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ポップインサイト創業記

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会社創業の悪戦苦闘について、経験・学びの言語化もかねて創業記として振り返っていきます。起業を考えている人に参考になるよう、できる限り具体的な内容を伝えていきます。
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#会社経営

ポップインサイト創業記(9)〜お金を使わず、家族を使う

モニター募集をした所、早速数十人の応募を受けました。報酬単価を相場より高く設定した狙いが当たり、モニター募集は順調に出来る見込みが立ったのです。そこで、次はモニターの受け入れ体制の確立が急務となりました。 チェックはマンパワーでウエブ広告を見た人からのモニターの応募があると、私のアドレスに「新規顧客モニターの登録がありました」というメールが届きます。月に約100件の応募がありますので、約100件のリマインドメールが私の元にポンポンと届きます。 それらが届くと1通1通に対し

ポップインサイト創業記(8)〜ネット広告でのモニタ募集

勤めていた会社から正式な許可を得てサービスを本格稼働することにした私達でしたが、これまでは友人や身内に頼んでいたためモニターがいませんでした。本格稼働するためには親族や友人だけでは回らないため、外部でのモニター募集を開始することにしました。 報酬の単価を相場より高く設定モニター募集には、『リスティング広告ページ』と『Facebook広告』の2種類のネット広告を出しました。 世間一般のウエブアンケートやモニターサービスでは、大体1件のアンケートに回答して報酬が数円というイメ

ポップインサイト創業期(6)〜サービス完成前にプロモーションLPをリリース

無料トライアルの結果、企業に価値あるデータを提供できるサービスであると評価してもらえることが立証できました。しかし、この段階ではまだ「知り合いが使って喜んでくれた」という段階で、本当にお金を払ってもらう価値があるのかは未知数です。 そこで次は、サービスの提供をスタートするべく初めての広告を出しました。新サービス宣伝の為のウェブページ(LP)を作成しました。 ちなみにこの時点では、システムもMVPレベルですし、モニタも友人しかいない状態です。が、顧客候補にはそのような裏側事

ポップインサイト創業期(5)〜MVPで価値検証

ゴールデンウィーク期間を利用してまずは最小限のスタートが切れるシステムの開発に取り組みました。そして、海外にWEBブラウザ上で操作画面と使用者の音声を録画することができるツールがあることを見つけた私達は、数名の人に実際にテスト使用してもらうことにしたのでした。 最初は友人知人にモニタ協力を募るそうは言うものの、実際にはまだモニターなど1人もいない状況です。そこで、私の妹や友人に「ちょっとPC画面のタスクに従ってテストをやってみてもらえない?」とお願いしてテスト使用してもらい

ポップインサイト創業期(4)〜日本版ユーザーテストの開発

研究会を数回開催する中で、参加者から「自分達でユーザーテストをしたいものの、テストしている様子を人に見られるのは恥ずかしい」「時間がかかりそうだし、分析を自分でするのも大変そう」といった感じの声がありました。 日本初のリモート・ユーザテストの開発へ私は当時既にユーザーテストが海外でとても高いニーズがあることを知っていましたし、日本でもこれを拡めたいと思っていましたので、研究会のアンケートで「海外で人気が高いユーザーテストを数千円からしてもらえるような日本版サービスがあれば

ポップインサイト創業期(3)〜Sansan社との出会い

第4回コンバージョン・アップ研究会は、クラウド名刺管理サービスアプリの『Eight』をテーマとして開催しました。 このサービスを提供する『Sansan株式会社』は、「出会いからイノベーションを生み出す」をミッションに掲げ、法人向け名刺管理サービス『Sansan』と個人向け名刺アプリ『Eight』を提供しているマザーズ上場企業です。 名刺管理アプリ「Eight」が第4回のテーマ『Sansan』は、俳優の松重豊さんの「それさぁ、早く言ってよ ~」というセリフのコミカルなCMでお

ポップインサイト創業期(2)〜将来の共同創業者が、勉強会にやって来た

第3回のコンバージョン・アップ研究会には、後に私と一緒に最初の会社を起業した喜多君が参加者としてやって来ました。勉強会の開催を重ねることで、参加者の中から私の想いに共鳴してくれる人が出てきて、その後一緒に起業していくことになっていったのです。 (▼喜多君と私です) 第3回勉強会に、将来の共同創業者が参加喜多君は元々私が就職した会社『ビービット』の同僚でした。 当時彼はエンジニアで、私はコンサルタントをしていました。 私はコンサルタントとして、クライアントワークで『ユーザ

