採用業務とマーケティング業務の類似点を挙げてみると10つあった
採用業務とマーケティング業務は類似しているポイントが多数あります。
早速ですが下記をご覧ください。
こちらは「人事業務(緑)」と「マーケティング/セールス/CS(赤)」業務を比較した図です。見ていただくと分かる通り、図左に記載がある「採用マーケティング」と「マーケティング」は取り組んでいる業務がほとんど同じです。このことから、採用担当はマーケティングスキルを持ち合わせたほうが良い、と自信を持って言えます。
具体的にどのあたりが似ているのかを説明したいと思っています。
0. まず前提として
採用担当が、「採用マーケティング業務」にて取り組むべき内容は以下の通りです。
当社でも日頃アウトプットさせていただいている、採用マーケティング関連の業務を記載してみました。内容を見るとそこまで真新しいものはないかと思うのですが、これらがなぜマーケティング業務と内容が似ているのかを記載していきます。
1-1. 候補者ペルソナ と 購買者ペルソナ
マーケティング業務を行う上で、まず「購買者ペルソナ」を設定するかと思います。どのような年齢 / 性別 / 年収帯 / 趣味/構成など細かく設定した上で、具体的なマーケティング業務に取り組んでいくかと思います。
一方で、採用業務も「候補者ペルソナ」を各職種ごとに明確化します。マーケティング業務と比較すると、採用業務のほうがやや粗くペルソナ設計をしているかと思います。理由は、単純にターゲットとなる人数の差です。採用業務のターゲットは転職希望者であることが多く、業界/職種と範囲を狭めていくと、必然的に人数が少なくなります。ペルソナを限定しすぎてしまうとアプローチができる人数が少なくなるため、ややざっくりペルソナ設計することは多いです。
いずれにせよペルソナ設計は、採用業務もマーケティング業務も類似していると言えます。
1-2. 採用ブランディング と プロダクトブランディング
マーケティング業務を行う上で、自社プロダクト/サービスにどのような魅力があるのかを明確にするかと思います。そのプロダクトの誕生背景や効能はもちろんのこと「プロダクトブランディング」はするべきでしょう。
一方で、採用業務も自社の魅力を明確にします。ポテンシャライトが言う「採用ブランディング」という自社の魅力の発掘、文言化、整理をしたほうが採用業務が進めやすくなります。求人広告に掲載する内容や、エージェントに伝える上でも重要ですよね。
1-3. EVP と CVP
まず用語の説明から。
マーケティング業務を行う上で、自社のプロダクト/サービスが「顧客に対してどのような価値提案ができるのか」は間違いなく重要でしょう。それを感じていただかなくては、コンバージョンはしないと思います。
一方で採用業務も「会社が従業員に対してどのような価値提案ができるのか」を明確にしたほうが良いです。候補者に、自社を選んでいただくにあたって重要な要素となるのです。
1-4. Candidate Journey と Customer Journey
こちらも説明から。
マーケティング業務を行う上で、カスタマージャーニーマップを作成すると思います。具体的には、顧客がプロダクトを認知し、興味を示し、問い合わせをし、購買にいたるまでのマップです。
一方で採用業務もキャンディデートジャーニーマップを作成できます。具体的には、自社を認知し、興味を示し、応募をし、入社決定にいたるまでのマップです。
実態としては、カスタマージャーニーのほうが圧倒的に知名度は高いと思います。キャンディデートジャーニーをきちんと設計できている企業はあまり聞いたことがありません。また「採用マーケティング」は、キャンディデートジャーニーを設計することとほぼ同意です。マーケティングの業界においてはカスタマージャーニーを設計することは当たり前かと思いますが、採用においてのジャーニー設計は、カスタマージャーニーを設計とほぼ同じ作業になります。
※キャンディデートジャーニーについての記事はこちらをご参照ください。
1-5. キャンディデートのタッチポイント と カスタマーのタッチポイント
マーケティング業務を行う上で「コンバージョン」は非常に重要です。どの経路からコンバージョンページに至ったのか、またコンバージョンするまでにどの「タッチポイント」を通過してきたのかも重要です。
