全くリーダータイプでなかった僕が、どうやって4社のM&Aを実現し、起業家っぽくなっていったか?(8)〜目前の仕事を頑張ることで道が開ける

もう1つの大切な点は、真面目に仕事に取り組むことが大切だと思います。そもそも、真面目に仕事に取り組まないと、使命感を持ったりテーマを生み出すことはできないと思います。

なんとなくお金のために時給で働いてるとか、絶対に定時で帰りたいという感じでやってる人は、多分どんな会社に入っても仕事への思い入れや使命感など生まれてこないと思います。

私自身、就職して1年目2年目の時は、毎日深夜終電まで仕事して、時には徹夜も辞さず、みたいな感じでした。特段最初から使命感があったわけでもありませんが、周りがそうでしたし、自分自身も言われたことはちゃんと行うという性格でしたので、結果的に真面目に取り組むということは、ずっと変わらず続けることができました。

どんな環境であっても、真面目に頑張ることは出来る

将来的に起業を考えているのであれば、できれば就職する段階で、良い会社、良い環境を選べるといいのは間違いありません。では、もしそういう会社に入っていない人はどうするべきか。

もし、そのような会社にいない人でも、目前の仕事に真面目に頑張ることは出来ると思うのです。

就職したら、そこがどんな会社でも、とにかく目の前にある仕事を真面目にちゃんとやる。想い入れが出てきたりとか、その仕事がすごく良いと思えるぐらいまで、真面目に正面から取り組んでしっかり頑張る、そういうことがとても大切だと思います。

まずは、目前の仕事に注力することから始める

私の場合は、ビービット自体が独自性がある良いサービスを提供している会社でしたので、それを普通に素のまま受け取ってやっていただけでも良かったというのはあります。

しかし、会社がそうではなかった場合でも、自分が真面目にちゃんと価値を出そうと思って取り組めば、会社はここまでしかやっていないけれどその中で自分はこれだけ成果出している、会社自体はそこまでちゃんとしていないけれども、自分自身のお客さんに対してはしっかりとやっている、という取り組みは自分ひとりでできます。そして、それを地道にちゃんと行い続ければ、理想に近しい所まではたどり着けると思うのです。

将来成功したいのであれば、自分の目前の仕事において、プロ意識をもって、成果がさらに出るように考えて真面目に取り組む。 その中から必ず自分のテーマが見つかり、道が開けて行くと私は強く思っています。

SaaSのテーマも目前の業務に精一杯取り組む中から生まれる

近年ビジネスシーンでは、これまで主流だった“BtoC”と言われる一般のお客様向けのサービスから、“BtoB”と言われる企業向けのサービスへ、需要が移行しつつあります。そしてその中でも、企業の課題をソフトウエアで解決していくサービス、SaaS(サース、Software as a Service)のニーズが高まっています。

海外でも“Salesforce”という会社を中心に、SaaSビジネスに高いバリュエーションが付いています。馴染みがあるところでは、SlackとかZOOM等がまさにSaaSのサービスです。

そして、これらSaaSのそれぞれのツールがどうやって生まれているかと言えば、やはり、各々が目前の業務を行う中で、課題の解消の為に工夫や試行錯誤をした結果に生み出されたものであることが多いのです。各々の目前の業務において、本来こうあるべきなのにそうなっていないという所から着想を得て、その改善の手段として作ったソフトウエアやツールがSaaSのテーマになっているのです。

例えば、ある会社では、“リファラル採用”という、人の紹介を通じて採用を行う手法において、自社がその取り組みを採用していてそれがすごく良いのに、他社では上手く出来ていない、という現状を踏まえて、そのできない原因を解消するツールを提供して成功している会社があります。

目標管理の分野でも、目標設定の手法の1つである“OKR”を自社で行うツールを開発していて、そのツールがとても良いものであると。しかし、それは他社に無い物なので、そのツールをサービスとして提供することを事業化したという企業があります。

自社の予実管理が効率的に出来ていなかった企業が、社内でツール化して管理に成功したので、そのツールを広く提供しているというケースもあります。

私が最近ちょっと面白いなと思ったのは、リモート飲み会用のツールなどもありました。メジャーなリモートコミュニケーションツールの“ZOOM”などでは、参加者が多い場合、話が1人ずつしかできない、という問題点がありますが、それをクリアするために、オンライン上で席を分けて別の席に移動することができたりするツールです。これなども、目前の課題を解消するために工夫して生み出したツールが事業化された例だと思います。

これらの事例から思うのは、やはり目前の業務や課題に創意工夫して精一杯取り組むことで、“自分がやっていたスタイルや業務が、他の会社には無いものである。だからそれをサービスとして提供しよう”という形になり、何も無い所からテーマを作り出すよりは、よりニーズの高い事業化がしやすいのではないかと思います。

さらには、そのようにして事業化が出来た場合は、海外の事例を真似たとか、特別な想いも無くただ儲かりそうだからやっている、というのとは、思い入れが全然違うので、成功の確率が遥かに高いと思うのです。そこが起業においてとても重要だと思います。

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