ポップインサイト創業期(1)〜始まりは、勉強会の開催から

今回から新たな連載シリーズとして、私が初めて起業した企業“ポップインサイト”の創業期を振り返ります。そこには様々な苦労や大変な事がありました。しかし、それらに直面する度に、トライ&エラーを繰り返しながら乗り越えていくことで、その中から様々な良いノウハウを生み出しながら前に進んで行くことができました。 始まりは、ユーザーテストを拡めたいという想いから私は前職のビービットで行われていた『ユーザーテスト』という手法を、本当に素晴らしいものだと確信していました。そして、“これが社会

全くリーダータイプでなかった僕が、どうやって4社のM&Aを実現し、起業家っぽくなっていったか?(7)~テーマは、こうすればいいのにという理想と現実のギャップから見えてくる

会社で売上を上げて行くためには、“テーマ”を持つことが大切だと思います。大きなビジョンや志があればあるに越したことはないですが、それよりも“テーマ”をしっかり持つことで、収益が上がりブレの無い事業展開をすることができます。前回に続き、今回は私が起業した際にどのようにテーマを持って行ったのかという体験談を書かせていただきます。 最初のテーマ私が最初に起業した時のテーマは、分かりやすく言うと“エンドユーザーをリサーチするウエブコンサルティング”というニュアンスのものでした。顧客

全くリーダータイプでなかった僕が、どうやって4社のM&Aを実現し、起業家っぽくなっていったか?(8)〜目前の仕事を頑張ることで道が開ける

もう1つの大切な点は、真面目に仕事に取り組むことが大切だと思います。そもそも、真面目に仕事に取り組まないと、使命感を持ったりテーマを生み出すことはできないと思います。 なんとなくお金のために時給で働いてるとか、絶対に定時で帰りたいという感じでやってる人は、多分どんな会社に入っても仕事への思い入れや使命感など生まれてこないと思います。 私自身、就職して1年目2年目の時は、毎日深夜終電まで仕事して、時には徹夜も辞さず、みたいな感じでした。特段最初から使命感があったわけでもあり

全くリーダータイプでなかった僕が、どうやって4社のM&Aを実現し、起業家っぽくなっていったか?(6)~大志でなくても、テーマを持つことが大切

私は、起業は、頑張ることさえできたら誰でも上手くいくものなのかなと思っています。勿論簡単にできるものではありませんが、そんな特別に難しくはないかなと思います。 起業に大切なことは、人として当たり前に大切な、油断しないとか、誠実にやるとか、真面目にやるとか、嘘つかないとか、試行錯誤をちゃんと繰り返すとかです。逆にそういうことが面倒くさくなったり、人に任せにしてしまうとか、熱意がなくなってしまったら、多分失敗すると思います。つまり当たり前のことを当たり前に大切にして頑張ることが

全くリーダータイプでなかった僕が、どうやって4社のM&Aを実現し、起業家っぽくなっていったか?(5)~副業としての起業のメリット

私が行った、主業(現業)を持ちながら副業として会社経営を始めたことは、上手く行っても行かなくても、どちらに転んでもリスクが少ない形でしたので、本当に良い形を採れたと思います。頑張れれば起業につながるし、頑張れなかったら現状の主業に残ったらいいだけでしたので、とてもリスクを少なく起業することができました。 副業として起業を行えば、本格起業ができるかどうかの検証ができる副業として起業を行うということは、これまでに比べて少し稼働量が増えるわけですが、それでも、主業があるので収益が

全くリーダータイプでなかった僕が、どうやって4社のM&Aを実現し、起業家っぽくなっていったか?(4)~副業として起業スタート

私が起業するに当たって、このルートを辿って本当に良かった、という点がいくつかあります。その内の1点目、それは“副業として起業を始めた”ということでした。私は、「これから頑張って会社をスタートしよう」という感じで会社を起業したのではなく、最初は前職就業中に副業として会社経営を始めたのです。 自信がないので副業から始めた起業当時ビービットに就業していた私は、(副業をするには会社の許可が必要でしたので)会社の許可を取り、ビービットでの仕事を正業としながら、副業として会社経営をスタ