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日記 一〇二号室 その4

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夜ごはんときもちを記録した日記のつづき(2017年9月16日〜)。 踊る阿呆に、見る阿呆。 踊ってころんでしょげて蹴っ飛ばしてうたって仰いで。 よきもあしきももらったものを消化し…
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#日記

右手の、いるところ

右手の、いるところ

二〇一七年十二月二十四日日曜日

はれ

帽さんのおつかいについて行こうと、三人で出かける準備をする。出発する前にあいこちゃんにお皿を返すと、のんさんはすーさんとたのしくなって家に入りたがる。ひとみんも来ていて、クリスマスケーキを作るよと誘ってくれていた。「のんさんだけでも来る?」という提案でひょんなことからのんさんが生まれてからはじめてふたりで出かけることになった。

おつかいを終えて、カウンタ

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上野タクシー

上野タクシー

二〇一七年十二月二十三日土曜日

はれ

かっ飛ばして radio
ボリュームをお願い
夜の高速道路は風景を読み飛ばす

あたらしい下着
化粧をすること
やすむをつくる
ハーブと魔女
草を愛でる

自然と文化
営むとあそぶ

かっ飛ばしてradio
彼女が目をつむる前に
扉をひらけば知っている風のにおい

晩ごはんは、カレーライス。

会うときはいつもこんな天気

会うときはいつもこんな天気

二〇一七年十二月二十二日金曜日

はれ

『ちぐはぐな身体』という本がある。銀座の、とある本屋さんで手にとったとき、ずこーんときて。それはたぶんわたしのなかのある部分のもんやりを言語化したもの、なのだと思う。タイトルだけでおおきな贈りもの。なんだかそれに満腹になっているのか、まだ読んでいないまま。

化粧をするということに、このごろ興味がある。のはなぜだろう。

マニュキュアを爪全部にすると呼吸が

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煙草を吸う三角の道

煙草を吸う三角の道

二〇一七年十二月二十一日木曜日

はれ

のんさんの身体の具合も良さそう。二日ぶりに外へ出る。自転車をこいで風をかんじる。きもちよい。のんさんも外を、風を、自転車からの風景を、手繰り寄せて思い出しているという様子。情報量が多いのかもしれない。話しかけても返事はないけれどきもちよさそうな気配をかんじる。

国立の、なんだか好きな蕎麦屋さんは今日も開いていた。妊娠中、助産院での講座や検診の後、どこもお

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ロバのうた

ロバのうた

二〇一七年十二月二十日水曜日

はれ

鼻タレのんさんは機嫌はよい。自然療法の本をめくり、乳児は植物油を鼻に塗るとよい、と。

午前中、へやをお日さまが照らして温かいころにのんさんは昼寝。これでよくなる方へ傾いた、となんとなく感じた。

お昼ごはんの前後にどっかんと便が出る。長いお昼寝と便が出るは治るの印。

晩ごはんは、しょうが焼き (玉ねぎ、青梗菜)、きゃべつとぶた肉の炒めもの、冷奴の残り、ご

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鼻風邪に出合う

鼻風邪に出合う

二〇一七年十二月十九日火曜日

はれ

のんさんが鼻風邪をひく。眠るときに布団をかけたがらないのんさん。授乳しぬがらわたしが眠ってしまい布団をかけなかったからというのと (夜お腹が痛くて起きた帽さんがかけてくれていた)、遅い昼寝のまま眠ってお風呂に浸からなかったからというのが、理由かなと思いつく。けれどもなにより昨日ぷんすかがみがみ彼女に怒ったことが要因なんじゃないかなと。そんな気がする。

外は

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もむ・ちぎる・擂る (する)

もむ・ちぎる・擂る (する)

