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この世に存在する万物は、いったい何から出来ているの?という質問に対する、おっさんなりの見解。


ちっちゃいもん

その日、
おっさんは休憩室にいた。

なんだか、
落ち着かない様子で
休憩室の壁から壁へと、
行ったり来たりしている。
 
そして、
しばらく部屋中を
歩き回った後、
急に立ち止まった。
 
でも、またすぐに
部屋中を
グルグル歩き回っている。

何か考え事でも
しているのだろうか……。
 
閑散とした
部屋の中に足音が響く。
 
おっさんは、
ようやく何かを
決心したようで、


立ち止まり、
辺りを見回してから


目の前にある
”白い箱”
を覗き込んだ。
 

じっと、そっと、
覗き込んでいる…
でも決心がつかずに、
再び歩き出したかと思うと

また、部屋中を
ウロチョロし始めた。
やっぱり
落ち着きがない。
 
今度は、
両手を後ろに組み
グーパー、グーパーしながら
ソワソワと歩いている。
 
しばらくして、
おっさんはその
”白い箱”
に向かって
一直線に歩いて行った。

そして、まるで
赤子を
持ち上げるかのように
その”白い箱”を
持ち上げた。

優しく
持ち上げられた
その”白い箱”は、

迷うことなく、
いつものおっさん愛用の
ローテーブルに運ばれた。
 
すごく怖い顔をした
おっさんは、
その前に正座する。


しばらく箱を
見つめた後に、
おっさんは箱の中に
右手を入れ、
中身の”何か”を
取り出した。

取り出した”何か”を
左手に持ち替えて、

右手で空になった
”白い箱”を
器用に潰すおっさん。

そして、
ようやく念願の
”何か”を
両手で持った。

おっさんに、
緊張感が走る……。
 
(ゴクリッ……。)
 
両手で持たれた
”何か”は、
おっさんの
大きく開けられた
口に向かっている。

おっさんの
大きく開いた口は、
両手の”何か”に
向かっている。

相思相愛のようだ。

おっさんの口元まで、
その”何か”が
やってきた…

丁度その時!!

休憩室の扉が
開く音がした。
 
 
 
