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詩『無関心』

文学にも映画にも関心は無くなった。
三島も谷崎も芥川も今では便所の落書き
と変わらない。
医者は鬱病寸前の解離だと言う。
統合失調症の陰性症状ではなかった。
分類はどうでもいい。
精神科医と占い師の違いは俺を患者と
呼ぶか客と呼ぶかでしかない。

欲望の三角形が反時計回りにぐるぐる
と回る。
お盛んなことだ。
時間と精液と弾薬を献上したところで、
ねぎらいも、おこぼれもないだろうに。
統計学に疎い俺には人が何人死んだとか
聞いたところで何も分かりやしない。

周囲の風景が張りぼてのように崩れ、
潜んでいた実存が剥き出しになれば、
少しはあちらに関心を持てるだろうか。
だが、日常は案外堅固にできていて、
そこにすがる連中がせっせと補強する。
いつまでも、何処までも続く日常に、
共感も連帯もない。

おい、神さま、これがあんたの創造した
世界の成れの果てだぜ。
これで良かったのかい?

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