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「Vtuber文化論」ホロライブはなぜ理不尽に叩かれるのか。


今ホロライブは背負うべき責任やリスク、倫理観やモラルという光にようやく照らし出されたとも言える。
人気ある活動者には当たり前の監視の視線。
その影響力の大きさについて回る批判の声。

先日の5期生ライバーによる「職業差別」的発言での炎上など、たしかに失言である一方で中には誇張された悪意ありきでの誹謗中傷が増えているのもまた事実だ。



こうした流れの中でホロライブファンの一部には、
「ホロライブは理不尽に叩かれている」
「とにかく火を付けて燃やしたい輩が多い」
と思っている人も居るではなかろうか?

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これは正しい。
その状況、感情は見知ったものだ。
にじさんじや一度炎上した後のアイドル部なども、過去そういった批判に晒され続けた箱であった。(もちろん現在進行系で)

そうしてにじさんじなどが常に監視されて叩かれながらも、その都度一定の改善を図りつつ地道に前を歩む一方で、矢面に立たずミスがあるのにただ見逃されていたホロライブは、危ういグレーゾーンをも効果的に活用して急成長を遂げた。

運営もライバーもろくに批判や監視の目に晒されないまま、何も咎められないからこそ改善するきっかけもなく、ある意味では増上慢で人気だけを手にする事となり、経験値の少なさから数々のトラブルが表面化するもその対処に遅れを取り続けている形になってしまっている。


これらの不祥事、悪評の蔓延を指して「Vtuber界隈の汚点」「界隈の風評被害だ」と毛嫌いするような人が出て来てしまっている。

今回取り上げたいのは、この「界隈の風評」「界隈の中のホロライブ」という立場についてだ。


冷たい箱


ホロライブのこれまでの風評作りで際立ったのは、
優れた3D技術、
有能な運営(無許諾問題以前)、
ゲームの選択肢の広さ(無許諾問題以前)、
配信頻度の高さ、
スパチャの多さ、
登録者や視聴者数の高さ、
可愛い、綺麗、アイドル売りなど。

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言ってみれば、他よりも優れているという所を見せつける事で箱としての魅力を存分に伝えてきた印象がある。

ホロライブとは離れた場所でVtuberを見ていても、様々なニュースサイトやコミュニティなどを介して、比較によってこの箱が如何に優れているかという情報を見聞きするような時期があったはずだ。

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「p2y.jp」というニュースサイトでホロライブに有利な偏向記事を載せていた記者が解雇された例などは記憶に新しい。

この記事が「ただの一部信者の暴走」あるいは「その時のトレンドで対立煽りを行いPV数を稼ぐ」意図だとしても、そういった点を計画的に利する行為として扱う時点で、ホロライブに対しての話題性や強みにはこういった比較による優劣的な部分が数多く見られていたのはたしかだ。



これらホロライブに対しての良いイメージの中には欠けているものがある。

「界隈への貢献」


自己の利益は追い求める一方で界隈の、『他の利益に与すること』を徹底して拒んで来たのがホロライブという”箱の体質”。

今でもスパチャや登録者、配信の面白さなど既存ファン目線での良い部分はいくらでもあるだろうが「"界隈の中での"良いイメージ作り」というものが致命的に少ない事に気付く。

仮に良いイメージ-悪いイメージ=風評
とするならば悪いイメージが増える一方で、良いイメージが足りていない。

他より上を行くという風評の作り方は得意とするが、他と協力して一緒に界隈を盛り上げようとするような風評の作り方、好感度の作り方をサボり続けた結果がこの箱の風評にも関わって来ているのではないだろうか?



