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保証された柔らかな静けさが、そこへ通う理由。



あーカフェに行きたいよー。と思うのは大抵、どちらかというと心や身体よりも、脳が疲れていると感じる時だったりします。

自分では淹れることの出来ない美味しいラテや、どれにしよう?と迷うことさえ楽しいスイーツメニューだってもちろん求めていますが、カフェに友人と一緒に行く場合とひとりで行く場合とでは重視する点が異なります。

私がカフェをひとりで利用する際に最も重要視するのは、「静けさ」です。


私は時々自分でも嫌になるくらい音に敏感です。他テーブルに座るお客さん同士の会話が店内に反響し過ぎていたり、隣の人たちの声が大きいと、落ち着けないどころかぐったり疲弊しちゃいます。キッチンから聞こえてくる物音が大きかったり、店員さん同士の指導する声色などが怖かったらもう帰宅です。

だからこそ、カフェを選ぶ時には、カフェのコンセプトやお客さん層、店員さんの接客こそ重視したいポイントです。


私は落ち着きたいのです。ひとりでカフェに行きたいと思うのは、一旦疲れた脳を落ち着かせたいとき。あれこれ考えては心配してしまう私が、何も考えず何も心配しないでいられる、脳を休ませてあげられる、そんな第三の場所をずっと探していました。

でも、なかなか出逢わないものです。大人しく家にいればいいのでは?と思うかもしれませんが、第一の場所であるお家と第二の場所である職場の往来だけでは、私はバランスが取れなくなってしまうのです。それは場所的なことも人間関係的なことも同じ。だから、時々第三の場所に足を運んでは、ちょっとした非日常を感じてリフレッシュすることが大切だったりします。


そんな私が、今では絶大な信頼を寄せるカフェがあります。信頼、、、信じて頼れる。まさに、どの点においても信じて頼れる場所です。

店内が騒がしかったらどうしよう、キッチンから終始食器の音がカチャンカチャン聞こえてきたらどうしよう、店員さんが冷たかったらどうしよう、、、と、あれこれ心配する余地のないカフェです。もちろんドリンクとフードも好みです。


そのカフェの存在を知ったのは、かれこれ5年程前のこと。そして初めてそのカフェに訪れたのは、約半年前のこと。ずっと憧れていながら、気軽に行ける範囲の距離に住んでいなかったので、時々SNSをチェックするだけでした。

しかし昨年の引っ越しを機に、長い間憧れていたそのカフェの扉を開け、遂にその空間に出逢ってしまったのです。

そして案の定、私はすっかり、そのカフェが提供してくれる全ての虜になってしまいました。


そこは、静けさが保証されている空間でした。
それって、本当に貴重なことだと思うのです。

静かと聞けば、張り詰めたとか緊張感などといった単語が連想されるけれど、ここの静かはちょっと違います。

出来る限りことばで表現してみるならば、それは柔らかい静けさ。糸は張り詰めることなく弛んでいて、その静けさの中には縛られない自由がある。でも自由とはかけ離れていそうな、安心もちゃんとある。だから居心地が良くって、いつまでも居たいし、何度でも来たいと思うのです。

更には、その柔らかな静けさが漂う空間には、いつだって素敵な音楽が流れています。そのセレクトも音量も絶妙です。静けさを求めていると言っておきながら、BGMは必須なのです。音に敏感な私は自分が発する音が響くことにも過敏なので、小さな物音が紛れる程度の音楽が流れていないと落ち着かないのです。

柔らかな静けさと耳心地の良い音楽が漂う空間。そんな空間が、私の脳をふにゃふにゃに解きほぐしてくれます。


店員さんも、本当に素敵な方ばかりで。またそのお店に行きたいか・もう行かなくてもいいかという判断には接客してくれる方の印象もかなり関わりますが、こちらのカフェは接客面での安心感も抜群です。

いつだって歓迎してもらえるんだなあと安心出来ますし、何より働いている方々が楽しそう。えーどっちにしよう?!とメニューを決め兼ねている私に、それはもう進路相談かの如く親身に対応してくれます。みなさんの素敵さが本当に有難い。そんな店員さん方とのお会計時のささやかなお喋りが楽しみだったりもします。


テレビドラマの登場人物には、大抵行きつけのお店があります。私もそんなドラマの中を生きる大人に暫く憧れていました。そして、ここは私の行きつけのカフェになりつつあります。そのうち、私も所謂、常連さんの仲間入りを果たせるのでしょうか。

今日もお仕事頑張ったもんね!という自分へのご褒美が過度にならない程度に、これからも定期的に、脳のマッサージを兼ねて通いたい。

あの扉の向こうに在る、柔らかくて静かで心地良い、お気に入りの空間。そこで過ごす時間は、いまの私にとって、大切な時間です。


じっくり読んでいただけて、何か感じるものがあったのなら嬉しいです^^