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コーチで伴走者 科研費「請負人」ではないけれど。(3/4)

 「請負人」でないのなら、何者なのか。私どもは、「伴走者」であると考えています。申請者の方が書いたものを客観的な目で読み、伝わりづらいと考えられる部分を指摘すると同時に改善点を提案します。質問をどんどん投げかけて、筆者の方の頭の中にありながら言語化できていない要素を引き出し、文字に置き換えていくという点では、コーチングに近いと言えます。

 従いまして、当然のことながらゴーストライターにはなりませんし、「ほどほど」に書いた文書を丸投げしてもらっても大丈夫!とは決して申しません。幸いにして、弊社のクライアント様ではこのようなケースはこれまでに一度もありません。

研究計画が描くサイエンスの未来と、そこを開拓していこうとする人の熱意に触れる時…

 きちんと伝わる文書を作成するために、筆者の方に寄り添い、クライアントの皆様も、指摘された部分を一生懸命に直して書き上げていらっしゃいます。他人から文章を指摘されるのは気分が良くないかもしれませんが、指摘を受けた部分を根気強く直される姿には、新しい地平を求めて地道に研究を続ける研究者の方々の、底力を見る思いです。研究計画が描くサイエンスの未来と、そこを開拓していこうとする人の熱意に触れる時、筆者(弊社代表の堀江)は、当プロジェクトを通じて研究者の皆様と出会えたことの喜びが、静かに心を満たしていくのを感じます。

 当プロジェクトの流れにおいては、研究費を獲得するという短期的な目的だけでなく、研究の成果を論文に効果的にまとめ、世に問うていくという研究者の本来のゴールにもつながると、私どもは考えております。

 プロジェクト名を「理系のための文系伴走者」としているのも、同じ理由からです。理系vs文系といったような単純な二項対立に基づいて名付けたのではありません。むしろ、noteの本アカウントの名称「文系と理系がつながるサイエンス」としていますように、理系研究者の方で書くことが苦手な方のために、文章を専門スキルとするエディターがお手伝いすることで、理系+文系がそれぞれ得意とする部分を融合させたいとの思いを込めています。文系・理系については、筆者(堀江)の思いも色々とありますので、また回を改めて別の機会に書きたいと思います。

 文章が苦手な方ほど、当方から指摘を受ける頻度は増えてくるわけですが、一方で「問うては直し…」のリズムで筋トレのごとく続けていると、筆者の方はかなりの時間と労力を使うことになります。締め切りが迫っている場合も多く、ただでさえ超多忙な研究者の方の貴重な時間を必要以上に使わないためにも、私どもでは最初にZOOM/Skypeセッションを行って、アウトラインを見通して書き始めることをお勧めしております。

 論文や報告書などを書き慣れている研究者の皆様は、10ページ程度の申請書を書く際にはアウトラインをまとめない方が結構いらっしゃるのですが、アウトラインは全体を見通す上でも助けになります。アウトラインについては、以前に書いた記事↓をご覧ください。

 従いまして、「研究計画はだいたいこんな感じ。あとは上手にリライトして!」という方には当プロジェクトはお勧めできません。繰り返しになりますが、私どもはゴーストライターではなく、研究者の方の筆力を高め、より良い文書を書き上げるためのお手伝いをする伴走者だからです。

Photo by pine watt on Unsplash