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ゴム業界における組織づくり、人づくりとは――SDGs×RUBBER #3イベントレポート

SDGs×RUBBER」は、ゴム業界の情報を発信するポスティコーポレーションが主催する、全5回開催のリレートークセッションイベントです。日頃お世話になっているゴム業界への恩返しと、SDGsの周知、事例紹介を目的としています。

今回は2021年6月11日にオンラインで開催した第3回「SDGs×RUBBER」のトークセッションと質疑応答について、そのレポートを掲載させていただきます。

第3回のテーマは、「ゴム業界における組織づくり、人づくり」。

SDGs×RUBBER#4、トークセッションの様子

【画像】トークセッションの様子。左上から馬場(弊社)、大野氏、渡部氏、左下から山口氏、工藤氏、松浦氏

大野ゴム工業の大野洋一社長と渡部裕子総務部課長、バンドー化学の山口勝也執行役員(調達、環境、安全衛生、健康担当)、日本ゼオンの松浦一慶取締役執行役員 管理本部長、そして音楽ライター・エッセイストで、車いすユーザーでもある工藤由美氏の5名の方々にご登壇いただきました。司会は、弊社代表取締役社長の馬場孝仁が担当しました。
※肩書は、イベント当時のもの

SDGs×RUBBER#3、グラフィックレコーディング

当日のトークセッションをまとめたグラフィックレコーディング(グラフィッカー/しおりん

職場改善に対する社内のリアクション

馬場:
視聴者の方から質問を数多くいただきました。皆さまに共通でお聞きしたいことがあります。

質問者:
社員が働きやすい職場改善を実施した結果、社員からの評判はどのようなものだったのでしょうか。また、社員からの要望に対し何か改善を実施した事例はありますか。

馬場:
日本ゼオンの松浦さんいかがでしょうか。

SDGs×RUBBER#3、グラフィックレコーディング画像1

松浦:
当社は今年が改革元年ということで、具体的に成果というのはまだ出てきていないですね。

強いて挙げると、在宅勤務制度の実施です。おそらく当社は、都内、特に丸の内地区ではかなり早く在宅勤務をスタートした会社の1つかと思っています。2020年2月27日からです。当時は、「新型コロナウイルスの感染が怖い」という従業員が多かったので、自宅、あるいは自宅に近い場所で仕事ができるのは、評判が良かったですね。ところがそのあと、色々な課題が出てきて現在に至るという状況です。

馬場:
続いて、バンドー化学の山口さん、いかがでしょうか。

SDGs×RUBBER#3、グラフィックレコーディング画像2

山口:
事例としては、講演の中で、食堂改善[※]についてお話しました。結果として、非常に食堂の雰囲気が良くなったのと、メニューの選択肢が増えたことで、従業員からの評判は良かったです。

SDGs×RUBBER#3、配信用資料_ページ_74

【画像】バンドー化学講演資料より


ただ食堂の改革によって、従業員1人あたりの食費が上がります。そこの個人負担分が上がるけども良いのか、というのは懸念材料として長年ありました。しかし、ここは少々上がってもいいものを食べたい、という流れが強いかなと思っています。

ただ残念なことに、それ以外の色々な施策については、良いことをやっているつもりでも、従業員が全然気が付かないというのはありますね。

健康経営銘柄[※]をとったり、健康経営優良法人[※]をとっても、どんなにすごいことか、自分たちがそんなすごい会社にいるということを全然理解してくれていないところはやっぱりありますね(笑)。もっとやってくれと言われたりすることもあります。

※食堂改善=バンドー化学では、同社内の食堂改善を実施。具体的には、①明るく居心地の良い食堂にリニューアル②ヘルシーメニュー、生野菜の提供③業者の見直し
健康経営銘柄=東京証券取引所の上場会社の中から「健康経営」に優れた企業を選定し、長期的な視点からの企業価値の向上を重視する投資家にとって魅力ある企業として紹介することを通じ、企業による「健康経営」の取り組みを促進することを目指している。
バンドー化学は2017年、2018年、2019年と3年連続で選定。さらに2021年、2年ぶり4度目の選定となった。
健康経営優良法人=地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度。認定されると、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的な評価を受けることができる。

