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この夏、最後の思い出を作りに(淡路島岩屋旅行記)2023.08.30

朝5時半起床。有給。今日限りで閉店してしまう、淡路島・岩屋の鮮魚店/寿司屋の林屋に皆で行く日。スズキナオさん、ヤマコさん、はしおさんに、東京からラズウェル細木先生が来られるという。とりあえず僕とヤマコさんが先遣隊として淡路島に向かう。

9時に明石駅に集合。ヤマコさんはクーラーボックスにドライアイスというさすがの準備力だ。とりあえずコンビニでチューハイと氷を調達して船に乗る。

明石から岩屋までのフェリーは15分ほどで「ちょうどいい」体感時間なのだ。潮風に吹かれているとやがて明石海峡大橋に差し掛かって、それをくぐり抜けると岩屋だ。
9:30の船に乗ったので10時前に岩屋に到着する。まずは大本命の林屋さんを覗きに行く。すでにちらほらと人影があり、名物の鰻がどんどんと焼きあがっている。ヤマコさんが尋ねてくださったところによると、刺身の販売は12時からという。

とりあえず2時間のブランクができたので、岩屋のスーパー「マイマート」に寄ることにする。お寿司コーナーを見ると、滅多に手に入らない(僕も噂に聞いていたが初めて見た)鉄火巻きが売っている。マイマートの鉄火巻きはネタが大きくて食べ応えがあるのだ。それと「うなきゅう巻き」を合わせて購入。時間を潰すために海へ。

SIGMA dp2 quattroで撮影
SIGMA dp2 quattroで撮影

海水浴場はシーズンが過ぎたのか人はほとんどいない。ベンチに腰掛けて、買ってきた氷のカップにチューハイを注いで乾杯。潮風に吹かれて飲むドライチューハイは格別。のんびり飲んでいると、学生グループが泳ぎにきてそれを見ながら飲むチューハイもまた乙である。僕も海に足を浸してみると心地がよい。8月最後のギリギリで海に入るのを達成できた。それから巻き寿司をつまんでいるといい時間になったので林屋へ。無事3000円の盛り合わせを予約する。それにしてもすごい賑わいで、僕たちの予約もいつになるか分からないという。

看板も見納め
路地に溢れる人の姿
観音寺からの風景
この黒く煤けたところに屋台があった。
言われなければ分からない、消えてしまう記憶。

それから高台の観音寺を詣でて、それからかつて天ぷらの屋台があったという小学校裏を見に行く。それから船着場へ。
13:30の船でナオさんたちが向かっているのだ。ヤマコさんと海の向こうから船がやってくるのを出迎える。岸壁に近くなって、ナオさんたちも僕らに気がついて手を振ってくれる。映画か何かのシーンみたいだ。

この船にみんなが乗っているなんて。

ナオさんと、はしおさん、そしてメインゲストのラズウェル細木先生が岩屋に降り立つ。まずはフェリー乗り場の物産展を見て(はしおさんが玉ねぎ一箱買っていた)から岩屋の商店街へ。フェリーに乗る前に明石焼きで一杯やってきたという3人は島のワクワク感も相まって満面の笑み。商店街を散策しながら、「ふろやのよこっちょ」が開くまで道の駅でビールを飲むことに。酒飲みが集っているので話題は尽きない。ラズ先生を囲みながらみんなで淡路のクラフトビールを飲む。そしてそのタイミングでラズウェル細木先生にサインを書いて頂く。

SIGMA dp2 quattroで撮影
SIGMA dp2 quattroで撮影
宝物。

時間も15時を回ったところで銭湯・扇湯に併設された「ふろやのよこっちょ」へ。今日はSSKさんの営むSSK軒だ。ふろやのよこっちょは日替わり店長制度だが、SSKさんは林屋最後の日ということで特別に開けてくださったようだ。ありがたい。

SIGMA dp2 quattroで撮影
SIGMA dp2 quattroで撮影
SIGMA dp2 quattroで撮影

日替わりメニューの中から「すだちチューハイ」を選んで飲む。贅沢に入った酢橘の風味が美味い……!なんと先に林屋の刺身盛り合わせが買えたという常連の方に、貴重な刺身と鰻を食べさせて頂く。林屋の鰻は初めて食べたがこれが食べ納めになるとは。

SIGMA dp2 quattroで撮影
マイマートの鉄火巻き。SIGMA dp2 quattroで撮影
SIGMA dp2 quattroで撮影
SIGMA dp2 quattroで撮影

「ふろやのよこっちょ」には主体となっている島風呂隊のみなさんが駆けつけていて、とても賑やかな雰囲気。一度店をやったナオさんとヤマコさんは顔見知りなので次々と話しかけられている。みなさん「またやってくださいよ!」と期待されている。
マイマートで買ってきた鉄火巻きをつまんでいたが、ナオさんがラズ先生を案内するがてら「紋六」にお好み焼きを買いに行ってくださる。

