全くリーダータイプでなかった僕が、どうやって4社のM&Aを実現し、起業家っぽくなっていったか?(6)~大志でなくても、テーマを持つことが大切
私は、起業は、頑張ることさえできたら誰でも上手くいくものなのかなと思っています。勿論簡単にできるものではありませんが、そんな特別に難しくはないかなと思います。
起業に大切なことは、人として当たり前に大切な、油断しないとか、誠実にやるとか、真面目にやるとか、嘘つかないとか、試行錯誤をちゃんと繰り返すとかです。逆にそういうことが面倒くさくなったり、人に任せにしてしまうとか、熱意がなくなってしまったら、多分失敗すると思います。つまり当たり前のことを当たり前に大切にして頑張ることが重要だと思うのです。
最初から大きなビジョンを持つのは難しい
そんな中で、私は事業において、“テーマ”を持つことがとても大切だと思っています。大きなビジョンや大きな志ではなくて、自分がやりたい、やり続けたい、というようなテーマ。これをある程度設定した方が良いと思うのです。これがあると、うまくいってない時期に自分を励ましてくれる源泉にもなります。
起業すること自体を目的にするというよりは、何のサービスでもいいので、そしてそれはそんなに大したものでなくても良いので、“これは自分がやった方がいいな”と一定程度思えるテーマ。これを持った方が良いと思うのです。
一般的によく言われるのは、“世界を変えるんだ”とか“Make World Better Place”みたいな感じで、世界規模の大きなビジョンを持とう、大きな志を立てよう、大きなサービスを展開しよう、みたいな大きな夢や目標や志を持てと啓蒙していますよね。でも、私は、そういう風なものは全然持っていません。
起業したばかりの人が、そんな大それたビジョンが最初からあるかというと、なかなか無いのが実際のところだと思います。
小さくても「使命感のあるテーマ」を持つことは大事
ただその一方で、何にもないとやはり続かないと思います。 大きすぎる必要はありませんが、やっぱり一定のやる理由やテーマが明確にないと、途中で諦めてしまったりとか、 熱が続かないと思います。何かしら取り組むテーマはちゃんと持っているべきだと思うのです。
では、その持つべき“テーマ”とはどんなものなのか。
私は、皆さんご自身や所属する会社がこれまでやってきた仕事の内容とか、経験から紐づいて実行していることで、周りはできてないこととか、やっていないこと。本当はこうしたらいいのにこうなってないよねっていうもの。自分がこうあるべきと思っているものに対し、そうなってないっていうところで、そこを埋めるのは、自分は向いている。日本一とか世界一とかではないかもしれないけど自分だったらある程度できる。これは自分がやるべきと思える。小さくてもいいから使命感とか、ミッションを感じる何かをテーマにすることが重要だと思ってます。
池田が「使命感のあるテーマ」を見つけた流れ
具体例を紹介しましょう。私の前職は、ウエブコンサルティングの会社でした。そこは、クライアントの顧客、つまりクライアントの先にいるエンドユーザーをターゲットにしたコンサルティングをする会社でした。エンドユーザーにインタビューしたりとか、エンドユーザーの行動や思考を分析してエンドユーザー視点で改善するみたいな感じのアプローチをサービスするコンサルティング会社でした。
そのアプローチが本当に凄く良いと思えるものでした。エンドユーザーを呼んで来て、テスト行動をしてもらい、その様子を横で見て分析する、というようなことをやっていました。ユーザーテストとかユーザー行動観察とか呼ばれていました。
顧客目線とか顧客志向とか世間で良く言いますが、それは、コンサルティング会社に関して言えば、実際はクライアントの目線であることが多く、クライアントの顧客、エンドユーザー目線に立った志向をしている所は意外と少ないです。そのエンドユーザー目線に立ったコンサルティングが、その会社のサービスでした。
僕自身も未経験から、その会社に入って、そのプロセスを経ることによって、いろんな会社にいい提案ができたりとか、成果を出したりして、自分としてもすごく面白いしクライアントの成果を出せるし、すごくいいなってずっと思っていました。
ところが、多くの会社はこれをやってないのですよね。
そこで私は、この素晴らしいサービス、もっと言えば、この“素晴らしいのにあまり多くの会社がやっていないサービスを、自分が起業する会社でやろう、自分の会社のテーマにしよう。”そう決めたのです。
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