馬場:
快適というのは意外と気づかないかもしれませんね。心地いいことは感じにくいのかもしれません。

続いて大野ゴム工業の大野さん、いかがでしょうか。貴社の場合は、特に意識してやってきたというよりも、今までの積み重ねが色々あって今に至る、ということでした。その中で、社員皆さんの反応はいかがでしょうか。

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大野:
そうですね、当社は80年という歴史があります。やはり長年、製造・販売をしていく中で、いろいろな改善はしています。ですが職場と、その元となる社員のモチベーションをどう上げていくのかは長年の課題です。

またコロナ禍が1年半あり、私は当社の工場へほとんど行けませんでした。そのような状況下なので、社員には「自立してほしい」という気持ちを伝えました。

2020年の2月26日から1年半にわたって、当社では新型コロナウイルス感染防止対策を、現在第19弾まで実施しています(2021年6月11日時点)。状況が目まぐるしく変化する中で、社外に向けて自社HPで情報をアップしているのですが、それは全部、当社の統括本部が実施しています。

社内ではさらに面談や面接のやり方、あるいは往来の自粛などについて、総務部が具体的な指示や連絡をしています。

そのように、縦横網目を持って、社員へアピールしていく。それによってお互い健康でいられ、あるいは大きな損失を免れるわけです。そういった動きが、この1年半で社内に相当浸透してきたなというのを感じています。

これから職場改善についても、成功事例をどれだけ横展開して広められていくかが私どものテーマとなると考えています。

日常業務(ルーティンワーク)の中での勤労意欲の高め方とは

馬場:
引き続き、皆さんにお伺いしたい質問をいただいています。

質問者:
商社でも重い荷物の準備や現品票の貼りつけ等、単純作業が多い中、どのように勤労意欲を高め、人材の成長を支えていらっしゃいますか?やる気スイッチはどのようなものでしょうか?

馬場:
まず松浦さんにお伺いします。エンゲージメント[※]について、仕事内容や年代・世代、価値観と、色々違いがある中、全社員にどう理解してもらう、やる気スイッチを入れていくことについてはどのようにお考えでしょうか。

※エンゲージメント=従業員の会社に対する愛着心や思い入れといった意味。このような感情は多くの場合、会社側の努力もあって初めて従業員側に生じる。そのため、最近では「個人と組織が対等の関係で、互いの成長に貢献し合う関係」のことを指すとされている。

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松浦:
はい、ご質問ありがとうございます。

実はエンゲージメントって、その人がやっているお仕事やバックグラウンドによってどう会社と自身を結びつけるかがそれぞれ違うんですね。ですから、まず「個」をきちっと意識した上で進めなきゃいけないものだと思っています。最大公約数ではあるものの、基本的には細分化します。

先ほどの、例えば、荷物を運ぶことがメインのお仕事の方がどうやってエンゲージメントを高めるか。当社の場合は、「その先を見据えよう」と指導します。

すなわちその荷物を運んだ後、この荷物はどこに行って、どのお客様にどういう価値を届けているのか、という先を見せてあげると、エンゲージメントの線が見えてくる。こう信じて取り組んでいきたい、と思っています。

馬場:
なるほど、目の前の仕事からもう1つ先のことにどう貢献しているか考えてみるとだいぶ変わるということですね。

大野ゴム工業さんはいかがでしょうか。では渡部さんお願いします。

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渡部:
先ほど松浦様がおっしゃっていたように、「その先を見せる」というのは、実はうちの会社でも結構社員から反応がありました。

弊社は自動車用のゴム製品を作っていますので、実際に自動車を分解して、どの部分に部品が付けられているのかを見せる研修を実施しています。それらを通じて、毎日自分が何十個、何万個作っている部品が自動車に取り付けられて、それが国内外で走っていることを認識してもらう。社員からは大変好評で、モチベーションが上がるという話もありました。

また、弊社ではパート社員の方も含んだ社員全員が、自分が「いくら売り上げていく」といった、個人目標を持っています。個人目標に対する自己評価と上司による評価を合わせたものを「全社的評価」とし、年度末にまとめています。