一方で採用業務も「応募」や「入社決定」は非常に重要です。そして、応募にいたるまでにどの「タッチポイント」を通過してきたのかも重要です。例えば、エージェントからご紹介いただいた候補者がいたとして、その候補者はエージェントに紹介される前に、タクシー広告やWeb広告、求人広告媒体、また自社の社員のTwitterなどで、既に応募企業のことを認識していたかもしれません。これがタッチポイントです。
採用においてもマーケティングにおいても、タッチポイントの明確化は重要であり、かつ各タッチポイントをより魅力的に、リッチにするべき、という点で似通った業務といえます。
1-6. チャネル選定
マーケティング業務を行う上で、設定したペルソナがどの「チャネル」から流入が多いのか認識する必要があります。10代であればTikTok、20代であればTwitter、30代であればFacebook、などです。
一方で採用業務も同じように各職種、年代によって流入が多い「チャネル」は異なります。採用におけるチャネルと言うのはWantedly、キャリトレ、エージェント、Twitter採用、Instagram採用などの「手法」と表現するとわかりやすいかと思います。
チャネル選定においても、採用とマーケティングは似通った業務になるのです。
1-7. 求人広告の設計 と LPの設計
マーケティング業務を行う上で「LP」の設計は非常に重要です。LPのクオリティー如何で、コンバージョン率に何倍も差異が出てくるのは周知の事実かと思います。
一方で採用業務も同じように「求人広告の記事の写真やテキスト」によって応募数が格段に異なることがあります。マーケターはいくつかのLPのパターンを作成し、どのLPがコンバージョン率が高かったかを計測します。採用においてもWantedlyやGreenなどは、タイムリーにPV数や応募数を確認できるような設計になっています。
1-8. 求人広告の運用 と LPの運用
前述した「設計」業務とほぼ同じ意味合いです。
求人広告の掲載 / LPの掲載をして、1ヵ月も経てばもろもろ数字が測定できます。PV数、コンバージョン数、コンバージョン率を各求人 / 各LPごとに算出すれば、どの経路が最も有効的だったのかを把握することは容易にできます。また、いくらコンバージョン率が良くても、質が高いユーザー獲得でなければ評価することができません。採用であれば求人広告、マーケターであればLPの運用を、定期的に、こまめに行っていくという点でも似通った業務と言えます。
1-9. 応募数/面接数の分析 と CTR/CVRの分析
マーケティング業務を行う上で、CTRやCVRなどの数値分析は必須です。前述した運用をするにあたり、細かく数値を取りまとめ、分析をしていく必要があります。
一方で採用業務も同じように応募数、書類選考通過数、面接数などの数値分析は必須です。
採用業務もマーケティング業務も、週に1度くらいのペースで諸々の数値を分析することが重要です。また双方において、コンバージョンに至るまで「ファネル分析」を用いることが多いです。双方においていくつか越えなければならない「壁」があり、その壁に対しての「突破率」は、週に1度のペースで分析すべきです。
また、マーケターのほうが数値分析はこまめに行っているはずです。僕がお会いする採用担当の方で、週に1度のペースで数値分析をしている方はあまり多く見たことがありません。何故かと言うと、マーケターはコンバージョンさせるまでが業務の大半を占めることが多く、採用担当はコンバージョン(応募)してからが勝負でもあるためです。面接が始まるタイミングですしね。なので、数値分析についてはマーケターのほうが強いかなと思っています。
1-10. ATS と マーケティング計測システム
採用業務においても、マーケティング業務においても「専用のシステム」を使っていることが多いでしょう。日本ではATS(採用管理システム)が数多く存在しており、マーケティングで最初に使うシステムは、Google analyticsなどになるのでしょうか(無料ですしね)。
いずれにせよ、双方の業務において専用のシステムを導入して業務を進めたほうが圧倒的に効率的であり、正確な振り返りができる事は間違いありません。
いかがでしたでしょうか?
採用担当とマーケティング担当の業務は類似していますよね。前述した通り、採用担当の業務がマーケティング業務に近づいてきたのは、ここ最近です。Webの発達が要因です。今後もどんどん進化していくと思いますので、ついていけるよう動いてまいりましょう。
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