ライバー個人の考え方はそれぞれにあるにせよ、この箱の界隈への付き合い方には一貫性が見られる。

1期生、2期生が上を目指す過程では、大中小様々な個人勢との活発な交流やコラボを行い、当時圧倒的に格上であったにじさんじライバーとの単枠コラボではほぼホロライブ側がチャンネル枠を取っていた。
「YouTubeのメタタグ」には関係がない大手のVtuber達の名前を使い自らのチャンネルに誘導するなど、外部のVtuberの人気を上手く活用して成り上がった面も強い。

しかし今3期生、4期生、5期生と箱の勢いが自社だけで成り立つにつれて外部とのコラボは露骨に減り続け、自分たちの数字を外に流出させんとするような戦略的な立ち回りに変化してる。

凸待ち配信などに顔見せに来るもツイッターでの相手枠への誘導RTなどを行わない徹底した立ち回り。
かつてのホロライブならば交流を持っていたような個人勢との関係性は途切れ、数字の低いVtuber達を露骨に避け、「にじホロ周辺の大手」以外との交流が極端に減っている事には誰しも気付くだろう。

これほど圧倒的な人気を誇る一方でホロライブをきっかけにして人気になったVtuberといえば「犬山たまき」「しぐれうい」「ななかぐら」など何れも拡散力の高く有名絵師界隈に限る。


5ななしのよっしん
2018/06/05(火) 02:50:29 ID: 0P6U0Vufnf
今更だけどホロライブのフォロー欄ヤバいな・・・
仮にも公式のアカウントとは思えん

6ななしのよっしん
2018/06/13(水) 12:17:31 ID: ADWDn/TVfZ
ほぼクリエイター系のみフォローしてるけど、コネ作って隙あらば利用しようとでも思っているのかね
関係者にしては絵描きが多すぎるし、第2のロボ子さんみたいなの探してるんじゃないか
同業者はのじゃおじしかフォローしとらん

                 ニコニコ大百科 ホロライブより抜粋






特有の数字を基準にしたビジネス外交。
これは間違いなくホロライブを成長させ、ライバルにファンを奪われる動線を作らないという箱の強固なファン層を形成した一因でもある。

が、同時に"界隈に対しての冷たい印象"は免れない。

炎上するようになった以後も、にじホロ間での単独枠コラボでのチャンネル枠はホロライブ側に寄っているのには気付く事が出来る。
にじさんじ側の単独枠は「夏色まつり」⇔「西園ちぐさ」、「星川サラ」⇔「赤井はあと」、「舞元啓介」⇔「大空スバル」のような関係性に限られる。
その関係に多くは踏み込まないが言ってしまえばライバー活動前から仲が良いだとか、本当に好意的(推し)な関係性の場合ではお互いに誘い合うのでホスト枠のバランスも取られる。
逆に言えばこれらの本当に関係性が深い同士のコラボでは枠を譲り合っているからこそ、一方的に片方が枠を取り続けるタイプの関係性には片方からしか誘っていないというビジネス意識が強く感じられる。


界隈のサボり魔



こういったホロライブの界隈に対しての冷たい姿勢を体現する大会となったのが先日「YouTube Gaming Week」の企画の一つとして開催された「fallguys」でのVtuber合同イベントである。

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参加メンバーは所属や箱を超えて「Vtuberの象徴」「界隈のトップ」「著名な個人勢」「新進気鋭」が揃い踏みちょっとしたVtuberオールスターの模様を呈していた。
新規向けにアプローチするというよりは、Vtuber界隈のファンを対象としたイベントという趣が強く出ている。
この場において、今や数字的人気的には最も界隈を牽引する立場にあるホロライブチームの活躍は如何ほどのものであったのか。



決して彼らの成績が振るわなかった事を問題にするわけではない。
箱の方向性として女性のみの参加となった事の不利は当然あった。
勝敗のみを競うのではなくレクリエーション的な催し物である。
元より賑やかしの集客要因としての案件的な参加と割り切る事も出来る。



「なら、盛り上げてくれ。盛り上げようとしてくれ。」


これに尽きる。

「建築王」、「PUBG」、「APEX」など近年のVtuber合同の企画や大会などでのホロライブの活躍は、パっとしない所か他の参加者達に比べて明らかに怠るシーンが多い。