さらに年に1回、その目標達成について評価する全社発表会があり、そこで表彰も行っています。

馬場:
バンドー化学の山口さん、先ほどの講演では、上司との面談の中で、いろいろ悩みごとや自分のことを聞いてもらうというコミュニケーションの取り方をしている、というお話だったんですが、上司との面談では、仕事に対するモチベーションのことなどの話題も上がってくるんでしょうか。

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山口:
そうですね、面談の中で上がってくる場合もあります。

それから当社は従業員それぞれが、今どれぐらいモチベーションを持って仕事をしているかを「SOCスケール(首尾一貫感覚)[※]」として測っています。個人に対してはその結果を見て、保健師さんがアドバイスします。またデータを集団分析できるような形にしています。データ上モチベーションの低い職場については、そこの上司あるいは事業所全体で、改善策を検討してもらっています。

SOC(=Sense of Coherence):首尾一貫感覚=1970年代に健康社会学者アーロン・アントノフスキー博士が提唱した概念。「把握可能感」「処理可能感」「有意味感」、これら3つの感覚を指す。SOCが高いと、困難な出来事(ストレス)が起きても、うまく対処することができるとされている。

そしてもう1つ、「あっぱれ賞」を運用しています。これは従業員の活動に対して、直属の上司やそれ以外の部署長たちが評価する仕組みです。

例えばその従業員と全然違う部署の人が、「助けてもらったからありがとう」「あなたの仕事ぶりを見ているよ」、「感謝しているよ」といった感謝を示すものとして渡すことができます。もらった賞を人事部へ持っていくと、給料を1,000円上乗せする仕組みとなっています。

馬場:
なるほど、仲間からの評価は嬉しいですね。

自社だけではなく、業界全体に視野を広げた女性ネットワークを

質問者:
女性の働きやすさ改革に取り組んでおられますが、ゴム業界は圧倒的に女性比率が少ないですよね。積極採用する計画はありますか。私自身新卒で、工場勤務で男性に心ない言葉を掛けられることがありましたが、相談できる女性の先輩もおらず苦しかったので積極採用を進めてもらえると嬉しいです。

馬場:
これについてどうでしょう。今回、渡部さんと工藤さん、2人の女性の方がいらっしゃいますのでお伺いします。まず渡部さんからお願いします。

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渡部:
はい。弊社は歴史のある会社なので、年齢が上の方もたくさんいらっしゃいます。

コロナ禍になる前に一度、全国各拠点の女性社員を集めたセミナーを開催しました。その際のリアルな声として、例えば女性特有の体の悩みである、生理痛による体の不調が挙げられました。これは人によって反応がバラバラです。本当に具合が悪くなって立てなくなる人もいたり、全く平気な方もいらっしゃったり、といったところがあり、なかなか男性から理解をしていただけないという声、これは本当にリアルな声でしたね。

私は新卒採用の新人研修担当でもあるので、そういった話もはっきり新卒の方々全員にお話するようにしています。改めて、そういった身体的な話とかやっぱり男女特有の違いがあるので、そこをお話したりというのはありましたね。

あと私自身も、女性の先輩が入社当時は少なかったという経験があります。今回講演の中で取り上げた産休、育休の取得に関しては「先輩が取ったから私も取れる」と考える女性の社員も多くいます。もちろん年齢が近い方々で連続してお休みされる場合もありますが、それでも「先輩も取れているから私もああいう風に取りたい」、「私も復帰したい」といった意思表示を、産休に入る前にはっきりとしてもらえています。そういった点からも、女性の先輩社員がいるのは大事だということで、女性社員の採用は継続して行っています。

馬場:
身体的な男女の違いもありますし、同性でも程度の違いはありますよね。そのことは肝に銘じるべきだなと思いました。

ありがとうございました。工藤さん、いかがですか。

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工藤:
そうですね、私の想像ですがこの質問者の方は、女性の社員としてパイオニア的な存在だったと思います。パイオニアってやっぱりいつどんな時でも辛いですよね。

私自身も障がい者雇用のパイオニアでした。本当に目に見えない苦労があると思うんですが、逆に注目を浴びて前向きに良い仕事をすれば、それが自分で道を作っていけるチャンスにもなります。自分の頑張りがそのまま後輩につながっていくので、そこはパイオニアの苦しみだと思って頑張っていってほしいなと。

