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実習がつらい学生さんへ 〜実習TAをやって思ったこと〜 後編

助産師Kanakoです🌈
私は今、臨床現場から離れているのですが、縁あって、看護学生の母性看護実習のティーチングアシスタント(TA)をしています。
実習TAとは、看護学生の病院などでの実習、演習の教育補助業務を行います。実習先には現場の看護師助産師さんの指導者さんがいるので、TAは、学生と指導者さんの間で、情報収集や看護実施のお手伝い、患者さんの受け持ちなどの調整をしています😌

指導者側の忙しさや、報告時に伝えたい意図もわかる分、学生さんなりに一生懸命考えて実習を乗り越えようとしていることもわかり、どのようにサポートし調整したらよいか、試行錯誤の日々です💦(笑)

そんな私から、看護学生さんへ、学生当時の自分にはわからなかったけれど、今TAを経験してみて感じること、そして指導者やTAはどんな思いで学生を見守っているのか、という思いをお伝えしたいと思います😊
今回、その後編です✨ 前回はこちら🌈


①実習でいろんな思いをするけれど、医療現場に出た時に、自分がどんなタイプなのか、気づく機会にもなる

TAとして学生さんと話をしていると、同じ病棟で同じような経験をしているように見えて、それぞれ感じていることは違うんだな、とよく感じます😊

ある学生さんは「急性期の実習は清拭とか手浴とかたくさん看護実践をさせてくれた楽しかった」と話をしてくれて、別の学生さんは「患者さんのところに行ってきていいですか、この情報をとりたいんです」というように患者さんとの話を積極的にしていました✨
あまり自分からは話さないけれど、こちらから尋ねると、感じていることや不安な点をまとめて伝えてくれる学生さんもいますし、自分が何に困っているかわからず、それ自体が不安で焦ってしまう学生さんもいて🌀一緒に情報を整理することをお手伝いしたりしています。
しっかり勉強してきて資料も持ってきていて、報告を頑張ろうとするあまり、指導者さんへの報告が長くなってしまいがちで、自分自身でそれに悩んでいる学生さんも🌀
とても明るく、しっかり者に見えていた学生さんが、一つのきっかけで落ち込み、自分に自信がない、と泣いてしまう様子もあります☔️
私から見ても、結構厳しいことを指導者さんから言われていたように見えたのですが、ケロッとしている学生さんもいます🌈

何が言いたいのか、というと、実際に医療現場に来てみることで、自分がどんなふうに感じるのか、どんなタイプなのか、を気づくきっかけになる、ということです🌈

経験することはそれぞれ違いますし、感じることは皆違います。
看護実習は、その一連を通して、何か一つの綺麗な形の完璧な『看護師』になるための道、と思ってしまいそうになりますが、 実際に働いてみても、いろいろな看護師がいて、働く場所もさまざまです。

看護実習をする中で、
・ 自分は忙しくて緊急性が高いところだと緊張するな
・ 丁寧に患者さんと話せる時間があると嬉しい
・ やることが重なってしまうと慌ててしまう
・ 厳しくされるとむしろ根性が出てくる
・ 自分が思っていたよりもスルースキルがある
・ たくさん看護ケアできる方が楽しい
・ 自分から言うのは苦手だけど聞かれたら答えられる
・ 報告を言葉で伝えるのは苦手だけど記録に書くとまとめられる
・ 実践するよりまずしっかり知識を学ばせてくれる方が安心する…などなど

「自分ってこういうタイプなんだ」と改めて感じる、また、初めて知ることもあるかもしれません✨

実習の中で、こういうことが楽しい、興味がある、一方でこういうのは苦手、好きじゃない、やりにくい、など感じたことを、ぜひ素直に大切にしてください💪
それを大切にして、今後どこで働きたいか、どんな看護をしたいか、をより具体的に考えられるようになるのも、一つ大きな実習の意味だと思いますよ。

②指導者さんのアドバイスから、新しい視点に気づき実践したこと、が実習の大きな成果になる

指導者さんやTAから、これとこれも勉強してきて、この記録を直してきて、この看護ケアの方法見直してきて、看護計画を新しく立ててきて、と言われると、アドバイスはありがたいとしても、全部やれる気力も体力もないし、何からやったらいいんだろう、と途方に暮れますよね😭
しかも、今日のことすら全然整理できていないのに、明日の実習の準備もしっかりしてきて、と言われて、もういっぱいいっぱいになってしまいます…

最終的に学校に提出するのは看護記録なので、それをしっかり埋めなくては、と思うだろうし、勉強してくるように言われたことに答えられなかったら怒られるんじゃないかと怖くて、教科書をたくさん読んだ分、看護計画の修正まではできなかった、とかもよくあります。
医学的な知識、看護ケアがちゃんと実施できるか、必要な情報を集めて看護計画が適切に立てれるか、記録がきちんと書けるか、と学生さんは頑張らなくてはいけないことがいっぱい。

どう報告したら次の日怒られないんだろう、とびくびくしている学生さんに、私が一つ、伝えていることがあります✨💪

指導者さんは、学生さんの報告を受けながら「ここがわかってないんだな」というポイントを、気づかせるように声かけをしています。
そのアドバイスのポイントを受けて、学生さんが何かを新しく調べたり、情報をまとめ直したり、看護計画を変えたりして、自分が出したアドバイスへの進捗と結果を、実習の最後に教えてほしい、と思っているんです✨

例えば、今私が担当している母性看護学の実習では、

  • 帝王切開直後の患者さんを受け持った学生が、退院後の育児生活についての看護計画を一番に上げていて、それに対して指導者さんは「育児もケアしていくけれど、今は術後と分娩後の回復を促す時期じゃない?」とアドバイスしていました。それも大事だけれど、今の優先度はこっちだよ、と伝えていたんです。その学生さんは次の日までに改めて周手術期と分娩直後のケアを学んでくるように伝えました。

  • 母親の看護計画をたくさん立ててきた学生さんに「新生児の看護計画は?」と聞かれて、母子ともにケアの対象である、と伝え、新生児の看護について勉強するよう促したこともありました。

  • また、産後授乳が頻回で睡眠不足、という看護問題を上げた学生さんに「赤ちゃんにとっては授乳は頻回である必要があるよね?睡眠不足が問題なのかな?」と尋ねていました。母子を合わせてケアする必要があること、睡眠不足に対して寝ればいい、という看護ケアではなく、どのようなサポートや関わりが必要か考えてほしい、というメッセージでした。

前編でも書いたように、指導者さんは、完璧にできる学生さんを求めている訳ではありません。

昨日より今日、今日より明日、アドバイスを受けて、自分の考え方がどう変わったのか、何を実践できたか、そこから自分が何を学んだか、という、自分の中の「変化」に気づいてくれた学生さんをみると、指導者やTAは「この実習から学んでくれたんだな」ということがわかり、嬉しいです😊✨


前回3つ、書いてみたことに加え、後編では2つ、看護学生さんに伝えたいことをまとめてみました。
看護実習あるある、ストレスなく乗り切るためには、みたいな記事はたくさんあると思いますが、TAをしてみて私が感じたことが、少しでも皆さんの力になれたら嬉しいです🌈

看護学生さんに幸あれ✨


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