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散歩もの

最近、暑くなってきているのだけど、そんな気温に反して昼間とか夕方に散歩するようになった。理由は家にいて落ち着かなくなってしまうから、よくない感情が抑え込めないから、ということなんだけど、とにかくそういう時は無理やり着替えて外に出る。

『孤独のグルメ』の久住昌之・谷口ジローコンビの『散歩もの』というマンガがある。近頃の僕の散歩のバイブルだ。仕事帰りに見知らぬ土地をぶらぶら散歩して道に迷ったりすることを楽しんでいる主人公の話である。

僕は最初、散歩コースが決まっていた。ほぼ一本道を真っ直ぐ歩くだけ。本当に真っ直ぐだから、何も考えなくてもいいし、ただただ足を動かしていると目的地に着く。完全な「無」になれるから良かった。

歩きながらradikoを聴いたり、Spotifyで適当にランダムな曲を流したり、そうしていると何時の間にか目的地の公園やお寺に着く。それが心地よいのだったが、さすがに同じ道を歩いているのも飽きてきた。刺激も無いから余計なことを考えてしまうことも出てきた。

その時に『散歩もの』を読んだ。

あえて、細い道に入ってみる。あえて、この坂をあがってみる。そういう風に気まぐれに歩くことで「こんなところに出るんだ」とか、時に「あれ? ここどこだ?」と迷子になる。なんかそれが楽しくなってきた。

ただ、問題は自分で歩く距離を計算できないから異様に疲れてしまうことがある。まだ僕はそんな時に気軽に喫茶店に入るとかも出来ない。木陰のベンチとかが見つかるまで、ひたすら歩く。その塩梅がうまくなると今より更に良い散歩になる気がしている。

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散歩していて思ったんだが、地域猫の子たちが増えた気がする。夜の散歩でもそうだが、昼間でも路地裏で一日に何匹も出会う。コロナの影響で人通りが少なくなったせいなんだろうか、いろんな猫たちに出会える。

それもまた散歩の楽しみになっている。

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