詩『三頭の竜』
心当たりの無い青アザがまた一つできて、
コレクションは整理されないまま増えていく。
むしり取られた髪の毛は枕元でだまになり、
禿げるのかしら嫌だわ、と鏡に映る私は笑う。
くしゃみをした拍子に脳の裂ける音がする。
私は私の中に私を孕んだと知る。
間も無く産まれ落ちる私に、私は細切れの時間と地獄の苦しみを与えるだろう。
あなたそれ何、と言われ振り返る私、
そう言ったのも私、これを書いてるのも私。
三頭の竜が舞台に上がれば一人芝居と言えるかしら。
それはウケると笑った私は、今日も腕にカッターナイフを当てて、コレクションを増やすのに余念がない。
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