夫婦、1年10ヶ月ぶり。

結婚生活で一番大切なことは、どれだけ相手のことを“許せる”か。

よく言われることだけれど、本当にごもっともだと思う。

あれほどアツアツだった二人。

時間の経過と共に冷めてしまう。

味噌汁でも、ホットコーヒーでもそう。

時間が経てば冷めるのは自然なこと、

別に悪では無い。

＊

私は夫のことが許せない。

洗い物をしてもらうと、洗い終わったはずの炊飯器にはカピカピが残っている。シンクはびちゃびちゃのまま、最後に拭きあげない。

洗濯物干しはシワを伸ばさずグシャグシャ。重なり合っている面積が多く、乾かないからこっそりとやり直す始末。

娘と公園に出かけて帰宅後、ベビーカーを小さく畳まず、アパートの共有廊下にそのままにしていることがある。翌日使おうとしたときに驚いた。通路を狭くして、他の住人に申し訳ない。

細々したことだけど、許せない。

夫のことが許せない。

特に産後半年くらいまでのホルモンバランスが乱れていたときは、常にイライラしていた。自分の思い通りにことが進まなかったり、思い通りに動いてくれないと、いちいちイライラして夫の言動全てを責め立てた。

乳児を抱えてだと自分自身が自由に動けず、窮屈さをおぼえていたこともあり、夫には自分の思い通りに動いて欲しいと、つい思ってしまっていた。

＊

最近になり、夫のことがだんだん許せるようになってきた。

夫に改善がみられた部分もほんの少しはあると思う。でも一番は、私の気持ちが落ち着いてきて、ある程度のことは受け流せる余裕が出てきたからだと思う。

洗い物をしてくれて、ありがとう。

洗濯物をしてくれて、ありがとう。

娘と遊んでくれて、ありがとう。

そもそもやってくれている。

そこに目を向けられるようにもなってきた。

＊

前より、会話も増えた。

もう事務的なことしか話さないときもあった。

自然な雑談もする。娘が寝たあとに2人きりでケーキを食べたりもたまにする。2人目も欲しいねー！なんて話もする。

でも2人目なんて出来ないと思った。

2人で最後に行った夏の熱海へのマタニティ旅行。

あれ以来、そういうことが一度もないからだ。

もう1年10ヶ月していない。

できちゃった婚の私たちでさえこのありさまだ。日本の夫婦のセックスレスの多さにも頷ける。

夫は大事にパートナーであり家族というチームに欠かせない存在だという気持ちは強く持っている。

だけど、湧かない。

そういう気持ちがもう無くなった。ゼロなのだ。

ちなみに、他の男性に惹かれることも全くない。

＊

昨夜、1年10ヶ月ぶりにした。

もう湧かないし、一生ないのでは、と思っていたから驚いた。

身体のあらゆるムダ毛、そのままだったなー。

誘われたから、応じてみた。

熱海旅行以来、初めて誘われた。

行為がどうこうということじゃなくて、肝心なの今日の私にどういう変化があったかということ。

なんだか、いつもより可愛い私で居たいと自然に思ってしまった。

夫に対して責めるんじゃなくて、可愛くお願いしてみようとか、

夫のミスも、大切な人だがら気にならないなとか、

昨日より少し男らしく見えるな、とか、

なんだかそういう風に思っている自分がいた。

こんな単純なことで、、

驚いている。

やっぱり、好き同士で一緒になった二人。

夫婦生活ある程度のスキンシップは大切なんだなと思った話。赤裸々に。

原点に帰った感じ。

冷めた味噌汁も、コーヒーも、

今は電子レンジとかあるからね、すぐ温められる。

私たちももう一回、

アツアツと言わなくても、あったか〜いくらいにはなれそうで、なんだか安心した。