「バンッッ!!!!!!」


誰かが
急いで入ってきた。


??? 
「おっさん、おっさん!
聞きたいことあるねん!!」

おっさんは、
大きく口を
開けたまま固まっている…


声の主は、
そんなおっさんに
一切構うことなく、
話しを続ける。


???
「おっさんてさ、
 なんなん?????」


ビックリしたのも束の間、
あまりに唐突で
抽象的な質問に

開いた口が
ふさがっていない、
おっさんは、
両手でいまだ
”何か”を持っている…。
 
しばらくして、
おっさんは
顔だけこっちに
向けて言った。

おっさん
「なんなんって、
 なんなん…笑。」

もちろん、両手には
”何か”を握っている。

そして、謎の声の主は、
それに続けて言った。

???
「いや、だから
 なんなんってことやん。
 おっさんは何なん?」

大事そうに
両手で”何か”を持つ、
中年男性が
少し考えたけれど、

やっぱり答えが出ず
持ち前の適当さで応戦した。

おっさん
「”人間”……かな…。」

その答えに対して、
声の主は

なるほどなー

と意外にも
納得がいったようだった。
 
しかしながら、
謎の声の主は、
おっさんに対して
矢継ぎ早に質問を続けた。

???
「”人間”って
 何からできてるん??」

おっさんは答えた。

おっさん
「”内臓とか、筋肉”とか
  ちゃうん?」
 
その言葉に、
声の主が反応する。

???
「なるほどなー。
 じゃあさ、じゃあさ
 ”内臓とか、筋肉”は
 何からできてるん?」

おっさんはあっさりと

おっさん
「”細胞”ちゃうん?」

と答えた。

もちろん両手には、
がっちりと
”何か”を握っている。

質問に、あっさりと
答えてしまったもんだから

あっさりと、
また 質問が 主から、
返ってきてしまった
おっさん。

???
「ふーん。。。
 じゃあ”細胞”は
 何からできてるん??」

おっさんは、
黙って
少し考えた後に答えた。

おっさん
「んーーーーッ。。。
 ”細胞より
 ちっちゃい何か”
 ちゃうん?」

間髪入れずに、
またもや質問が来た。


???
「じゃあ、その
 ”細胞より
 ちっちゃい何か”は
 何からできてるん??」

おっさんは
困ったように考えた。

しばらく考えた後に、
やっぱり適当に答えた。

おっさん
「”細胞より
 ちっちゃい何か”は、
 その”ちっちゃい何か”より
 “ちっちゃいもん”
 からできてるんやんー…」

その答えに、
声の主が反応した。

???
「なるほどなー。
 さすがやな!
 おっさん!!」

それを聞いた
おっさんは、さっきまでの
部屋中を歩き回っていた
怖い顔とは
打って変わって、
嬉しそうであった。

 
嬉しそうに、
ローテーブルの前で
正座をし
両手でいまだ”何か”を
握っているおっさんは

ようやく、”何か”を
食べられると
安心し再び、
大きな口を開けて
その”何か”を
迎えに行った。


ゴール目前。


やっぱり、口元まで
その”何か”が
やってきた時
また急に声がした。
 
???
「あッッ!!!!!」

謎の声の主が叫んだ。
おっさんは、ビックリして
とうとう、
しっかり両手で
握っていた”何か”を
放り投げてしまった。
 
その”何か”は
きれいに床に着地した。
おっさんが
悲しそうな顔で、
その”何か”を
見つめている……。


沈黙の時間が続く。
 
 
沈黙を破ったのは、
謎の声の主であった。
今目の前で
起きたことなど、
気にもせず
おっさんに質問をした。


???
「じゃあさ、
 ほんならリンゴは????」

 リンゴは
 何からできてるん????」

床にある”何か”を
ウルウルした目で見つめる

おっさんは、
愛想なく、そっけなく
答えた。

おっさん 
「種。………はぁ~。」

声の主は、
やっぱり気にせず答えた。

???
「なるほどなー。
 じゃあ種は?
 種は、何からできてるん??」

おっさんは、
そんなどうでもいい質問に
答えている
余裕がなさそうであった。

そわそわしているかと思うと、
急に口を開いた。

おっさん
「3秒ルールッ!!!!!」

次のタイミングには落ちた
”何か”を拾い上げていた。

拾い上げた”何か”を
大事そうに眺めるおっさん…

横から声がした。

???
「なぁー!!!
 種はッ???怒」

声の主が
怒った口調で、
おっさんに
質問している…

おっさんは両手で
”何か”を
掴みつつ答えた。

おっさん
「”ちっちゃい
 何か”………。」

???
「なるほどなー」

声の主が返す。

ウルウルした瞳で
おっさんは、
拾い上げた”何か”に
息を吹きかけている。

