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書籍紹介:この1冊ですべてわかる 経営分析の基本

こんにちは。本日は私が経営分析を学ぶきっかけとなった「この1冊ですべてわかる 経営分析の基本」を紹介します。

本書では経営分析の目的は「会社が健全な財務状態を維持しながら、将来に渡って存続するために必要な利益を上げているか」を見極めることにあると述べており、企業の経営者や経理担当以外の社員にも経営分析スキルを身に着けることの重要性を説いています。
説明には数式も出てきますが、しっかり読めば初心者でも経営分析の基本を理解することができる良書です。

私が本書を読んで特に参考になった点は以下の2点です。

① キャッシュフローの分析手法
キャッシュフローとは文字通り現金の収支を表す。P/Lと異なり、キャッシュフローは数字を操作することが難しいため、近年キャッシュフローを重視した経営の重要性が指摘されている。
そして本書では、以下のような観点で、「営業キャッシュフロー」「投資キャッシュフロー」「財務キャッシュフロー」の3つのキャッシュフローを確認した方がよいと述べている。

・営業キャッシュフロー:商売における儲けを表すキャッシュフロー。営業キャッシュフローが黒字であり続けることは会社存続の前提条件なので、赤字だった場合には原因分析が必要。

・投資キャッシュフロー:翌期以降の営業キャッシュフロー確保のための事業投資の成果。通常はマイナスなので、プラスになっていた場合は収益の柱となるような主要資産を売却している可能性があるので、注意が必要。

・フリーキャッシュフロー(FCF):FCF=営業キャッシュフロー-投資キャッシュフロー。事業投資は「儲け」の範囲でやるべきであるため、FCFは黒字であることが望ましい。ただし意図的に投資キャッシュフローを減らしてFCFを増やしているケースもあるため、分析には注意が必要。

・財務キャッシュフロー:銀行借入や社債・株式発行といった、会社の財務基盤を支えるキャッシュフロー。財務キャッシュフローが悪化している会社は、運転資金が不足していると読み取れる。

② 現金循環日数(CCC)の重要性
財務諸表の弱点は会社の一時点の経営状況しか見ることができず、時間軸による変化を確認することができない点にある。この財務諸表の弱点を補完する“キャッシュフローの動的分析”を可能にする指標が『CCC』である。
ビジネスの中で、現金は品物になり、品物は売上債権となり、売上債権は再び現金となる。この現金の回転日数を測定する指標がCCCであり、短ければ短いほどその会社の「稼ぐ力」が大きいということになる。たとえば『アップル』はCCCを経営における最重要指標と位置づけ、同社は在庫を持たないビジネスモデルによりCCC向上を図ったことで有名である。

如何だったでしょうか?
経営や経理に関わっていない方はあまり使う機会が少ないかもしれない『経営分析』ですが、社会人の基本知識として、勉強に時間を割ける今の時期にしっかり学んでおくことをお勧めします。

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