SIGMA dp2 quattroで撮影
SIGMA dp2 quattroで撮影

「ふろやのよこっちょ」で作って下さったお酒を片手に路地に出ると、心地の良い風が頬に当たる。そこにはなんとも言えないゆったりとした時間が流れていて、いつまでもそこに居られるほどの快適さなのだ。この感覚は海を渡って来た者にしか味わえない特権だ。

SIGMA dp2 quattroで撮影

ナオさんとラズ先生が袋を携えて戻ってくる。遠くからお二人が歩いてくる様はとても絵になる。
お二人が選んだお好み焼きと焼きそばはどちらも絶品。焼きそばはスパイシーなソースが効いていて、お好み焼きは出汁がたっぷり入っていて風味豊か。そしてどちらも優しい。最高だな。

SIGMA dp2 quattroで撮影
SIGMA dp2 quattroで撮影
SIGMA dp2 quattroで撮影

刺身の順番はまだ回ってこない。ここでヤマコさんと扇湯に入ることにする。特徴的なアーチを潜り、靴を預けて中へ。想像以上に広々とした空間が広がっている。入湯料を払い、貸しタオルを借りて中へ。歴史の刻まれたロッカーが並ぶ。そこに服を預け、中へ。写真では見ていた円形の湯船が目に飛び込んでくる。扇湯のその湯船は、浸かる以外にも周りを囲んで熱湯を浴びながら語らう社交場としての役割がある。僕は身体を洗ってからその湯船に身を沈めた。身体の奥まで染みる熱湯に思わず息が漏れるが肩まで浸かると気持ちがいい。それから源泉の水風呂との交互浴をするのだが、この水風呂がまたとろけるようで良いのだ。しっかりと湯を堪能してから上がる。着替えてからオリオンビールと、塩屋フィッシングクラブと扇湯のタオルを購入する。

SIGMA dp2 quattroで撮影

風呂上がりに暖簾を再びくくり、路地に出たときの風の心地よさよ。日も暮れだして、一層穏やかになった風に包まれて飲むオリオンビールの一口はたまらない。ありがたいことに僕たちが湯に浸かっている間に、刺身の盛り合わせが購入できたとのことでありがたくその姿を拝む。

SIGMA dp2 quattroで撮影

マグロ、ハマチ、ブリ、イカ、カツオ、タイ、ハモ、そしてアワビ。3000円の盛り合わせだ。改めて乾杯をして舌鼓を打つ。大ぶりな身と新鮮な旨味が広がっていく。皆「美味い」「美味い」と感嘆。やがてシームレスに日本酒に移行して、淡路の地酒「都美人」で林屋最後の日の刺身を盛り立てる。
酒を飲みながらいろんな話をする。お気に入りの酒場の話、かす汁の話、ナオさんとパリッコさんの新刊の話……酒飲み僕たちは酒を中心に盛り上がる生き物だった。

やがて完全に日が暮れて、「ゆ」のネオンも赤々と灯る。名残惜しいが20時でよこっちょは閉店。後片付けをして店をあとにする。林屋さんの最後の刺身、美味しかったです。ありがとうございました。

SIGMA dp2 quattroで撮影

フェリー乗り場で再び酒を買い、乗船。気付けばよこっちょにいたみなさんが同じ船に乗っていた。このときのフェリーのデッキは束の間の酒場となる。みなで乾杯をして、ライトアップされた明石海峡大橋を見ながら酒を飲みながら語らう。やがて明石に着き、僕たち5人は最後にもう一杯ということで明石の駅ビルに入る「神鷹」という居酒屋に入る。そこで皆がバラバラの酒を飲みながら最後の語らい。ここで話したことはワクワクする楽しみな話ばかり。日記には記さず胸にしまっておく。
23時まで飲んで解散の時間。僕とヤマコさんは帰宅、ラズ先生、ナオさん、はしおさんはそれぞれ西明石に宿泊。羨ましいと後ろ髪を引かれるが、大阪方面の電車に乗る。帰りにヤマコさんとこれからの話をする。

僕は大阪で環状線に乗り換えて、天王寺で降りて帰る。もう飲まないほうがいいのは分かっているが、今日という日を終わらせるのが惜しくてチューハイを一缶買って飲みながら帰る。家に帰って倒れるように寝るかと思いきや、意外と眠気が訪れず、撮影した写真を整理してドライブに保存してから1時半頃眠る。
この上なく至上の時間を過ごした一日だった。しかし一方で、歴史ある鮮魚店が惜しくも終わりを迎えた一日でもある。やはりそれを思うと寂しい。

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