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ポップインサイト創業期(6)〜サービス完成前にプロモーションLPをリリース

無料トライアルの結果、企業に価値あるデータを提供できるサービスであると評価してもらえることが立証できました。しかし、この段階ではまだ「知り合いが使って喜んでくれた」という段階で、本当にお金を払ってもらう価値があるのかは未知数です。

そこで次は、サービスの提供をスタートするべく初めての広告を出しました。新サービス宣伝の為のウェブページ(LP)を作成しました。

ちなみにこの時点では、システムもMVPレベルですし、モニタも友人しかいない状態です。が、顧客候補にはそのような裏側事情はもちろんわからないので、この検証では「知り合いでなくもお金を払ってサービス利用してくれるか」を確認できることが重要でした。

トライアル成果を「事例」として信頼度アップ

まずは、『PowerPoint』で、こういうページにしたら良いのではないかという画像を作りました。まずはページをアップするということが最優先でしたから、本格的にページを作り込むのではなく、パワポでレイアウトしたものを画像化し、その画像をバンバン貼り付けただけのシンプルなページを作成しました。

下のように、パワポで作成した画像を貼っただけなのですが、見る人には普通のホームページに見えます。こういったシンプルなサイトを作り、ドメインとURLを所得して、広告サイトをリリースしたのです。

▼当時のパワポ画像を貼ったHPイメージ画像
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私達のサービスは、これから販売を開始するので、当然まだ販売事例がありませんでした。しかし、私達には、実際に15社に無料でお試しサービスを提供したことで聞けた『生の感想』がありました

「このサービスにはこんなメリットがあった」とか、「こういう発見があった」とか、「これぐらいの頻度でやってみてもいいと思った」とか実際にサービスを体験した方からの声があったので、実際に使った人の体験談として広告に紹介させてもらうことができました。

そして、このように広告を出すことによって、なんとその後すぐに10件程の企業から問い合わせが届いたのです。


記念すべき初の受注

広告を出してまもなく、あるクラウドソーシングで上場している企業(当時は会社ができたばかりでしたが)の社長から問い合わせが届きました。それは、「うちはUXを大事にしていて、ユーザー体験を良くするために、このサービスを使ってみたい」という内容のものでした。

私と喜多君は、「本当に問い合わせが来たんだ!」と驚きを持って受け取りました。「リアルに問い合わせがきたね〜!」みたいな感じでした。

その時は、サイトをリリースしてからそんなに時間かかることなく、続けざまに問い合わせが来ました。私達の予想を超えた反応が返って来たのです。

問い合わせ自体は10件ぐらいきましたが、結果的にその中から、『5人テスト調査して10万円』というサービスが2件売れました。 ポエガさんとトレジャーハントさんという2つの企業がそれぞれサービスを買って下さったのです。

私達にとって、これは自分達のサービスが売れたという初めての経験でした。その意味で私にとってこの2社は本当に思い出深い特別な存在です。もしそこで買ってくれてなかったら、その後サービスとして続けることはなかったと思うし、その先の起業もしていなかったと思います。

実は、この2社のご担当者とは、8年経った今でも親交が続いています。

実際にはサービス(モニタ0人)でも、売れる!

当時は未だモニターと言うか、クラウドソージングで言うところのワーカーのような人は誰もいなかったので、せっかくの受注をしてもモニターをする人がいません。 そこで、どうしたかというと、受注をした後に私の友人に協力をお願いして行きました。注文を受けてからモニター探しをするという、通常とは逆の順番をしたのです。

友達で協力してくれそうな人を名前は載せずに属性を記載したリストを作成して、クライアントに「こんな人達がいますけど、モニターは誰が良いですか」みたいな感じで聞きます。それを受けたクライアントから、この人とこの人でお願いしますと依頼を受け、その後に指名をされた人にフェイスブックで連絡して、「ちょっとこれお願いしたいんだけど」とお願いするという流れでした。

現在のサービスは、事前にモニターとして登録したら、登録した段階でトレーニングを受けてもらっています。だいたい合格率7%くらいなのですが、 先にトレーニングをして合格した人に実務を依頼する形です。

しかし、この時はそのような人が全くいないので、クライアントから依頼を受けてからトレーニングを受けてもらい、モニターをしてもらったのです。依頼されたモニター側からしてもよくわからないことをいきなりさせられる訳なので、大変だったと思います。

そこで、そういった場合には、私が実際にその人達の家にお邪魔して、横でそのやり方を伝えてやってもらったりしていました。「リモートっていうけどリモートじゃないじゃん」という感じもしますが、最初はそんな感じでやってました。

モニターは、初期の頃は友人33名をリストアップしてのスタートでした。めちゃくちゃ少なかったですね。今考えると良くこれでクライアントから発注して頂けたと思います。

さらに言えば、実際に2件の初注文を受けた時には未だモニターが『0人』だったのです。それでも売れたのですから、想いを実現するためには工夫や発想の転換などの現実的な努力や諦めないで取り組む姿勢がとても大切だと思うのです。結果はそういう物に付いてくるのだと思います。

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