「建築王」では他のチームが1日目から活動する中でホロライブは連絡の不備などもあり一人のリスナーにその場を任せるという醜態を晒す。
「PUBG最協決定戦」の大会ではチーム練習を一度も行わず、ゲストチームでありながらPVの提出も行わなかった。
呼ばれて出場した時点で一定の集客力と言ってしまえばそれまでだが、
内容として大きな撮れ高、大会の盛り上がりに貢献する事は少ない。


近年のホロライブの外部主導の合同的なイベントにおける基本スタンスは、

・企画を盛り上げようとしない(他と足並みを揃えない)
・熱意が欠けている(フリでも演出しようとしない)
・そもそも練習をしない(時間があろうが)


おおよそこれに当てはまる。

練習時間が取れないのか?そんなわけがない。
「YouTube Gaming Week」を通してホロライブに与えられた案件はこの企画ただ一つのみ。
案件などは他のチームの方が遥かに多く忙しい。
普段のライフスタイルを鑑みても配信頻度は高く、活動に多くの時間を取れるような専業的ライバーが多いのがホロライブの特徴だ。


「体調不良があったから。」
「活躍出来るようなメンバーじゃなかったから。」
「あまり会話をしたこと無い面子だったから。」


ホロライブは毎度そこまで人材不足なのだろうか?
日頃彼らがゲーム配信で多くの人気を集めているのはそれだけ実力があり、面白い配信が出来るからではないのか。
馴染みのない面子ならならばこそ大会を通じて仲良くなる過程が大きな魅力として受け取られるような場である。

普段のその数字、人気も飾りではない。
下手なら下手なりに、最下位なら最下位なりに面白おかしくこれをアピールして見せ場を作る事が出来る。
本来、大会の華となれるだけの人材を備えたグループであるはずだ。


なのにも関わらず、毎度イベントを盛り上げるような面子を揃える事が出来ず、どのような方向性でも盛り上げ役として機能しない事がただの偶然的な話とは思えない。


そもそもホロライブはこういった催しに対しての参加意欲が低いように見受けられる。

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「ホロライブから4人お願いします」と打診が来たとしても、手を挙げるライバーが少ないのだろう。
ホロライブファンが「○○なら活躍出来る」と期待してもその○○は手を挙げない。

運営も含めて箱の体質的に自分たちの利益に還元される取り分が少なく、
ともすれば相手の利益になるような状況を避けるような活動スタンスを取る。
外部が主導する場、自分達だけが利益を得られないような場では本気で取り組む事が少ない。

あるいは一人だけが頑張っていて、他のメンバーとは連携が取れない。
他の参加者達が事前の練習や作戦等の打ち合わせ、メンバー間での攻略情報の共有など大会用の活動にシフトさせていた時間にも、ホロライブは通常の配信とルーティーンで活動したがるのである。


数字的金銭的恩恵の乏しい企画の準備に時間が取られ普段の個人配信を犠牲にする事を嫌うのは、"普段の配信で手に入る数字やお金"という成果があまりにも強すぎる弊害であるのかもしれない。
スパチャの多さに比例して外部のイベントでの積極性を失う傾向にあるようにも思えて来る。


界隈トップとしての立ち振る舞い



そうした意味でも今大会1の集客力を持つ「兎田ぺこら」の一連の流れは典型的かもしれない。

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ツイッターで司会枠のRTをしない。(そういう人もいる)
終わった後に主催者に感謝も述べない。(別に義務ではない)
タグが間違っている。(そういう事もある)
大会で結果が出せない(そういう事もある)

やったことは「悔しいから耐久配信します」


大会の前日や直前に時間を費やして全力で成果を上げるのではなく、大会の前を適当に流して、当然訪れる不甲斐ない結果に対しても後から頑張る事で自分一人にその視線を向ける。

優勝者でもすぐさま大会に絡めた枠を取ってその集客力を自分達に向けるような立ち振る舞いはしない中で、どこまで言っても『個人と個人の利益に還元する事に対しての姿勢』ばかりが優先的に見られる。

別にこういったムーブはしても良い。
彼女が自身の人気を高めるのが上手いだけだ。
大きな不祥事と違ってこれだけで責めるのは不十分で難癖的である。
見ようによっては賢い、クレバーというだけで終わるだろう。

