの相談を受け付けるようにすれば、健康意識が高まり、コミュニケーションも活性化すると考えました。オンラインのほうが、管理栄養士とコミュニケーションをとること、相談することへのハードルが対面よりも低くなるというメリットもあります。

緊張しつつも社長に直談判したところ、即快諾。すぐに導入が決定し、他の社員に向けて「こういう取り組みを始めます」という宣言もしてくれました。経営者が健康経営に理解があり、かつ中小企業ということもありますが、弊社は新しい取り組みを始めるときの決断スピードが非常に早いです。やりたいことがすぐにできるというのは、嬉しいものです。

毎週LINEで届く健康情報

最終目標は、定年後も社員が健康に暮らせること

すぐに始められたのは良かったものの、施策を軌道に乗せるまでにはいくつかハードルがありました。まず、登録人数を増やすことに大苦戦。年配の社員はLINEに抵抗感があるケースがありました。そして、登録するメリットもなかなか理解してもらえなかったのです。

でも、諦めてしまっては何も始まりません。初めてのことには誰でも抵抗がありますが、登録してもらったら必ず意義を感じてもらえるはず。そこで、新型コロナが落ち着いたときは何かと別の口実をつくって会いにいき(笑)、一人ひとり個別に説明してその場で登録してもらいました。その結果、今では社員の8割強がLINEに登録してくれています。

もうひとつ苦労したのは、継続することです。自分で「毎週配信する」と決めたはいいものの、毎回内容は試行錯誤です。でも、一度も途切らせることなく、先日ついに1年が経過!とても達成感があります。情報発信を続けていくうち、徐々に社員の意識が変わっていく実感もあり、そういった喜びがあるからこそ、続けられている側面が大きいと思います。

例えば、社員から「ダイエットに成功したよ」「間食をナッツにしたよ」などと、LINEで返信をもらえることも。そういった言葉の一つひとつが、私の喜びやモチベーション向上につながっています。たまたまカップ麺にお湯を入れている社員のそばを通りかかったら、「まずい、見つかった!」と反応をされたこともありますが(笑)、私を見て「気をつけなければ」と思ってもらえることも、健康意識が上がっている一つの証かなと考えています。

健康経営は、特に短期的には数値上の成果として見えづらいですし、直接的に利益につながるわけでもありません。メリットは理解していても、なかなか企業として投資に踏み切るのは難しいものです。だからこそ、最も大切なのは経営者の意識だと思います。中小企業の大橋運輸が健康経営に力を入れ続けているのは、代表の鍋嶋が「定年後も社員が健康に暮らせること」を目標に掲げ、健康経営に対して並々ならぬ熱い想いを持っているからです。

鍋嶋は、かつて危機に瀕していた大橋運輸を立て直すべく、昼夜を問わず働いていた時期がありました。その結果、心も身体もボロボロになってしまったのです。健康を害してしまうと、老後も含めて社員が困り続ける自体になりかねません。「そういった事態を防ぎたい」「社員たちに自分のような経験はしてほしくない」と、鍋嶋は考えているのです。

大橋運輸は運送業を営んでおり、当然ながらドライバーは一人で働いている時間も長くなります。そういった仕事が好きで働いている社員が多いのですが、定年後もそのまま社会とのつながりが少ないままでは、健康寿命が短くなってしまうリスクがあります。働いているうちに、「自分で自分の健康を保つ」手段や意識を身につけてほしいという想いもあります。

そして、健康を大事にすることは、直接的に利益につながらないように思えても、必ずビジネスにつながると考えています。健康経営がきっかけで大橋運輸を知っていただくケースもありますし、社員が健康で楽しく働けば、お客様や地域の皆さまにより貢献できる。まわりまわってビジネスにもつながるというのが、大橋運輸が考える健康経営の意義です。

私も担当者として健康の大切さを伝え続け、社員が定年後も自分で自分をケアできるようサポートしたいと思います。「大橋運輸に入社すると、自然と健康習慣が身に付く」状態が理想です。1人でも多くの社員の健康意識向上に役立てるよう、これからも頑張ります!

今後も社長や社員へのインタビューを通して、会社の歴史や各取り組みの詳細について深く紹介していきます。当社で働くことに興味を持ってくださった方は、ぜひ採用ページをご覧になってもらえると嬉しいです。

また、ビジョンに共感して下さった方で、公開されている求人にはマッチしないものの「挑戦したいことがある」「自分の経験やスキルを活かせるか確認したい」という方向けに、オープンポジションの求人も用意しました。

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