祖父の葬儀

去年の12月から私の祖父は体調を崩し入院をしていました。

コロナではないですが、高齢者に良くある肺炎でした。

12月31日にディズニーのニューイヤーパスが当たっていたので娘とパパをパパ方の実家に預けて友人と過酷なニューイヤーイヴへ参戦していました。

あのとき、ニューイヤー前でも後でも北関東の実家に帰っていればよかったと思います。

4月になったらディズニーランドの新エリアがオープンするからそのついでに娘と会いに行こうと思ってたんです。飛行機もホテルも予約していました。

2月になり、雲行きが怪しくなってきました。感染が世界的に拡がり始めたのです。

2月に母と連絡をとったとき、

「危ないかもしれない。けど、もう危篤になったときにしか面会に呼んでもらえない」

と言われました。

それでも4月になれば、春になって暖かくなれば、コロナもきっと収まってる!!祖父に会いに行ける!!と思っていました。

3月初めに母から

「じいちゃんはもう長くないかもしれない。
亡くなっても無理して帰って来なくて良いよ」

と連絡がありました。

それでも「孫として葬式ぐらいには出たいから、娘をパパに見てもらうからちゃんと葬式には出させてほしい」と返事をしました。

しかし、それから東京で感染が拡大し、海外からの帰国者で空港に行くのもリスクを感じ始めました。学校が休校になり、ディズニーリゾートも休園、地方でも感染が拡大し始め、とうとう移動を自粛する要請が出ました。

これはもう祖父が亡くなっても移動したら感染リスクが高くなる。親にも、子どもにも、職場にも、保育園にも迷惑がかかると思い、亡くなっても葬儀には出れないと母に連絡しました。

母もそれを聞いて安心していました。


4月18日の朝早く、祖父は旅立ちました。

入院していたのに、会いに行けるときに会いにも行かず、亡くなったのに葬儀にも行けず、自分が情けなく不甲斐ないです。

祖父は10年以上も前から認知症を患っていました。ここ2,3年私のことも孫だと認識できていませんでした。

祖父が認知症を患ってきてから祖父の認知症からくる暴言や深夜の徘徊に苦しめられる家族をずっと見てきました。

早く死ねば良いと思ったこともありました。

本人を前にして言ってはいけない言葉を言ってしまったこともありました。

3年前に娘を産んで、赤ちゃんを祖父に見せたとき、とても可愛がってくれたのを覚えています。

私の小さい頃大好きだったアンパンマンもちゃんと覚えていました。

あのとき、じいちゃんに可愛がってもらったこと、優しくしてもらったことを忘れていたのは自分なんだと思いました。

じいちゃんは私のことはもう孫と認識してなかったけど、ちゃんと孫がいて九州に行ったことはちゃんと覚えていました。

優しいじいちゃんを忘れてしまったのは私だったんです。

もっと会いにいけば良かった。どうせ私のことなんか分からないからといって避けなきゃよかった。

もっとじいちゃんに向き合えば良かった。じいちゃんには寂しい思いをさせてしまった。

亡くなってから後悔ばかりです。

会いにも来ないし、葬儀にも来ないなんて薄情な孫だろう。

いろいろ大変な時期にいろいろ重なってしまって、もうなんだか自分のなかでも収集ついていませんが、なんだかんだ亡くなって1週間たって、心が整理ができてきたんだと思います。

コロナで日々悔しい思いをしたり、疲れ果てたり、悲しかったり、怖かったりしてなんだかもう大混乱ですが、今を生き抜かねば。


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