だが周囲のVtuber達が企画を盛り上げようと頑張る傍らで、やる気なく自分達の数字の事ばかり追い求めている集団で居るならば、頻発する不祥事での悪いイメージを打ち消す事もない。
これは箱の評価是正の機会を犠牲に、個人の利益を選んだとも言える。
ホロライブのライバーは努力をしていないのではなく、努力の矛先があまりにも自己の即物的な利益にのみ向き過ぎている。
事務所の評判であったり、同業者間での立ち位置であったりを考慮する視点を持たない。


それこそああいった場は名誉挽回のチャンスの場でもある。
今のホロライブが参加をするだけで文句をつける輩は必ずいる。
それでも場を盛り上げて、他のVtuberや界隈にもホロライブが利する事、
『同じ界隈の仲間として共に歩む姿勢』を示す事で、確実に軟化する印象作りというものがある。

この際それが打算でだって構わない。

他の参加者達にしても、慈善事業的な理由でイベントを盛り上げているわけではない。

それこそVtuberの中でもタレント的な活動者としての経験が強いAチームにとってイベントを盛り上げる事は特別なことではないのだ。
「何の為にゲームが上手くない自分たちが呼ばれているのか」をきちんと理解している。
彼女達がイベントを盛り上げるように動くのは『参加者としての当然の義務』であり、仕事としてこれを全うしているのである。

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主催への感謝。チームへの感謝。ファンへの感謝。そして優勝者への祝辞。

こうした大会後の何気ないツイートの中にも「Vtuberの模範」としての立ち振る舞いは見て取れる。
「キズナアイ」「電脳少女シロ」は運営の意向や不祥事によって事務所や活動形態にケチが付く事もあったが、一度イベントや案件、コラボに参加すれば当人は場を盛り上げる為に常に全力を尽くして来た。
そういった姿勢が見られるからこそ、数字的には全盛期より落ちようとも「集客力は高いが全力を尽くさない人」よりは案件などでも重宝されるのだろう。

他のチームにしてもゲームの下手さという点では「しぐれうい」など似たようなものだが、事前に「舞元啓介」との練習を行い見事成長を果たして見せ場を作る。
Vtuberとしてはまだ新参である「ガッチマン」は「自分が選ばれたことで逆に入れなかった人がいるのだからその分頑張らないといけない」と呼ばれた事がそもそも光栄であるという意識の元で真面目に取り組んでいた。

ホロライブ以外はチームでの連携、所属外との交流、大会に際して特別な意気込みの姿勢、形跡が事前の準備段階で数多く見られたのだ。

ホロライブはゲームでの実力以前にそういった『企画に取り組む姿勢』の部分で負けている。

この期に及んで自らが所属する箱の強い影響力や立場を理解せず、矢面に立って箱を背負っている自覚もなく、これまでと同じように自分達の数字だけを追い求めるような姿勢しか見せられなかった。



彼女たちの実際の思惑はわからない。
熱心なホロライブファン達の気持ちも知らない。
しかし少なくとも、あのイベントを見た『ホロライブファン以外の視聴者の目に映るホロライブチーム』というのは良くて空気でしかない。
悪くて「何でこの場に出てきたの?」である。
少なくとも印象が良くなる事はしていないのだ。

現在のVtuberオールスター、界隈のトレンドを担う集まりとも言えるようなあの面子と視聴者層の中でこういった姿勢の悪さを見せる事の意味。

チームの中でこの不味さに気付いていたのは恐らく「白上フブキ」だけだ。
彼女の涙には「兎田ぺこら」の悔しさとはまた違った理由が見えるのは私だけだろうか。
外交と案件を数多くこなす事でホロライブという箱に貢献してきたライバーだからこそ、単純な勝ち負け以外の部分で今失うものがあると気付いていると思いたい。

「夏色まつり」、「大空スバル」などの「界隈の成長や外部と共に歩んだライバー」達と違い、今の3期生4期生5期生とホロライブは箱が強くなるに従って数字に驕り、人気で劣る外部との縁やVtuber界隈との接点を蔑ろにして来た。
利己的な活動スタンスが極まりすぎて、ホロライブというブランドを背負っている事すらも忘れ、対外的な視線に酷く鈍感になってしまっている。


