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「なんかいいなあ。」と思うひと

わたしが今まで出会った人たちの中には、
すてきな人がたくさんいます。

仕事がめちゃくちゃできる人、
話がおもしろい人、広い視野を持つ人。

分かりやすく「ここがすごい!!」と思う方もいれば、
「何かははっきりわからないけど、なんかいいなあ。」
と思う方も。

うーん、失礼に聞こえてしまうかも。
うまく言い表せなくてもどかしいのですが、
「すてきな雰囲気を纏っている」とでもいいましょうか。

すてきな人であることには変わりないけれど、
特に目立つ部分があるわけではない。
でも、見えない(目立たない)部分にこそ
大切な”すてきの理由”が隠れているような気がします。

Aさんのこと

以前勤めていた会社にAさんという女性がいました。
わたしが「なんかいいなあ。すてきだなあ。」と思う1人です。

Aさんはわたしよりも結構年上で、
現在大学生の息子さんを持つお母さん。
とてもやわらかな雰囲気を持つ方です。

ただ、Aさんと出会ったばかりの、数年前のわたしは
そのすばらしさになかなか気づくことができませんでした。
「Aさんってとても話しやすいけれどなんでだろう?」
ぼんやり思っていたのです。
(※わたしは基本的にぼんやりしている)

「最近あったうれしかった出来事は?」

Aさんは社内の研修講師を務めることがあり、
一時期わたしはそのサポートに入っていました。

研修に参加する人の中には、初めて会う(会ったことはあるけど話したことはない)方も。
Aさんはみんなの緊張をほぐすために、必ず最初に自己紹介の時間をつくります。

その時に必ず、「お題」を出していました。
それが「最近あったうれしかった出来事」
他にも「最近、季節を感じたこと」「今年の抱負」なんて時もありました。

「なんだそれ」と大抵の方は面食らい、戸惑います。
これからやる研修に全く関係ない話です。
それでもAさんは「では、わたくしから。」と、
自分の自己紹介と、お題に合わせて、家族と出かけたことや、お気に入りの本についてなど、プライベートなお話をはじめます。

そうすると、緊張していた参加者も柔らかい表情になり、
うーんうーんと考えながらも、楽しそうに自分のお話をしてくれるように。

家族のことや、意外な趣味。
そこから ひとつ、ふたつ質問をすると
一気に距離が縮まって、その後の研修も積極的に受けてもらえるのです。

心を開きたくなる4つのヒント

初対面でいきなり「うれしかった出来事は?」なんて聞かれても
「プライベートなことはちょっと…」となってしまいそうなこのご時世。
それでも、大抵の人は自然に短い時間で心を開いていきました。

たぶん、わたしが同じ質問をしてもうまくいかない。
実際、真似しようとしてうまくいかなかったこともあります。

なんで、Aさんにはみんなすぐに心を開くんだろう?
ぼんやり思いながらもAさんがあまりにもさり気ないからなのか、最初はあまり深く考えていなかった。。。
(もっとよく見ておけばよかった。もったいなーい)

そこから、Aさんのことを観察してみて、
気づいた「すてきポイント」がこちら。

・身だしなみに手を抜かない。いつも質のいいものを身に着けている。
・挨拶をきちんとする。相手に聞こえる、大きな声で。
・興味の幅が広く、新しいことに対しても臆さず学ぶ姿勢をもっている。
・人にたくさん質問をする。仕事以外の、趣味や家族のことも。(相手が言いたくなさそうなことは聞かない)

他にも色々とありますが、印象に残っているのはこの4つ。

「すてきだな」と思わせる小さなポイントがたくさんあるからこそ、どんな人でも自然に心を開いてしまうのではないか、
それって、めちゃくちゃスゴイことなんじゃないか、、、と。
勘の悪い私は気づくのが遅かった・・・。

「なんかいいなぁ」「なんかすてき」と思わせる人って、
すごくさりげなく、人を喜ばせたり、安心させたりしている気がします。

すぐに気づかせないあたりもすてき。(わたしが気づかなかっただけ。)

すてきな人はセンスがいい

最近読んだ、松浦弥太郎さんの「センス入門」
センスと呼ばれているものについて、どういうことか優しい言葉でつづられています。

この手の本はなかなか素直に読むことができないタチだったのですが、
”お手本にしたい誰か”と重ねてみると、しっくりくる。
すてきな人を思い浮かべながら読み込んでいきたい一冊です。

うまく自分の言葉にはできないけれど、小さなことの積み重ねがとても大事なことで。
人の心を開いたり、動かしたりするのには、
発する言葉以外の力も必要になると思っています。

さりげなく、っていうのもまた良いですよね。

わたしも「なんかいいなぁ」と思われるような人になりたい!と、
Aさんとの出会い、そこから得た気づきを通して自覚するようになりました。(実践できているかどうかは別なのですが…)

また会いたくなるひと

その後、わたしは部署異動となりAさんと少し離れることに。

それでもすてきなAさんのことが好きだったので、タイミングを見計らってはお話をし、(気持ちよく聞いてもらい)
休みの日に一緒に遊びにいくこともありました。

親子ほど、とは言わずともまあまあ年の離れた
生意気で年中ぼんやりしているわたしと仲良くしてくれたAさん。

「Aさんのような女性になれたらいいなあ」
勝手に人生の目標にしています。

そして今。
Aさんのように、「すてきだな」と思うことを小さいものから積み重ねていきたいと思ってはいるのですが。やるとなったら別。
それがどれほど大変なことなのかを実感しています。意識するポイントが小さければ小さいほど難しい。

その後転職したわたしは、Aさんとなかなか会う機会がなくなってしまいましたが、今でもふとしたときに「すてきだったな」と思い出しています。(転職を伝えた時も、だれよりも話を聞いて、背中を押してくれました)

そんなことを書いていたらとても会いたくなってきました。
ふとした時に「会いたい」と思わせるのもすてきが故。

今晩、久しぶりに連絡をしてみようと思います。



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