一方で私は、ラバーインダストリー[※]を読んでいると、ゴム業界の中には女性社長の方々もいらっしゃるなと思っていて。この業界は、圧倒的に男性社会なのかなと思っていたんですが、意外な面もありました。

※ラバーインダストリー=ポスティコーポレーションが発行する、工業用・一般用ゴム/エラストマーの専門誌。製品・市場分野別の動向、新製品・新技術、原材料動向、設備・機械・最新試験機の紹介、人物登場、海外情報、寄稿、統計などコンパクトに要約。
隔月・奇数号に工藤由美さんのエッセイも掲載されている。

たとえ自分の会社に女性社員の方がいなくても、少し視野を広げると、このゴム業界にも素敵な先輩がたくさんいらっしゃると思います。せっかくポスティコーポレーションさんが運営しているような業界専門紙などの媒体もあるので、連絡を取っていただいて、女性同士でそういった広い、社内に限らない業界全体での広いネットワークを構築して、一緒に高まっていきたいですね。

馬場:
ご提案ありがとうございます。弊社としても、是非色々と検討したいと思います。

各社の講演内容へのQ&A

馬場:
バンドー化学さんは健康経営の中でデータによる可視化、見える化にかなり積極的に取り組んでいると思うんですけれども、この効果はいかがですか。

山口:
そうですね、やはり集団分析ができるので、数字の良い職場はどういった良さがあるのか、一方で悪い職場はどういった問題があるのかということが、なんとなく見えてくる。そこから気付きにつながったり、上司の行動改善につながったりしているのではないかな、と思っています。

実は集団分析の結果を各部署に説明するのも保健師さんが担ってくれています。やっぱり役職者であっても、自分の上司から説明されるより、保健師さんから聞いた方が素直に反応しているようです。

馬場:
なるほど、わかりました。

続いて大野ゴム工業さんに2つ質問が来ています。

質問者:
大野ゴム工業様の動画(遠野工場)へのご質問です。エレベーターではなく、車いすリフトにした理由は何でしょうか?また、階段ですれ違う社員との安全面はいかがでしょうか?

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大野:
遠野工場は、12年前に建てられました。当時は設計の段階からエレベーターのスペースを確保することが難しかった、というのが実情です。

工場の1階には、品質管理室や製造現場があります。2階には事務所や厚生施設、会議室や食堂を設けていて、エレベーターホールの設置が困難となりました。ですが、障がい者の方が移動できるシステムは必須だったので、代わりに階段に車いすリフトを設置しました。

車いすリフトを設置している階段について、通路の幅はしっかりとっています。映像でゲスト出演していただいた「カリンちゃん[※]」は頭が大きいので、もしかしたら「狭いんじゃないの?」と思われたかもしれないですね。

リフトを使用する際は、社員同士による声掛けを必ずするようにしてもらっています。特に「危ない思いをした」「ぶつかりそうになった」といった声は、この10年間で聞いていませんのでご安心ください。

カリンちゃん=大野ゴム工業の遠野工場がある、岩手県遠野市の公式キャラクター。「カリンちゃん」は遠野物語にも登場する「カッパ」をモチーフとしており、名所である「めがね橋」と市の花である「やまゆり」を取り入れている。
大野ゴム工業の講演で使用された動画にて、ゲストで登場した。

馬場:
ありがとうございました。

続いて、松浦さんに社員さんのモチベーションについての質問が来ています。

質問者:
新しい中計で社員の意欲にまずフォーカスしたのはなぜですか。また、テレワークの定着によって本社や事務所の役割はどのように変化するとお考えですか。

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松浦:
まず、「社員の意欲に応える」ことにフォーカスした理由について、最終的には社会の期待にお応えしていきたいというのが当社の2030年のビジョンです。その期待にお応えするためには、我々がそのニーズを把握する。もしくはその目標を実際に達成してくれる社員のアビリティ(能力や技量、手腕)を高めていくというプロセスが必要になると考えています。

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【画像】日本ゼオン講演資料より

そのためには、社員が自分事としてこのビジョンをとらえて、自分自身を磨き上げるという意欲をまず掻き立てること、それに応えることが必要だと考えました。

それから2つ目のご質問については、「テレワーク等によってオフィスってどう変わるんですか?」という内容と理解しました。

今まで、東京って仕事をする場所だったんですね。私は、それを仕事よりもコミュニケーションをとることを中心とした場所に変えていきたいと考えています。

では、コミュニケーションの先に何があるのか。これは、個と個のぶつかり合い、あるいは異と異のぶつかり合いでイノベーションを生んで欲しい。経営側としてはそういった強い思いがあります。