にじさんじの処世術



ホロライブが多少なりとも「理不尽に叩かれている」と感じて、そういったイメージを良くしようと務めるならば、今出来る事がある。

それこそ同じく「界隈の戦犯」「風評被害」と揶揄されたにじさんじの処世術はこの反対にある。
界隈から嫌われ、疎まれるような立場であったにじさんじの立ち振舞いは徹底して"界隈に協力的だった"

人気になっても外部を拒む事が少なく当時からの付き合いを継続し、新人であっても外部の個人勢などとのコラボをしている。

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Vtuber合同の企画、界隈のお祭りイベントがあれば前座のポジションや集客要因であってもその場を盛り上げようと全力を尽くす。

建築王ではチームとして選ばれず、また配信枠を取らないながらもVtuberの仲間として協力に駆けつけた。
敗色濃厚なプロレベルの参加者が数多く出場するような大会であろうとも、何十時間とチームでの練習配信を行い、その練習過程も含めての企画である事を視聴者に示す。

今尚数多くのVtuberと接点を作り続けるにじさんじとのコラボをきっかけにチャンスを掴んだ個人勢などは数しれない。

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恒例となった「月ノ美兎」の百物語シリーズでは多くのVtuber達からその人気を問わず怖い話を募り紹介するというテイストの配信を行っている。

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このように、にじさんじは自らの人気や数字を他に還元するような状況をこの界隈の中で数多く作り出して来た。
それこそ日本でのホロライブにしても、にじさんじとのコラボから認知された面はかなり強かったはずだ。

少々打算的に言ってしまえば、にじさんじは界隈に好かれる振る舞いをしている。

ぽんぽこ24時間生放送「ぽんぽこ24 vol.3」で「兄ぽこ」が「何でにじさんじ勢がこんなに多いのか?」と問われた際に出た言葉は象徴的だ。
兄ぽこ「にじさんじはこの企画にはこれっていう役割がはっきりしているから誘い易くて実際に来てくれる。」


記憶に新しい「電脳少女シロ」の生誕祭などでも、ホロライブから来ていたのが昔馴染みの「ときのそら」と「夏色まつり」のみである一方で、にじさんじ側からは後発の人気ライバーも含み多数参加する。

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こういった配信にホロライブ側が意欲的でない事は良く理解できる。

「だって配信枠を取ってるの他所のアップランド側だけだもの。」
自社の数字が強いライバーを投入して、他の再生数や登録者に貢献したくない。



自分達だけが得をすれば良い。自分達だけが人気になれば良い。
それはある種当たり前の考えであり、別に他のVtuberを伸ばして引っ張り上げる事やイベントを盛り上げるのは大手の義務ではない。

義務ではない事をするからこそ、これを実績する活動者には一定の良いイメージが形成されるのである。

目に見えて界隈に好かれる働きをして来たVtuber達と違い、ホロライブは先の大会のように箱を代表して出てきている場でも、自己の利益ばかりを考えた立ち回りを晒して他の利益に与するような姿勢を取らない。

ホロライブのファン達が批判へのカウンターとしてにじさんじや他のVtuberとホロライブを同列に括り『どっちもどっち論争』に持って行く場合のホロライブの印象的不利だ

そもそも活動を長く続けるならば大小様々なやらかしによる悪いイメージというのはどのVtuber、事務所にも付き纏うリスクである。
にじさんじライバー「星川サラ」の配信中の失言からの休止。
その謝罪文には興味深い一文がある。

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「同じVの方々」という同業者視点。(正式な謝罪文なら「Vtuber」「バーチャルYouTuber」と書くべきではあろうが。)

ホロライブ側で何かしらの不祥事があり、そこに同業者への風評被害が絡んでいたとしても"界隈や他のVtuberに対しての姿勢"が見える事はない。
そのイメージを払拭しようとは務めず、むしろ同業者に対しての同義にもとる不誠実な活動が多い為、やらかしが双方に合ったとしても印象的には、「どっちもどっち」とはならないのである。


