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読書日記その488 「言ってはいけない 残酷すぎる真実」

読書日記その488
「言ってはいけない 残酷すぎる真実」

「太った親からは太った子どもが生まれる」
「親が陰鬱だと子どもも暗い性格に育つ」
「子どもの歌が下手なのは親が音痴だからだ」
「子どもが逆上がり出来ないのは親が運動音痴だからだ」
「子どもの成績が悪いのは親がバカだからだ」

こんな事を口にしたら多くの人から非難されるでしょう。SNSに投稿しようものなら炎上するか嫌われるか。しかし…

「やせた親からはやせた子どもが生まれる」
「親が陽気なら子どもも明るい性格に育つ」
「音楽家の子どもは歌がうまい」
「スポーツ選手の子どもは運動が得意だ」
「大学教授の子どもは頭がいい」

となると、多くの人は違和感なく受け入れます。

また、黒人は並外れた運動神経や天性のリズム感を持ち合わせてる傾向にあるため、スポーツや音楽を語る時は「黒人」という人種にひとまとめにすることに問題は生じません。
しかし現代社会は知識社会であり、知能となるとどうしても黒人より白人の方が高い傾向にあるため、白人の方が社会的優位になり、そこに「人種差別」が生じます。

人はプラスの要素は遺伝するが、マイナスの要素は遺伝しないと信じたいものです。しかし残念なことに科学は異なる真実を示します。
本書はそれらを進化論、行動遺伝学、脳科学といった科学の見地からタブーとされてる真実を解明してます。
(ただし中には著者の推測を含むものもあります)

ボクが最も興味深く読んだのは、昨今の日本でも問題になってる親の子どもに対する虐待。本書はこれを人間の本能であり、進化のための「経済合理的」な行動と捉えます。それを科学データを基にしながら示してるのでとても面白い!

人は本質を突かれることを嫌って避けたり、また怒りを覚えたりするものです。それ故、誰もがタブーとされるものに対して蓋を閉めてしまいます。だからこそ本書の内容は本来語るべき価値のある内容だと思いました。

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