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【絶版本の入手の仕方】英文メディカル・ライティングの教材を例に

みなさん、読みたい本・教材が絶版になっていて、買えない!というとき、どうしてますか?

私は、医薬翻訳の仕事をちょこちょこしていますが、その中でも日英翻訳(英文ライティング)で、大変評判が良い、しかし絶版...という本がどうしても読みたくて、いろいろ試したことがあります。今日は、その経験をご紹介したいと思います。ジャンルが違っても、探し方は同じなので、応用できるかと。参考になれば嬉しいです。

この記事で挙げている方法は、以下の通りです。私は最後の手段で入手しました。

①Amazonで中古本を探す
②全国の本屋に在庫がないか探してもらう
③「日本の古本屋」サイトで探す
④全国の図書館から取り寄せて借りる

さて、私がどうしても読みたい!と思った本は

『薬事・申請における英文メディカル・ライティング入門/内山雪枝著(サイエンス&テクノロジー)』

です。

翻訳学校の先生、翻訳仲間やネットでの評判もすこぶる良いのですが、いかんせん大変ニッチな需要の限られる専門書のため、しばらく前から絶版になっています。

そんなとき、まず思いつき、みんな試すのが、

①Amazonで中古本を探す

ですよね。

しかし、運良くそこで見つかればいいのですが、ニッチ過ぎてない!とか、値段がバカ高すぎる!という場合どうしましょう。(実際、私が上記の本を探した時には、高価格で売買されていた中古本も底をつき、全くない状況でした。)

正攻法であれば、次に試すのが

②全国の本屋に在庫がないか探してもらう

絶版後、間もないのであれば、どこかの本屋には在庫で残っている可能性があります。お近くの書店へ行って、全国の書店の在庫を調べてもらうこともできます。しかし、絶版後だいぶ月日が経っている、専門的過ぎてそもそも置いていた書店が少ない、などの場合は、期待うすです。

では、Amazon以外に中古本を入手する方法はないのかと試した方法が、

③「日本の古本屋」サイトで探す

でした。

これは、日本全国の古本屋が参加しているデータベースで、ここでヒットすれば、サイトから購入することができます。運がよければ、さほど高値でなくお目当ての本を買えることがあります。古本なので、入荷は流動的です。一度ダメでも、しばらく時間が経ってから試すと入荷していることもあります。

それでもダメな場合、最後の手段として、自分のものとすることをあきらめて、「借りる」という方法があります。借りる、と言っても友達に借りるわけではありません(それができれば、もちろんそれに越したことはありませんが)。

④全国の図書館から取り寄せて借りる

という方法です。

まず、対象者は少ないかもしれませんが、大学に所属している人(学生、教職員)の場合は、自身の大学の図書館に行って、取り寄せをお願いすることができます。

料金は、往復の送料のみで、本の代金はかかりません。ただし、あくまで「借りて」いるので返さなくてはいけません。借りられる期間は、だいたい2~3週間だと思います。資料が劣化しているなどの事情がなければ、コピーを取ることも可能ですが、著作権の範囲内で(半分以内)、ということに注意が必要です。一度、通読できれば良い、という本や、必要な部分だけコピーしたい、という場合には、この方法が使えます。

大学図書館の所蔵を調べるデータベースが、↓です。

大学には何の関係もない、という人は、お近くの公共図書館に行って、調べてもらうことができます。大きな図書館の方が、こういった相互貸借に慣れているので、いいかもしれません。先方がOKを出せば、公共図書館から大学図書館に貸借を依頼してもらうことも可能です。こういった専門的な本は、公共図書館よりも各専門学部を持っている大学図書館の方が所蔵している可能性が高いと思います。

注意しないといけないのは、個人で大学図書館に貸借を依頼することはできない、ということです。図書館間、大学間で、相互に協力をし合う体制があり、あくまで好意で貸してもらうので、必ず図書館を通さなければいけません。

公共図書館の本を探すには、

国立国会図書館が運営している「NDL Search」や、

「カーリル」なんかもいいですね。

こういったデータベースに慣れておらず、自分では探しきれない、という方は、図書館にはレファレンスサービスというものがあるので、本の情報のメモだけ持って、最初から図書館に相談する、というのもありです。

以上が、私が試行錯誤しながら考えた絶版本の入手方法です。

最後の方法は、少しハードルが高いと思われるかもしれませんが、どぉ~しても読みたい本がある方は試してみる価値大です。

そして、該当の本を取り寄せた結果は… 大、大、大正解でした。本当に素晴らしい本で、これまで疑問に思っていたようなことが全て書かれており、苦労した甲斐がありました。出版から日が経っているので、情報が古くなっている部分は、自分で更新が必要ですが、基本的には英文メディカルライティングに必要な情報は、このシリーズ(全4冊)ひとつで大丈夫だと思います。

みなさんも、絶対に読みたい絶版本がある場合、諦めずにいろいろ試してみてください。入手できた時の感動はひとしおです^^

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