二〇一七年十二月十八日月曜日

はれ

なにかがとってもくたくたで のんさんにおおきな声で怒る怒る。

のんさんが鍵をしめて外に出されたりして それだって 説明したらいいだけのこと。どうしても今日はぷんすかマン。

なやんでいたけれど これはこのまま二人でいたらよくないなあと「えいっ」とこの街のあの森で行われるハーブソルトをつくるワークショップに参加しますとれんらくをした。れんらくをした途端なにか

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川越のおばちゃん

川越のおばちゃん

二〇一七年十二月十七日日曜日

はれ

祖父の四十九日。仏教では四十九日がこの世とのさようならの日であるとおはなししていた。身体から離れて、四十九日間行きたかったところ、会いたかったひと、懐かしいところへ旅をしていたのかな。そんな映像が浮かぶ。

帰り道、手書きでメニューが書いてあると思ったそこがおいしいな匂いをかんじて、川越に寄り道。ここと思ったお店は閉じていて、道なりには商店街。ひとゆく通り右

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お祝いの休日

お祝いの休日

二〇一七年十二月十六日土曜日

はれ

はれた。予報はあめだった。

たんじょうびというのは、何才くらいからそのひとのものになるのだろう。ある時まではまわりにいるおとなのものなのかもしれない。昨日が今日が明日がどんな日か、今の彼女には目が覚めて”とっと”がいる!とかで区切りはなく続いているものなのかな。まわりが、わたしがあわてたり、思い返したりして、彼女がやって来てからのことをかみしめたりしている

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あまいあまい ろうろくとくま

あまいあまい ろうろくとくま

二〇一七年十二月十五日金曜日

はれ

買いものは午前中にというなんとなくの気配のまま、行動したらよかったのだった。掃除を先にしたらのんさんがお昼寝をして冷蔵庫はほぼからっぽで晩ごはんの支度もできないからなんだかのんびりの時間ができる。カレーか、はたまたおでんかと迷いに迷って水炊き鍋にする。

だだだだだっと自転車こいで買い出し。スーパーのがちゃがちゃをしたらアンパンマンを出したのんさん。鉄火ちゃ

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じゃんぐるじむを3段のぼる

じゃんぐるじむを3段のぼる

二〇一七年十二月十四日木曜日

三つも日記を書いているのに、写真も撮っていなくてだれかにれんらくもしていなくて、何をしたか曖昧な空白の一日。

ベビーカーと散歩

ベビーカーと散歩

二〇一七年十二月十三日水曜日

はれ

今日もベビーカーとともに散歩。近所のおじさんがおしえてくれた公園のなかで日当たりのよいあたたかなエリアを歩くことにする。三輪車のときは大回りだからと避けていたところ。男のロマンと名付けたベンチからの景色は草を狩られすぎていて寒々しい。わたしはざわざわして座っていられないけれど、今日も読書、昼寝と男性がそれぞれの時間を過ごしている。

公園の歩道であるコンクリ

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赤いうま

赤いうま

二〇一七年十二月十二日火曜日

はれ

ケチャップライスをお弁当箱につめて外へ出る。のんさんの相棒なまけもののぬいぐるみ、かめちゃんも連れてゆくと靴まで履かせるものだから、車に積んだままのベビーカー(イベントに出るときにレンタルしたもの)に乗せて行ったらいいかなと出してみる。「乗る」と言う。かめちゃんはお留守番になり、のんさんがベビーカーに乗っての散歩になった。

ゴザを敷いてごはんをある程度頬張

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名刺のないせかいで

名刺のないせかいで

二〇一七年十二月十一日月曜日

はれ

それは献立考え疲れというのか。それは”今日何して過ごそう”の考え疲れか。それらも含まれている。そんなことで疲れるのか、とも思うがぎゅうっとそこにきもちが行き過ぎているのかもしれない。窓をあけなくちゃ。

この街に浮かぶあそこへゆこうと決めた。日々付き合ってもらっていて、今日もでごめんねと思いながら自転車を漕ぐ。先客の方(あとから聞いたところせいさんの三十年来

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