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Diner ダイナー

劇場公開時、見にいきたいな〜!と思っていたのですが見送った作品。これに1800円払っていたら怒っていたかもしれない…自宅鑑賞で良かったかな…

蜷川実花が嫌いな訳ではない

彼女が撮る写真は独特で好みが分かれるところだとは思うんですが、私は結構好きなのです。毒っ気があって、ゴテゴテ全部盛ってあって、でも被写体の良さもあるというか…足し算の美学ですよね。だからこそ、「写真」や「PV」の時の方が良さを感じるというか…映画になると、彼女の足し算がトゥーマッチでちょっと見ていられないのです。あとは単純にストーリーを紡いだり、順序立てて描いていくというよりは「こういうカット」「こういう画」というのをただ切り貼りしている様に見える。「ヘルタースケルター」では比較的頑張っていた様に感じましたが、今回は切り貼り感が結構目立ってちょっと見ていてしんどかったですねえ…食材を映すカットや、ダイナーの各部屋のビジュアルなど、美しいところもたくさんあるんですが、それが全然生きていなくて残念。
あと、蜷川実花は多分アクションに興味がないんですねえ…ラストの藤原竜也と真矢ミキのバトルシーン、やりようによってはめっちゃかっこよかったと思うんですが結局何が起こっているのかよく分からず…

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この謎ジャンプも正直笑ってしまった。後ろの桜がきれいなのに残念…

ぶっ飛んだ登場人物たち

キャラクターは、原作からぶっ飛んだ殺し屋ばかりなのですが、うまく狂気を具現化したなあと思います。どれも魅力的だったと思う。やっぱり蜷川実花はこういうのがうまいんだよな…みんなゴッテゴテで、誰か分からないレベルでメイクしていたり。

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彼女だからこそできる「役者の無駄遣い」も多くて笑っちゃいました。小栗旬とか最大の無駄遣いでしょう…(褒めてる)既に亡くなっているボスの肖像画に蜷川幸雄氏を使えるのも、蜷川実花ならではですね。笑
個人的には武田信治のビジュアルが好きでした。

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あの筋肉美を拝めたのも有難い限り…笑

藤原竜也はやっぱりかっこいい

もともと藤原竜也がとても好きではあるのですが、ここ数年は映画のジャンルを選ばず出ているのかな…?という感じ。(カイジ出演から、藤原竜也の叫びがネタ化されちゃって悲しい…)彼は映画よりも舞台で見る方が好きです。が、今回は「かっこいい」満載で良かったですね〜!長めの前髪が顔にかかって表情が見えないのもいいし、実は結構なロン毛なのも意外と似合ってたし、カナコを守ろうとするけどやっぱり粗雑で優しくはしないところもこれまた…

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最初はなんとも思わなかったけど、カナコを守る姿がベタではありますが良かった。

玉城ティナさん…かわいかった

私、実は彼女の事あんまり存じ上げないのですが(池田エライザと混ざっている)絵に描いた様なかわいらしい方ですね〜!髪型もあってお人形みたいだった。あの趣味の悪い制服も着こなせちゃうんだからすごい。

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声が震えた演技とか、いい意味で「普通」な子である雰囲気が合っていたなあと思います。ちょっと声がキャンキャンしてるかな〜と思った瞬間もありましたが、多分お芝居でああいう声の出し方してるっぽいし、そう思うとやっぱり上手いのかも。前半のちょっと影がある感じも良かったですし。

久しぶりの邦画、やっぱり苦手である

私は基本的に洋画(というか字幕が出る映画)を見る事が多いのですが、なぜかというと邦画あるある「セリフが聞こえない」からなのです。特にこの映画は顕著でしたが、静かなシーンとド派手なうるさいシーンとのギャップが激しい。映画館なら気にならないのでしょうが、自宅で夜にテレビで見ているとどこまで音量を上げるか迷うんですよね…前半のボンベロとカナコがゴニョゴニョ喋ってるのなんかほとんど聞こえなかった…緩急や芝居の上で必要な事だとは思うのですが、最低限聞き取れる様にはしてほしい…特に蜷川実花の映画はこの傾向が強い気がするなあ…聞かせる気がないのか、それとも映画館で見る事を前提としているのか…
あとは、明るさが微妙じゃなかったです…?よく、欧米の映画だと思ったより画面が暗くて、全然見えないよ…と思う事があるのですがいわゆる色素が薄い白人といわれる人たちはアジア人的感覚で明るさを調整すると眩しすぎたりする、という話を聞いた事があって。だから洋ゲーとか暗くてよく見えなかったりするっていう。映画にもそれは通じるものがある気がするなと思ったり。あんまり暗すぎると見えないんですよ…前半のシーンとか、特に見えなかった…暗さを利用して想像力に委ねる演出ももちろんありますが、今回はただただ露出が合ってない様に感じてしまった…

とまあ、文句ばっかり言ってしまいましたが、キャストを眺める映画としては良かったのではないでしょうか。豪華キャストが大集合!というのは私の大好物なジャンルでもありますし。あとは、蜷川実花監督の映画は合わない、という事がよく分かった…笑


因みにこの作品、原作は読んでおらずコミカライズ版を途中まで読んでいました。(漫画アプリで1日1話無料!みたいなやつで読んでた)

絵があんまりしっくり来なくて読むのやめちゃったのかな…確か。原作とはだいぶストーリーが違う様です。別物として楽しんだ方が良いみたい。
せっかくなので、原作小説も読んでみようと思っています。


Diner ダイナー

2019年 日本
監督:蜷川実花
出演:藤原竜也、玉城ティナ、窪田正孝、本郷奏多、武田信治、小栗旬、土谷アンナ、真矢ミキ、奥田瑛二、他


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