中国出身・元IT企業勤務の店長が、日本でラーメン屋を営む理由(大丸ラーメン 池袋/店長 清水さん)
よく行くお店はあっても、お店の人に話しかけるのって勇気がいりますよね。そこで、ポットラックスタッフが「なんでお店を始めたの?」「働いていて大変なことは?」など、気になることをインタビューすることにしました!テイクアウトだけでは知ることのできない、お店の人の一面をお届けします。
第2回は「大丸ラーメン」店長の清水(きよみず)さんにお話を伺いました。
「日本でおいしいラーメンを作る」という夢のもと、出店を決意
–まず、清水さんがここのお店をオープンした理由はなんですか?
やっぱり、まず私自身ラーメンが好きだからですね。学生時代、日本に留学していた頃はラーメン屋でアルバイトしていたんです。「光麺」っていうラーメン屋なんですが、昔は池袋に2つ店舗があって、そこで働いていました。
–それから、どういった経緯でお店を開くまで至ったんですか?
大学を卒業してからは中国に戻って、大手のインターネットの会社に就職してゲームのUI−UX周りの設計をやっていました。そこで9年ほど働いていたんですが、「おいしいラーメンを作る」っていうのはずっと僕の夢みたいなもので。それが理由で今、ラーメンを作っています。
−9年働いた会社を辞めてラーメン屋さんの出店に踏み切ったきっかけって、何かあったんですか?
僕の「ラーメン屋をやりたい」っていう想いを友達が支援してくれたことです。それで日本にお店を出すために出資をしてくれると言うので、このお店を出すことにしました。
−なるほど。もともと中国の方で働いていて、中国でラーメン屋さんを開こうとは思わなかったんですか?
それはまた違います。実は、中国のラーメンって日本のラーメンとは全然違うものなんですよ。僕が好きなのは日本のラーメンなので、日本でお店を開こうと思っていました。
−そうだったんですか!でも、中国から来て日本で飲食店を開くのって相当大変じゃないですか?
そうですね。特に、一番大変なのは「言葉」です。いろんなところでわからない言葉が出てくるので、それが大変です。でも、仕方ないんですよね。実は何をするにつけても、問題って後から何かしらの形で付いてくるもので、簡単に成功できることは無いんだと思ってます。
−すごいですね。今、何か目標とかありますか?
今はまだ、大丸ラーメンは1店舗しかないので、今後それをもっと増やしていきたいです。日本でこのブランドを大きくして、全国にお店を広げて、最終的には中国にまで出店したいです。それで中国の人や、沢山の人達にこのラーメンを食べてもらいたいと思っています。
日本のラーメンに中国の要素を織り交ぜた「大丸ラーメン」
−先程ちらっとお話が出ましたが、中国のラーメンと日本のラーメンの違いって、どんなところにあるんですか?
スープの作り方、麺の種類などです。スープは、中国では牛や羊のスープが多くて、豚も一応あるんですが、日本みたいに「豚骨」とかは無いです。麺は、中国では太麺と細麺の2種類があるんですが、どちらも食感が日本とは全然違います。中国の麺は日本よりも食感が緩くて、日本の麺はもっとコシがあります。
−ラーメンと言えば中華料理のイメージがありましたが、別物だっていうのは意外ですね。
日本のラーメンは、日本の文化なんですよね。それで、「大丸ラーメン」ではラーメンのトッピングに「角煮」を取り入れているんですが、これは中国料理のやり方を意識したものです。
−ラーメンに角煮ですか!斬新ですがおいしそうですね。
とろとろになるまで煮込んだ角煮は柔らかくて、ボリュームもあって、人気の理由の1つです。
あと、大丸ラーメンでは餃子とワンタンも手作りしているんですが、ワンタンは、2010年の上海万国博覧会にも出展された海老ワンタンのレシピを持ってきています。中国の地元ではとても有名で、おいしいと評判のワンタンです。
それから、今テーブルで無料で提供しているこの「辣醤(辛味噌)」は、中国の四川省で生産されたものを取り寄せています。香りとかが日本のものとは全然違うんですよ。
−そうなんですか!本場の味が楽しめるんですね。食べてみたいです。
清水さんのイチオシメニュー
−最後に、清水さんのイチオシメニューを教えてください。
一番のおすすめは「大丸ラーメン 全員集合(豚骨ラーメン)」です。日本では豚骨ラーメンが本当に人気で、一番よく出る看板メニューなので。
−このメニューはどんなところにこだわっているんですか?
一番こだわっているのはやっぱり、スープです。この豚骨ラーメンのスープは毎日丹念に手作りしています。他のお店だと、特に最近は冷凍のスープを使っているところが多いんですが、うちではお店で毎日10時間以上煮込んで作っています。
−なるほど。スープを一から手作りしているんですね。
はい。口当たりはあっさりしていつつもコクがあり、味わい深い豚骨スープに仕上がっています。
−そういえば、メニューに「全員集合」って書いてあるの、最初見た時変わってるなって思ったんですが、これはどうしてこの名前にしたんですか?
「全員集合」の意味自体は「トッピングが全部載っている」ということなんですが、この由来は実は、僕が昔好きだった日本のお笑い番組『8時だョ!全員集合』から来ています。
−ああ、そこから取ったんですね!(笑)
そうです(笑)
−清水さんの想いが詰まった「大丸ラーメン」、今度ポットラックで注文してみます。本日はいろんなお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
(取材・文:斎須けいら、撮影:和田祐里香)
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店舗情報
大丸ラーメン 池袋
住所:〒171-0014東京都豊島区池袋2-18-2 1F
電話:080-2366-1178
▶︎公式HP
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