”ホロライブの”ときのそら



こういった点で言えばホロライブの風評を支えているのは今最もホロライブらしくないとも言える「ときのそら」のように感じられる。

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界隈視点でのこの箱の印象は、彼女がこれまでのタレント的な活動で作り上げた実績と好感度によって最後の一線を保っているのではなかろうか。

私はそこまで熱心に彼女を追っているわけではないし詳しくない。
だからこその感覚がある。
こういった野次馬が多くなる騒動の話になってしまうと、『詳しくない人からの漠然としたイメージ』が与える影響は馬鹿に出来ないからだ。

よく知らないのに「ホロライブ」と言うだけで叩こうとする人がいる中で、
よく知らなくても「ときのそら」がそれらとは違う事は明確に理解できる。

他のVtuber達との交流や界隈の顔役達と相席する場においての彼女の姿勢が「傍目に見てるだけでも恥じる事がない活動」
「理不尽な批判が付け入る空きを与えないような活動」
である事だけは如実に判る。

一部ではそうした清廉潔白的な「ときのそら」をホロライブの被害者、可愛そうみたいな扱いとしている様も見かけるがそうは思わない。

むしろホロライブへの愛があり、カバーや運営に感謝しているからこそ、
箱と自身を繋げて考える視点を備え、事務所の評判や箱の仲間に泥を塗らないように当事者としての意識を持ち、それ故に責任感のある活動を心がける事が出来るのではないだろうか。
この辺は黎明期からの各事務所のトップVtuber達に特有の感覚があるようにも思える。

数字的に見れば他の人気が出たホロライバーよりも劣るかも知れないが、
混迷するホロライブの中でこそ、彼女の在り方は輝いて見える。



絶対にやらかさないVtuberはいない。
不祥事やゴシップと無縁の事務所やグループもない。
いろんなVtuberがやらかしながらの今の界隈があり、だからこそ好感度や誠意ある姿勢が問われている。

ホロライブがこのまま「界隈への風評被害」を垂れ流しながらも、半ば炎上商法的に数字で誤魔化して利己的な路線を突っ走っていくのか、
ときのそらのように地道な積み重ねと誠実な活動で成長を見るのか。

同じ界隈に身を置くVtuber達のファンとしては当然ながらもう少し後者に寄って行って欲しいと思うばかりだ。


▼合わせて読みたい▼
にじさんじ文化論「イベントや案件中心の是非。ゲーマーズ人気の環境。」




割と多く見かけた、

ホロライブが数字を増やすことは結果として界隈への貢献になっているのでは?

という意見に対しての考え。

ホロライブの稼いだ数字が最終的には界隈の数字として還元される可能性があるのは事実です。
しかしホロライブの舵取りが界隈への貢献的な姿勢と反対というか、自分達のパイを同業者に渡すまいとする姿勢は当然にしても、これを露骨に見せ過ぎているようにも思えます。
大会等での振る舞いにしてもそういった姿勢を隠す事が下手と言いますか。
ある時期までは視線に晒されてすらいなかった観点でようやく見られるようになった事で隠す事が下手なまま、利己的な打算が筒抜けになってしまっている事が今のホロライブの立場を悪くしているように思えます。

この記事の主題はホロライブが何故外野(ホロライブファンの外)から悪く思われるのかといった、「風評」「評判」「イメージ」の印象論を扱うものであり、界隈への貢献度というのも実際的な話というよりは、良いイメージ作りの一貫、特に「悪いイメージを払拭出来る材料」として語っています。

その点で見るとホロライブの数字を稼いで界隈のパイを広げたという「結果的な貢献」は悪いイメージを払拭するような働きにまで繋がりません。
不祥事を責める人に向けて、言ってみれば直接的に金や数字で解決を図る事は世間的に良きパフォーマンスと受け取られないからです。

これは実績して見れば判りやすいと思います。
ホロライブを批判する人に向けて「でもホロライブは数字出してるから」と反撃する事が果たして効果的であるか。
印象を良くする効果があるのかどうか。

