地域で「つくり」、地域で「直す」
こんにちは、ファブラボ鎌倉のゆうかです。前回は、プレシャスプラスチックマシンを「つくる」ことや「マシン体験」にどんな人が参加しているかをご紹介しました。
今回は、「直す」をテーマにお伝えしていきますね。
実は、「つくる」ことと同じように、まちの中に「直す」という要素があるのは、プロジェクトを進めるにあたり、とても重要だったりします。特に自作しているマシンだと、安定して動いてくれないと、活動自体も安定してできないので、やっぱり重要ですよね。そんな事を考えていたら、このプロジェクトのきっかけにもなったプレシャスプラスチックマシン鎌倉の1号機(インジェクションマシン)が、テスト作業中に破損したため修理をすることになりました。
修理の前に、1号機がなぜ作られることになったのか気になる方は、ぜひ下記の活動の始まりのレポートをご覧ください。
さて、壊れてしまった1号機。破損部分は、下記の画像にもあるように一番力がかかる所になります。なので、しっかりと溶接をする必要があります。取れてしまったのは、溶接が甘かったということになりますが、これはマシン作りを試行錯誤している段階で初心者が溶接を行なった場合は、誰でも起こりうることかと思います。今回の場合は、どうやってこの課題をクリアすべきか。
いざ、修理となってもファブラボ鎌倉では、施設契約上溶接作業をすることはできません。しかしながら、徒歩10分ほどのところに溶接工房Fe★NEEDS鎌倉本店 (以下:フェニーズさん)があるではないですか。という訳で、修理メンバーでフェニーズさんの胸を借りに行くことになりました。
ファブラボ鎌倉からフェニーズさんまでの道のりは、こんな感じです
修理の相談を快く受けてくれたフェニーズの浅田さん
WEBサイトに記載されている、フェニーズの想いにシンクロするところ多々ありです。
Fe★NEEDS鎌倉本店 外観 画像:Fe★NEEDS WEB より
フェニーズ鎌倉本店に到着し、溶接作業がしやすいようにねじ止めされているところを外していきました。
どんな感じに取れちゃったかというと、こんな感じにボキッと溶接されていた部分が見事に取れちゃいました。
フェニーズの浅田さんと修繕部分とプロセスを相談するプレシャスプラスチック鎌倉メンバーの瀬藤さん
素人と玄人の違いを感じさせる治具。これは、今回の必須アイテム、その名も「溶接作業用マグネットマグホールドヘキサ」。
強力なマグネットで直角を出すための治具。溶接にあまり詳しくないので、こういうところが新鮮で萌えますね。
溶接する部分の平面出しをする浅田さん。グラインダーの火花により、ギャラリーに徹している私たちのテンションも急上昇です。
工房内には、あまり見ることのないマッチョな道具がたくさんです。
クライマックスというべき、バキバキの溶接風景。(目の保護は忘れずにしましたので、ご安心ください) カメラ越しは大丈夫というので、100枚以上撮った中のマイベストショットを皆さんに贈ります。
ちなみに、今回使用された溶接機は、自動で溶接に必要なワイヤーが出てくるタイプです。溶接棒を使うタイプの溶接機よりも、初心者にも使いやすいと評判が高いです。フェニーズさんは溶接機そのものを販売するSUZUKID(スター電器製造株式会社)が運営する concept & experience shopでもあります。まずは体験から初めて、自宅でもやりたいと思ったら手が届く値段なので、ちょっと購入を考えてしまう方も多いかと思います。私もその一人であります。
綺麗に溶接していただいた破損部分。錆止めスプレーもかけてもらい修理作業完成です。コロナ禍での特別対応だったので、実際に私たちが作業することはできませんでしたが、今度はぜひ自分でもやりたいですね。やはり、火花を散らしたいと密かに思うのでした。
作業終了した時の集合写真。左から瀬藤さん、浅田さん、私、山本さん
まちの中の工房と連携していくものづくりは、それぞれの強みが活かされている感じで楽しいですね。私たちが全てを担うのではなく、いろんな人と協力しながら課題を解決していく。そうした活動が、プレシャスプラスチック鎌倉なんだなと改めて実感した修理作業でした。
何より、浅田さんの笑顔が溶接の光のように眩しかったです。そして、奥深い溶接の世界の楽しさが少しでも伝わったのであれば、嬉しいです。
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