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名刺のないせかいで

二〇一七年十二月十一日月曜日

はれ

それは献立考え疲れというのか。それは”今日何して過ごそう”の考え疲れか。それらも含まれている。そんなことで疲れるのか、とも思うがぎゅうっとそこにきもちが行き過ぎているのかもしれない。窓をあけなくちゃ。

この街に浮かぶあそこへゆこうと決めた。日々付き合ってもらっていて、今日もでごめんねと思いながら自転車を漕ぐ。先客の方(あとから聞いたところせいさんの三十年来の友人の方だと)ものんさんが誘い、楽器であそびながらごはんを待つ。

「三人こどもを育てたのだけれどね、マンション暮らしでそのときはただただ一生懸命だったんだけど、なんていうか地に足のついていない育て方をしたというかそれだけが心残りなの。どう思う。」

はじめましての方と、はじめましてだからこそ?、こんな会話ができるのはこの場所だからだろうか。お孫さんが土のにおいがするそんなところに触れられるようにこっちに引っ越そうと思っているの、と彼女は前向きだった。

ささやかなきもちを贈ろうと思い浮かんだ六名にプレゼントを買う。給料日前のこんなときにも贈りものを買ってしまってどうしようもないなあと思いながらも、ささやかなきもちも贈れないなんていやになっちゃう。

晩ごはんは、いとより鯛の酒蒸し、青梗菜と厚揚げの炒めもの、とりとカブのグラタン、あいこちゃんよりお土産のます寿司。

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