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読書日記その487「いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件」

読書日記その487
「いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件」

2007年8月24日、名古屋で31歳女性会社員、磯谷利恵さんが帰宅中に男三人に拉致、暴行、殺害され山中に捨てられるという事件をつづったノンフィクション。
犯人の三人は闇サイトで知り合い、顔合わせからわずか3日後に犯行に及びました。

本書は磯谷利恵さんの生い立ちから始まり、利恵さんの半生の紹介に全体の半分以上を割きます。どちらかというと犯罪者の生い立ちや心理が知りたいボクとしては最初はちょっとダルくなってしまいました。しかしこれがあってか本書を読み進めるうちにいつしか磯谷利恵さんに感情移入してきます。

犯行の詳細も生々しく描かれていて、何度もため息が漏れ、読み進めるのが苦しくなります。裁判の行方も最後はもう母の富美子さんの執念か、亡くなった利恵さんの見えざる執念か。

個人的に注目したのは闇サイトで知り合ったばかりの4人(実際に犯行に及んだのは3人)が犯行に至るまでの心理です。最初は殺人が目的ではなかった彼らがどのような心理が働いて凶悪かつ残忍な殺人犯罪へ突き進んでいったのか。
欲を言えば犯人のそれぞれの生い立ちも知りたかったのですが、それでも素晴らしい取材力でまとめられたノンフィクションでした。

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