馬場:
ニューノーマル時代となってオフィスの役割や仕事でのコミュニケーションのとり方も変わっていくということですね。ありがとうございます。

山口さんにお伺いします。御社には保健師さんがいて、例えば先ほども話題になった女性の問題や、上司との面談も対応されています。保健師さんが入ることで、普段は言いにくい話、例えばプライバシーの問題など、そういうものを吸収できる側面もあるかと思います。

保健師さんの役割についてはどう捉えていますか。

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山口:
そうですね、まず私自身の経験、工場に勤務していた時期のお話をします。
当時メタボリックシンドロームなどが問題となり、生活改善を求められる、そういった話が出だした時期がありました。その際、上司との面談の中で、個人の健康管理などプライベートな部分まで踏み込んだ話をするのはなかなか難しいものでした。本人が望めば別ですが、中には上司から指摘されると命令されたような気がして、気分があまりよくない人もいたようです。

ですが、保健師さんからお話していただくと、本当に体を心配してくれて話をしてくれている、というニュアンスが伝わりやすいのではないかと、私自身の経験から思っています。

今の保健師さんと従業員の近い距離感は、非常にうまくいっているところだと思います。今後も維持していきたいところです。

馬場:
保健師さんと従業員の距離感がよい効果を出しているんですね。なるほど、わかりました。ありがとうございます。

不都合なことはだれにでも起こりうる。その時は、新しい働きがいを見つける工夫を

馬場:
最後に工藤さん、どうぞ。

工藤:
質問ではないんですが、私の感想を率直に申し上げると大野ゴム工業さん、早くから障がい者雇用に力を入れていただきまして、ありがとうございます。色々ハードルも高かったと思うんですが、障がい者って特別な人達がいるわけじゃなくて、私たちも社会参加をすることによって、自分に対して自信を持てるっていう人間としての基本的な喜びが働くところにあります。そういったところに先鞭をつけていただいたっていうのがすごく大きいと思います。

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先ほどエレベーターの話が出ましたが、それは些細なことで、どうにでも工夫ができる部分だと思うんです。私もエレベーターじゃなきゃダメっていうことは全然ありませんし、力がある人がいればおんぶしてもらったって良いんですよ。要は気持ちの通い合いがすごく大事なわけで、フィジカルに物理的に何かできないから雇用をやめるとか、そういうことじゃないと思っています。今後とも機会があれば、そういった方々をどんどん雇っていただきたいです。それともう1つ、先ほどメンタルヘルスの話も出ましたし、工場の中でのケガということもありました。

やはり人生の途中で、障がいみたいに、不都合なことが起きることは誰にでも起こりうることです。そういった時にその人に新しい道を社内で工夫して働きがいを見つけてあげて、お互いにとってそれが良い方向に働くような企業であっていただきたいなと切に思います。

今日は企業の皆さまの血が通った取り組みを多く知ることができ、大変参考になりました。ありがとうございました。

馬場:
工藤さん、ありがとうございました。

残念ながら時間が来ましたので、トークセッションを終了したいと思います。皆さま、ありがとうございました。

一問一答、公開中

イベント開催時、時間切れでお答えできなかった質問が多数あったため、後日ご登壇いただいた方々に追加でご回答いただきました。下記の記事で公開していますので、合わせてご覧ください。

SDGs×RUBBER#4、申込み受付中

第4回「SDGs×RUBBER」が、2021年9月30日(木)にオンラインで開催されます。

テーマは「ゴム業界からのSDGs① パートナーシップとイノベーション」。SDGsでは多くの企業や人々が社会に参加し、立場の異なる人たちが協力し合い、各々アクションを起こすことが課題解決に繋がると考えられています。第4回では、企業と企業、企業とマルチステークホルダー等のパートナーシップ、またそれによって生まれるイノベーションについての事例を取り上げます。

みなさまのご参加お待ちしております!

過去回のイベントレポートはこちら。



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