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過去、思い出したくないものから、想い出へ。


懐かしい。とう感覚は、
思わず笑みがこぼれたり、
時間の流れをゆっくりにしたり
あの時の匂いを思い出したり。

そういう感覚だといいのだけれど、


私にとっては少し違うくて、

身体がピリッとして熱くなり、
かと思えば急に寒気がして
頭の中であーあーあーあーと声を出して
かき消したくなる。

過去を、嫌な汗と共に感じる。


20歳前後はそうだった。

その頃だと、過去といえば
田舎で暮らした学生生活が、それを占める。

ヒエラルキー、同調圧力、区別差別。

今思えば、あんな小さな社会で自分の価値は決まるわけもなく、枠にも型にもはまらなくていいのに、そのときは、その世界しか知らないから、浮かないように、溢れないように、その線の中にギリギリ収まることで精一杯だった。


だから帰省のたびに、
母校を車で通り過ぎるたびに、
背中を丸め縮こまっていた自分を
胸を張って、大きく手を振って歩けばいいと、背中を押せなかった自分を思い出し、
目を覆いたくなる。


20代も後半になれば、私の過去は、
18歳から上京してからの私になる。

東京の周囲への無関心さを気に入った。
周囲の人を常にモノサシにして、
それでしか自分を測れない今までの生活との別れ。巣立ち。

自分は自分。

個々の尊重。

無関心さは思いやり。


のびのび生活を送れるようになり、
白髪は無くなったし、頭痛も減った。
一人でどこへでも行けるし入れる。
また無関心さの中で、関心し合ったもの同士との出会い。



東京には6年間住んだ。
家族が出来た今は、神奈川県に住んでいる。

先日久しぶりに都内に行った。
よく使っていた丸の内線に乗り換えた。
名前の響きからもう懐かしくて、楽しかった気持ちだけが身体の中から湧き上がってきた。
久しぶりに電車を見るのもワクワクしていたけど、電車のカラーは当時全体がクリーム色で赤のラインとかだったと思うけれど、真っ赤な列車に変わっていて、時の流れを感じた。
さすがに初見、懐かしくはなかった。
けど、全然違う見た目になっているあたり、
私の好きな東京で笑えた。


高校生の頃、マンガに描いたようなキラキラしたものを思い浮かべて。
現実との違いに、心が枯れて、
私の歩む道はこんなものか。

人生って若い今がピークでしょ?
結構しょぼいなと落胆したけど。

人生今が一番おもろい。
年齢は本当に関係ない。


こんな未来が待っているとは。
こんな過去に色付くとは。


これからどんな未来を歩むのか、
数秒前の過去がどんな色になっていくのか


楽しみはまだまだおわらない。

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