ECのカギは物流にあり？！スペインZARA 物流に18億ユーロ投資すると語る
今日はここスペインのニュースを紹介します。
スペイン発のブランドと言えば、バッグなど皮革製品のLOEWE、シューズブランドCAMPER、磁器のLladróなどがありますが、ファストファッションのZARAもまた、今や世界各地でよく知られるブランドではないでしょうか。
現在ZARAは日本では60店舗以上あるとされています。
ファストファッションとは言うものの、洗練されたハイセンスなデザインは多くの人に人気です。
ZARAを所有するInditex、18億ユーロのロジスティクス "筋力"を追加して売上増に貢献
スペインのグループ、第1四半期の“力強いスタート”報告で株価急上昇
ZARAのオーナーであるInditex社は、売上高が加速度的に伸び、株価が過去最高を記録したことを発表する中、物流「筋力」を強化するために18億ユーロ近くを投じると述べた。
ライバルのH&Mを上回る業績を上げているスペインのファッション・グループは、今後2年間で物流センターに18億ユーロ近くを投じ、より多くの衣料品や靴を販売する機会を生かすと述べた。
同グループは、2月1日から今月はじめまでの売上高が11％増加し、今四半期の「好調なスタート」を報告するとともに、春夏コレクションが「顧客に非常に好評」であったと述べ、この計画を発表した。
1月末までの3ヶ月間の売上高が前年同期比8.6％増の104億ユーロとなり、前四半期から加速したというニュースとともに、この数字をきっかけに株価は5％上昇した。
この上昇は、昨年10月に始まった上昇を拡大し、株価を約33％上昇させ、水曜日には43.13ユーロに達した。同じ期間に、12月と1月の売上高が減少したと発表したファストファッションのライバルH&Mの株価は6％弱上昇している。
Massimo Dutti（マッシモ・ドゥッティ）やPull & Bear（プル・アンド・ベア）などのブランドを擁するInditexは、H&Mとの長期にわたる争いの中で、よりスタイリッシュなデザインに重点を移しながら、徐々に価格を引き上げてきた。
Óscar García MaceirasCEOは、Inditexの昨年の「厳格な」コスト管理の重要性を評価した。最終四半期の純利益は23.5％増の13億ユーロとなり、アナリストの予想をわずかに上回った。
しかし、大規模な投資計画は、同社の収益性が低下するのではないかというアナリストからの質問を促した。2024年に物流への18億ユーロという並外れた投資に加え、192店舗の新規出店、旧店舗の改装・拡大、Eコマース事業のアップグレードを行うとしている。
Inditexの資本市場担当ディレクターであるMarcos López氏は、同社は株主に「魅力的な」リターンを提供する必要性を意識していると述べ、「サイクルを先取りした投資」を模索していることを強調し、「同社は、将来の拡大、将来の成長のために筋肉をつけるべきだと考えています」と語った。
ロジスティクスへの投資は、スペインにZARA、Bershkaブランド、靴のための新しい物流センターを設立し、オランダの既存のZARAハブを拡張する。これらのプロジェクトは早ければ2025年後半に稼動する予定だ。
ZARAは90カ国以上に約5,700店舗を展開しているが、そのほとんどの商品は、店舗に届く前、あるいはオンライン注文として発送される前に、スペインの配送センターを経由しなければならない。
García Maceiras氏は、この事業拡大の目的は、Inditexが「顧客が求めるものを、顧客が望む時に、望む場所で、望む方法で」提供できるようにすることだと述べた。
Inditexは、2023年の一株当たり配当金を1.54ユーロと発表した。
Source：Zara owner Inditex adds €1.8bn in logistics ‘muscle’ to power sales growth（FINANCIAL TIMES）
おわりに
ECDBのデータによれば、ZARAのECサイト「zara.com」の2022年のオンライン収益上位10か国は、米国が23％を占め、イギリス（11.1％）とスペイン（8.6％）を加えた上位3市場の総売上シェアは42.7％。
4位以降のカナダ（5.9％）、フランス（5.1％）、ドイツ（4.5％）、ポーランド（4％）、イタリア（3.9％）、ポルトガル（2.8％）、オランダ（2.6％）を合わせると、総収入の71.5％を占めているとのこと。
これにさらに上位25か国市場が収益の91.9％を占め、上位50か国市場では99.5％に達するそうで、ZARA、その親会社であるInditexがECと物流分野に力を入れたくなるのも納得ですね。
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