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3‐2 新卒ES(エントリーシート)の作成

ポイント:普遍的なESの書き方を理解することができる

日本企業は、新卒採用の選考を3月に開始します。企業の多くは、提出されたエントリーシート(以下「ES」)を最初の選考として設定しているかと思います。そこで、新卒採用担当(以下「新卒担当」)はESを通して何を知りたがっているのか、逆にどのように回答するとズレていると判断されて見送られてしまうのか解説します。


なぜ選考過程にESがあるのか

そもそもESは、SONYが学歴で選考はしないといった方針で導入したものといわれ、SONYに続いて各社が独自の設問を開発し、面接前選考として取り入れるようになりました。

面接前選考については下記noteに記しましたが、
面接が、あくまで応募者を主観的判断(いち面接官の意見)しかできないことから、最大限に客観的かつ定量的に判断できる範囲で、しっかり見極められるように面接前選考を実施しています。

とはいえ、エントリーが優に何千単位でくるため、新卒担当もある一定の足切り基準を設けて選考しています。
(※反対に、あまりエントリーが見込めない企業は、減点方式や足切りではなく、加点方式で選考を行います。)

ESの書き方は、下記の通りにリクルートはじめ各人材会社がコツを示してくれていますが、このnoteでは、新卒担当の選考基準という観点で解説していきます。

ESの作り方

前提として

そもそも新卒担当は、どのようにESを作っていくのでしょうか。
あまり新卒採用に力を割いていない企業では、おそらく、

  • 学歴

  • ゼミの取り組み

  • 学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)

  • 志望動機

  • 自己PR …and so on

といったオーソドックスなESで済ませている印象です。
こういったタイプのESは、
会社ホームページや会社説明会から語られるビジョンや理念に沿うことを前提に、
リクルートなどが公開しているコツを実践することで、ある程度突破できるのではないかと思います。
別の言い方をすると、新卒担当は、タイトなスケジュールの中でESを読み込み、ビジョンや理念に沿ってないことを足切り基準として、膨大な量を選考しています。

では、オーソドックスで形式的にESを選考過程に設けている企業を含め、ESを書くうえで心がけておく普遍的な考えについて綴っていきましょう。

ESで選考したいこと

下の図は、小野壮彦さんの『人を選ぶ技術』という本の中身から引用させていただいたものですが、多くの新卒採用では、「コンピテンシー」と「ポテンシャル」を選考します。

参考:『人を選ぶ技術』小野壮彦/フォレスト出版

もちろん、SE職、デザイナー職や法務職などといった専門職は「知識」を選考基準に設けることもありますが、専門職、総合職と全ての新卒採用では、企業ごとの必要人材要件としてかみ砕いて言語化した「コンピテンシー」と「ポテンシャル」を選考基準としています。

小野さんの言葉をお借りすると、

  • コンピテンシーとは、「どんなシチュエーションで、どういうアクションを取りがちか」という固有の行動パターン

  • ポテンシャルとは、「伸びしろ」というその人の器

を意味します。

つまり、ESを通して、ポテンシャルという顕在的かつ潜在的なキャパシティーがどの程度あるか?そして、コンピテンシーという再現性ある行動特性を知るために具体的に何をやってきたか?ということを、事実(ファクト)を聞きながら、回答を読んで判断し、足切りをしていきます。

そのため、きちんと会社ホームページや会社説明会などで、ビジョンや理念を咀嚼して理解し、自分の学生生活で歩んた事実を、ビジョンや理念に合わせて書いていくことがとても重要です。

NG集

新卒担当の選考基準に合わせてESを作り込むことは簡単に感じるかもしれませんが、結構難しいことです。難しいからこそ、考えて作らなければならないのですが、大前提として、NGの地雷を踏んでしまうことは絶対に避けたいところです。

そこで、そりゃそうだろう、と言われることも含めて、ESに書くべきでないことを挙げます。

企業側が想定していないキャリアビジョンを語る

独立欲がある人を求めていることが明らかであればよいのですが、基本的に多くの企業は長く働いてほしいと思う中で、「いつかは自分で事業を起こしたい」というような記載は、NGです。

いじめや不幸など情に訴える回答をする

「自分は昔いじめられていましたが、~をきっかけに乗り越えました」
「小さいときに母親を亡くし~、」
「優秀な兄に対して劣等感を感じていましたが、」
といった回答も多く見受けるのですが、基本的にこういった記載があった場合はNGです。
もしかしから、受けが良いかな?と期待して書いている方も多いのかもしれませんが、
被害者意識が強い印象や他責思考に思われる傾向がありますし、そもそもいじめられていた人を採用側として受け入れたいとなかなか思えません。
(多少の私自身の個人的見解はありますが。。。)


その他、いろいろとあるものの、長年選考を担当していた中で多くの学生の方々が勘違いしていることで上記2つは断トツである印象です。

基本的な書き方のコツは、多くの人材会社が公開しているので割愛しますが、表記ゆれや用語の不統一などは基本的には全体に避けたいですね。



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