おっさん
「フーッ。フーッ。
よし、これでオッケー!」
 
 
【ところで急だけど、、、
 みんなに勝手にヒントです♪
 
 おっさんの拾い上げた
 ”何か”は
 魚の形をしていて、
 中にあんこが
 入っているものなんだ。

 もちろん床に落ちてから
 3秒以上経っている。
 
 声の主の正解は、”僕”。
 その”僕”が見た、
 床に落ちた”何か”は

 確か、上から見ると
 頭が左で尻尾が右であった。

 おっさんが
 フーフーしていたのも
 僕が見る限り
 
 頭が左で尻尾が右であった。
 では、話の本筋に戻るね。】
 
おっさんは、
自らフーフーした
”何か”を
必死に頬張ろうとしていた。

というか、頬張っていた。

今日一番の
幸せな顔をしている。

そんな中おっさんが、
モゴモゴ話し出す。

おっさん
「ラスト1個やったから、
 悩んだけど鯛焼き旨いなーー

 で、”僕”君がしてた
 質問なんやったっけ??」

僕は、
床に落ちて3秒以上経った、
たい焼きの反対面を

フーフーして
食べたおっさんに
ビックリしながら答えた。


「リンゴの種は
 何から
 できてるんかなーって質問!」

おっさんは
間髪入れずに答えた。

おっさん
「それはー、
 種より
 ちっちゃい何か。
 
 種より
 ”ちっちゃいもん”やろ…。」

僕はやっぱり納得した。


「なるほどなー。」

幸せそうにモグモグしている
おっさんを横目に、

謎の声の主であった僕は
再度おっさんに
質問を投げかける。


「おっさん!おっさん!!
 じゃ…あさ、、、
 おっさんの好きな、
 有村架純ちゃんは何なん?」

おっさんは、
今までの
流れをふまえて答えた。

おっさん
「有村架純ちゃんも
 人間やで。
 せやから、
 もとを辿れば
 ちっちゃいもんから
 できてるな。」
 
ということはだ…。

まず、おっさんも
有村架純ちゃんも
”人間”なので

おっさん=有村架純ちゃん
となってしまう。

なので、
おっさんに聞いてみた。


「人間。もとを辿れば
 ”ちっちゃいもん”。
 ということはさ、
 
 おっさん=有村架純ちゃんなん?」

この質問に対して、
おっさんは満足げに答える。

おっさん
「そうやで笑。」

僕は続けて質問をした。


「ほんまに、ほんまに
 おっさんは
 有村架純ちゃんなん?笑」


おっさんは、
変わらず平然と答えた。

おっさん
「そうやで笑。
 僕は有村架純ちゃん笑。」

なんだか、
妙に誇らしそうで、
鼻が高そうである。


「ということは、
 朝の連続テレビ小説
 出てたのも
 おっさんなん???」

おっさんが
引き続き
嬉しそうに答える。

おっさん
「そうやで、
 僕が連続テレビ小説出てて、
 重要な役やってん。
 僕のこと見てた?笑」

僕は、
ビックリして答えた。


「すげーな!!!おっさん!
 でもさ、おっさんは
 有村架純ちゃんでもあるけど、
 リンゴでもあるんやろ?」

 もとを辿れば、
 ちっちゃいもんなんやし…笑。」

おっさんは、さっきよりは

何故か不満そうに
モグモグしながら答えた。

おっさん
「それは、
 確かにそうやで。
 僕は、リンゴや!
 でもな、実はな…」

僕は、
ゴクッと唾を
飲み込みながら聞き入った。

おっさんが言う。

おっさん
「有村架純ちゃんも
 リンゴなんや…
 モグモグ…笑」

そろそろ、
うっとうしく
なってきた僕は

おっさんに最後の
鉄槌を下してみた。


「ということはさ、
 このブログの主人公も
 有村架純ちゃんなん??」

 リップクリームやったり、
 COやったり……。」

おっさんは
モジモジしながら答えた。

おっさん
「それは絶対違う。
 それは僕の
 オンリーワン。。。。」

ちなみに僕は、
おっさんに後日聞いてみた。


「おっさん!おっさん!
 うんこは元々なんなん?」

おっさんが答えた。

おっさん
「また言わそうとしてるやろー笑。
 
 うんこはな、もともとな
 ”汚い小さい何か”やで。
 
 ほんで
 その ”汚い小さい何か” はな…

 それよりも小さい
 ”汚いちっちゃいもん”から
 出来てるねん。」

僕は不敵に笑いつつ答えた。


「ということはさ…

 リンゴは、おっさんであり
 有村架純ちゃんやろ?

 おっさんは、リンゴであり
 有村架純ちゃんやん?

 うんこは…リンゴであり…
 おっさんであり……」


おっさんが
割って入ってきた。

おっさん
「やめとけ笑」

また次回。


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(๑╹ω╹๑ )