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「ミシャグジさま」を感じて東京散歩

散歩中にずっと気になっているオブジェがある。見つけるたびに写真を撮っていたのだが、これを皆さんはどう見るだろうか。

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日本にはミシャグジ信仰というものがある。中部地方を中心に広がる民間信仰で、その起源は長野の諏訪大社に関係しているとも言われている。諏訪大社は全国に分布する諏訪神社の総本社で“日本三大奇祭”のひとつ御柱祭が有名である。

そしてその「御柱を建てる」という行為には諸説あり、そこにミシャグジ神体の象徴という説がある。

「ミシャグジさま」と聞いてピンとくる人は『女神転生シリーズ』ファンだろう。別名を「ご立派様」という。画像は貼らないので、知らない人は検索してほしい。白蛇と男根をイメージし、腕には力強くご神木を抱えている。とても「ご立派」な姿をしている。僕はメガテンをプレイする時、毎回この「ミシャグジさま」を悪魔合体で生み出すことを中盤の目標にしている。

僕の実家のそばにも諏訪神社があった。小さい頃から祭りの時には境内にある土俵に立ち、子供相撲を奉納していた。そしてその諏訪神社にも大きなご神木があった。幼少の頃からの遊び場であり、学びの場でもあった諏訪神社で育ったせいか、僕は「ミシャグジさま」が大好きである。

「ミシャグジさま」は木の神とも石の神とも言われており、土地を守る意味で道祖神信仰にも繋がっているとも言われている。実家の周りや少し田舎に行くと道に道祖神が祭られているのは自然な風景だった。

自粛中から散歩をするようになり、東京都内を歩くようになって色々と気になることや昔を思い出すことが多く、その中で急に気になりだしたのが先ほどの画像のようなオブジェだった。

他にもこのようなものを見かける。

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どうだろう。おそらくは車が歩道に乗り入れられないようにする為の目印というか、境界を視覚的に表現しているのだろうが、それはすなわち道祖神(外から来る魔・災いを遮り防いで安全を守る神)的な意味合いも持っているからこそ、あえてこのような形状をしているのではないか。

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階段の真ん中にも鎮座していた。神社でも道の真ん中は神様の通り道として考えられており、参拝するときは中央は歩かないことが暗黙の決まりだ。この階段のオブジェもまた、中央に鎮座することで人の流れを無意識下で分けさせているのではなかろうか。

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とある住居でもスタイリッシュに境界を示していた。この家の主も中部地方の出なのではないか。そして家を守る為の結界の意味で建てているのではなかろうか。

なんて思いながら散歩をしながら写真に収める。

地元愛知を離れて長い年月が経ったが、すっかり忘れていた子供の頃の自然な信仰対象が、散歩をすることでフワッと脳裏に蘇るようになるとは思わなかった。夏休みに諏訪神社で走り回った思い出が鮮明に浮かぶのだ。

まあ半分以上こじつけ以外の何物でもないのだけど、そんなことを考えながら散歩をするのも面白い。


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