全くリーダータイプでなかった僕が、どうやって4社のM&Aを実現し、起業家っぽくなっていったか?(7)~テーマは、こうすればいいのにという理想と現実のギャップから見えてくる

会社で売上を上げて行くためには、“テーマ”を持つことが大切だと思います。大きなビジョンや志があればあるに越したことはないですが、それよりも“テーマ”をしっかり持つことで、収益が上がりブレの無い事業展開をすることができます。前回に続き、今回は私が起業した際にどのようにテーマを持って行ったのかという体験談を書かせていただきます。

最初のテーマ

私が最初に起業した時のテーマは、分かりやすく言うと“エンドユーザーをリサーチするウエブコンサルティング”というニュアンスのものでした。顧客であるクライアントをリサーチするのでは無くて、クライアントの顧客であるエンドユーザーのニーズや志向や行動をリサーチして、クライアントにその情報を基にコンサルティングするというサービスです。

例えば、クライアントが不動産の会社であれば、クライアントの顧客に当たる不動産を購入したいと思っている人をアンケートしないから集めてきます。 その人が実際購入しようと思ったとしたら、どうやって検索しますか?とか検索した結果をどう使いますか?というシーンを設定し、その様子を横で見たりします。それが終わったら質問します。「なんでこれをしたんですか?」とか「なんでこれ見たんですか?」とか、「それどう思いましたか?」という様に質疑を重ねて、その人の気持ちを把握していくっていう。そういうアプローチでした。

実際にこの手法を取り入れるととても高い効果が上がりますので、クライアントに大きく貢献することができます。

「良いこと」なのに「みんなやってない」というギャップを見つける

前職の会社がこの手法を取り入れていたのでした。私はこのスキームに触れた時に、「これ、すごく良いじゃん!」と率直に思いました。そして、実際に行った際の効果の大きさを体感し、その実感を深めました。

でも、周りを見渡した時に全然この手法を取り入れていないのです。手間が面倒くさいのか、そうやってもあまり意味がないと思ってるか、やっていない。やっても少数の検証でやめてしまう。そして、やったことないので結局真の良さが伝わらなかくて、ほとんど継続して行ってないというのが現状でした。

「ネットに定量的なデータがすごくあるので、人をわざわざ呼んでリサーチなんかしなくてもいいよ」とか。「そんなことしなくても、データあるじゃないですか」みたいな感じになってしまう。「うちはユーザーのこと知ってるから」みたいな感じになりがちなのです。

その手法は、本当にエンドユーザーしか見ていないので。実はそこに面白さがあるんです。そして、本当にそれをやってる人は、企業であっても、Webマーケターとかでも全然いない、という本来あるべき姿とのギャップがあり、そこが私の“テーマ”になったのです。


理想と現実のギャップ=テーマ

素晴らしいサービスなのに、皆やっていない。本当はやった方がいいのに社会で全然やれていない。それは本当にもったいないですよね。 一方で海外にはそういったサービスがあって取り入れられています。でも日本では実際にあまり取り入れられていないのです。それであれば、そのテーマを1度日本に持ってきて広く導入してら良いかなと思ったのです。

そのサービスを自分自身で思いついてやったというよりは、そのギャップに着目したのです。このギャップというのがテーマ設定のミソだと思うのです。本当はエンドユーザーをリサーチして気づきを得るべきなのに、周りをみたら全然そうなっていないと。「そこってもったいない」というギャップ。「いや絶対やったほうがいいでしょ、これ」みたいな、そんな感じのあるべきものがあるべき姿になっていないというギャップがテーマにつながりやすいのです。

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