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おっさんが田舎に帰った時買ってきたお土産のかげろうを、我先に食べた話


かげろう


おっさんは、
ちょこちょこ和歌山に行く。

パピーとかのルーツがあるみたい。

で、その都度、優しいから職場に
お土産を買ってきてくれている。

そのお土産はだいたい
”かげろう”
あんまり馴染みがない人も
いるかと思うので

一応載せておくね。




どんなものかを説明しておくと
中にクリームが詰まっている
ふわっとしたお菓子♪

浜辺に漂う陽炎(かげろう)
のように儚いイメージから

この”かげろう”って名前が付いたみたい。

おっさんはこれが、大好きだ。

ある日のこと。

僕は偶然その場に居合わせたのだが
今回も
おっさんは”かげろう”を
職場に買ってきてくれた。

そして、出勤早々
“かげろう”の箱をみんなのために
開けてくれるおっさん。

でも
おっさんは、なぜか
箱を開けてから
難しい顔をして、じっとしている。

どうやら…

箱の中の”かげろう”を
見つめているようだ。

そして、見つめながら…

僕に聞いてきた。

おっさん
「1個先食べてええかな…? 
 かげろう…」

僕は、おっさんに気付かれないように
心の中で思った。


(お土産に買ってきてくれたんやんな?
 まず初めに食うんや…笑)

その後、我に返って返事をした。


「え…ええんちゃ…う? 

 おっさんが買ってきてくれた
 ”かげろう”なんやし…」

それを聞き終えたおっさんは、
難しい顔を一変させた。

はにかんでいるというか…
にやけているというか…

もしかしたら彼の心は、意外と若く
女子高生なのかもしれない…


(鯛焼きの時とかも
 こんな感じやったな…笑)

で、結局 食べた。

2個ぐらい。

ハートが女子高生で
頭がスイーツなおっさんは
その後も、休憩室に来るたびに
“かげろう”を食べていた…

多分、本当はお土産にではなく
自分が”かげろう”を好きすぎて…
毎回買ってきていたのだろう…

みんなも良かったら食べてみてね。

また次回。


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(๑╹ω╹๑ )