多くの場合、そのカウンターの仕方は数字の優位性を誇るだけの印象に落ちます。
ネットニュースで毎度「人気YouTuberの○○が!」というゴシップが並ぶ中で「でも○○さんはYouTubeのパイ広げてるから」とか言って擁護する人に賛成意見が付くのかどうか。

記事では便宜上、にじさんじなどは数字を配って来たから界隈からの印象が良くなった。と書いていますが
数字をただの数字として見せるかどうかには違いがあります。

そもそもイベントを盛り上げたりコラボをすること一つとっても、そこには数字を売る以上の意味が生まれるはずです。
ある個人勢などはにじさんじの大会絡みで日に1万人近く登録者が増える事もありましたが、それだけを指して対外的なイメージが良くなるわけではありません。
そこに生まれる関係性や絆、界隈との付き合い方や企画への取り組み方という姿勢に基づく活動で印象が作られるのです。

この為、ホロライブが数字を稼ぐムーブを取り続けば界隈に流れる人も増える。という無機質な結果論のみで不祥事絡みの溜飲を下げて貰うのは難しいように思えます。


にじさんじが伸び切った時期に「外部コラボ禁止」を銘打ってV人気をにじさんじ内で確定しようとしてたのをなかったことにするのは流石に?

これのソースと思わしきものを見た上で話なので、一部の人以外には判らない話になりますが記事の正当性保持の為に触れておこうと思います。

まず、その文面「今は外部とピリピリしているのでコラボを遠慮する方に動いて欲しい」といった感じに見受けられましたが、「ピリピリ」というだけでは送信主がどういった意図でコラボを控えて欲しがっていたのかが判別出来ません。

これを取り上げて欲しい方達の多くの見解は、「コラボによって数字が奪われるから」だと断定しているようですが情報が不足しています。

それこそ以前、運営判断で鳴神裁氏との共演を中止した流れに関しては、彼に人気を奪われるからという理由ではなかったかと思います。
この前後のにじさんじでは氏も関係する情報漏洩的なゴシップ騒ぎがあったので、この問題を指して警戒体制を持ったという可能性は無きにしもでしょうか。
「外部との接触にピリピリしている」「接触」という文面からは、数字を奪われると推察するよりはこちらの理由付けの方が相応しいのではと思いました。

さらに言えば運営からの文面なのかも断定出来ませんでした。
運営からの正式な社内通達ならばこれほど砕けた文章になるのか疑問です。
気心の知れたマネージャーからの伝達という線も無くはないでしょうが。

そして事実としてはコラボ禁止は実行されていないように思います。
相変わらずにじさんじ側は単枠ならほとんど相手のチャンネルでコラボをしていました。
つまり以前と変わらず誘われて、応えたという事です。
禁止令が実際にあった場合でもこれを無視したのか。
そういった体制に反発するライバーが多くて翻した可能性などいろいろ想像は出来るでしょうが、結局はひと目で見ても「相手方に数字的有利」があるような類のコラボは続けていました。
にじさんじ側で大きな影響力を持つライバー、椎名唯華なども私が記憶している限りここ半年ほどのホロライブとの単枠コラボは全て相手側で行っていたはずです。
これを止めずに「運営が外部への数字の流出を抑える為にコラボ禁止令を出している」とするのは現実でのライバーの行動と乖離しすぎています。

もっと個人的な見解を言わせてもらうならば、にじさんじ運営が外交による数字を意識した立ち回りをさせる思惑を持つならば、今は勢い盛んなホロライブを誘ってコラボをすれば良いわけです。
「外部との接触にピリピリしている」というのが人気や数字を他社に奪われる事を指しているなら、逆にこちらも奪えるという発想に至らないはずがないからです。

私達が見ているのは運営ではなくライバーの活動や配信です。
結局の所は指摘されるような思惑がにじさんじ運営側にあっても、
実行するライバーの動きにはそれが見えて来ず、むしろ協力的な姿勢というのが私達に普段見せているエンタメの範囲での印象です。



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