ポップインサイト創業期(1)〜始まりは、勉強会の開催から

今回から新たな連載シリーズとして、私が初めて起業した企業“ポップインサイト”の創業期を振り返ります。そこには様々な苦労や大変な事がありました。しかし、それらに直面する度に、トライ&エラーを繰り返しながら乗り越えていくことで、その中から様々な良いノウハウを生み出しながら前に進んで行くことができました。

始まりは、ユーザーテストを拡めたいという想いから

私は前職のビービットで行われていた『ユーザーテスト』という手法を、本当に素晴らしいものだと確信していました。そして、“これが社会に広まっていないのは何かがおかしい、これを社会に広めたい”という想いを強く持っていました。そして、この想いはどんどん高まっていき、それを形にしたいと思うようになり、ユーザーテストをテーマにした勉強会を開催することを決心しました。

当時の私の想いはとても強いものでしたので、開催に当たって自分に出来る限り最大限の準備をし、素晴らしいものにしたいと取り組みました。

まずは、イベントですのでタイトルを付ける必要があります。会社で使用していたユーザーテストという名称をそのままダイレクトに題名に付けるのは避けようと配慮し、タイトルは『コンバージョン・アップ研究会』と名付けました。

そして、会場を予約し、参加者募集の呼びかけを行いました。告知はfacebookで呼びかけたり、元々の友人や知人などに片っ端からお誘いをしていきました。実は、この会を開催する前に、ゲストスピーカーとして招かれたイベントなどもあったのですが、そういった催しを始めとして、それまでに参加した懇親会や勉強会などで会った方々に次々とお誘いをして行きました。

今の自分から思えば、小さな会議室を借りて開催した小規模なイベントですが、これまで自分で企画したことのなかった当時の私にとっては、結構な大きなトライ、チャレンジでした。 そのため、準備には、本当に当時の自分が出来る限りの力を尽くしたのを覚えています。

当日使用するプレゼン資料は夜昼問わず徹底的に作り込みましたので、気づけば徹夜で当日の朝を迎えていました。


記念すべき第1回研究会開催!!

私が社会人になって5年目の2011年11月12日。いよいよ“第1回コンバージョン・アップ研究会”の当日を迎えました。

当日は15名の方が参加して下さいました。その内の多くは名前も顔も存じ上げない方々でしたので、私がお誘いした人達がその友人知人を一緒に連れて来て下さったのでした。

実は、この時の参加者の中には、その後にクライアントになってくれた方もいました。また、後に私が起業した会社の取締役になった森川君もいました。(当時の彼は学生で、受付を手伝ってくれていました)

『ユーザーテスト』とはどのようなものか。ユーザテストは、「あるサイトを使っているユーザの様子を観察し、またその後のインタビューを通じて、ユーザ理解とサイトの課題・改善余地を把握する手法」です。そのため、勉強会では、毎回検証の対象となるサイトを題材として挙げて、そのサイトに対するテストワークを行います

第1回では、友人が運営する“UGpet”というペット用品の通販サイトを課題サイトとしてワークショップを行いました。

(▼第1回コンバージョン・アップ研究会の様子)
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参加者には、3人1組になってもらいワークを行います。1人が対象のサイトを使って、1人が横でメモるといった感じです。進行は作り込んだ資料のスライドに沿って進めていきました。


▼当日の資料のイメージスクリーンショット 2020-04-27 10.20.08

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自分から想いを発信し始めたことが、起業への第一歩になった

当日は、参加された皆さんの様子から、ユーザーテストの体験をとても楽しんでくれているがひしひしと伝わってきました。私は、多くの方にユーザーテストの素晴らしさを知ってもらう場を提供することに成功したことを感じることができました。これは私にとって、自分が居なかったら無かった価値ある場と機会が生み出せたことを、人生で初めて感じることができた瞬間でした

アンケートにも、「資料がよく準備されていた」「題材が身近で良かった」「新たな発見があった」「また参加したい」といった良い感想や、今後の会に向けての改善案など好意的なフィードバックが数多く書かれていました。

私はそれまで、飲み会のような小さな企画すらも自分発で開催することに抵抗を感じていました。そんな私が、新しい場をつくり、人に新しい出会いや学びを提供でき、更には、自分自身にも貴重な経験と新たな人脈の繋がりを得ることできたのです。それは私にとって、物凄く嬉しくて大きな手応えでした。

この手応えが、その後のさらなる研修会の開催、そして更にその先の“起業”に繋がっていったのです。このようにして、私は起業への大きな第一歩を踏み出したのでした。

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