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違和感-Part4-ハニートラップ


【違和感】-Part4-ハニートラップ

皆さんはある時ふと
見慣れた光景に違和感を感じた事ありませんか?


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どうも、皆さん初めまして。
俺は社会人で、趣味は釣りとカラオケ。
今は恋人も居て…まぁ、いわゆるリア充ってやつですね。へへへへへ。
あぁすみません。違和感に関する話ですよね?はい、ありますあります。
それじゃあ、話していきますね。

俺は毎週休みの日に、近くの海で釣りをしてるんだけどね。
のんびり波の音を聞きながら、一人で釣りをするのが楽しみで。

半年くらい前かな、その日もいつものように釣りを楽しんでいたんだけど。
「お1人ですか?」って後ろから声をかけられたんだ。
振り返ってみたらそこには眩いばかりの可愛い女の子が居て、俺は緊張しながら返事を返した。
「あ、はい。1人です」

「わぁ、私もなんです!あの…良かったらお隣よろしいですか?」

「あっはい、あっ…どうぞどうぞ!」
って感じで急遽可愛い女の子と一緒に釣りをする事に。
アイドル並みに可愛いのにすっげー話しやすくて、よく笑う子でさ話が盛り上がったんだよね。

そしたら彼女から「良かったら私とお付き合いして貰えませんか?」なんて言われちゃって!
こんなに可愛い子に付き合ってって言われて断るなんて男じゃない!
って事で速効OKしたよね!んで、俺たちは付き合う事になったんだ。

いやぁほんっとにマジで可愛いし、スタイル良いし、気が利くし。
それに優しくて、笑顔がキラキラーってして。いやマジ女神!とにかく可愛いのなんのって。
こんなに素敵な彼女ができて俺は完全に舞い上がってた。
そんで付き合い出して3ヶ月目、彼女のご両親に挨拶しに行くことになったんだよね。

ご両親に会うのは初めてだし、粗相のないようにしないとって緊張してると。
「大丈夫だよ絶対キミの事食べちゃいたくなるから!」なんて笑いかけてくれる。
(食べちゃいたくなるくらい、好きになってくれるって事なのかな?)笑顔の彼女をみて、
あぁ優しいなぁ可愛いなぁってデレデレしてた。おっと、また惚気てしまった、へへへ。

まぁそんなこんなの何だかんだで無事に彼女の家へ到着、ご両親が玄関で暖かく迎えてくれて。
「おじゃましまーす」って上がろうとしたら。彼女が靴のまま家に上がろうとしてたんだよね。
「おい!靴!靴!ちゃんと脱がないと」って言う俺の声に彼女はハッとして
「やだぁ私ったら」って言いながら慌てて靴を脱ぐ。
なんだ彼女も緊張してるんだ、おっちょこちょいで可愛いなぁ。
なんて微笑ましく見てたんだけど、ふと目を上げると。
ご両親が何とも言い難い表情で、彼女の方を睨みつけてたんだ。

俺は「えっ何?」って一瞬固まったんだけど、
「あぁ…どうぞどうぞお上がりください」とご両親は直ぐにまた元の笑顔に戻ってた。
「あ…はいおじゃまします…」
何だったんだろうと思いながら部屋に入ると、何だか違和感を覚える。
素敵な部屋なんだけど、映画やドラマのセットみたいな…。
生活感が無いと言うか、温もりを感じないみたいな…作り物感があったんだよね。
そう言えば玄関には俺と彼女の靴以外何も無かったよな?ご両親の…

「どうぞ飲んでください」
と俺の考えを遮るように彼女のお母さんが、コーヒーを持ってきてくれた。
「あ…ありがとうございます、頂きます」
俺がコーヒーを飲もうとすると、彼女とご両親がじぃーっと俺を見てくる。
気まずい空気の中コーヒーを一口飲んでカップを置くと、彼女とご両親は顔を見合わせてる。
(なんだろう、この空気…)

ゴポゴポゴポ…ジャワワーー
「あらあら大変、お鍋が吹きこぼれちゃったわ」
そう言うと彼女のお母さんはキッチンの方へ急いで向かっていく。
キッチンの方からは、野菜を煮込んでいる様な美味しそうな匂いがしてくる。
「ねぇ、今日はゆっくりできるんでしょ?」って彼女に聞かれて。
「うん、大丈夫だよ」って俺が答えたら。
「夕飯にも是非付き合ってくれ」と彼女のお父さんに言って貰えたんだ。
おっ?これは俺、好感触なんじゃね?ってちょっと浮かれたよねー。
そしたら彼女のお母さんが、今度はハーブティーを持ってきてくれたんだ。
俺正直ハーブティーってすっごい苦手でさ…なかなか飲み出せずに居たんだけど。

「どうぞ、お飲みください」ってお母さんがハーブティーを勧めてくる。
「あっはい、ゆっくり頂きますので」って俺が言った途端。

「早く飲むんだ!全部飲むんだ。早く!早く!」とご両親が怒鳴りつけてきた。
俺はびっくりして、急いでハーブティーを飲み干した。
ハーブと言うより、何か色んな薬味を混ぜ合わせたような変わった味だった。

そしたら次は「どうぞお食べ下さい」と言って、チョコレートを持ってきてくれて。
「はい、ありがとうございます」って俺がチョコレートに手を伸ばすと、
また皆でじぃーっと俺を見てくる。
(この空気…やだなぁ。)チョコレートを一口かじってみると。
うわっ、まっず!何だこれ?これってもしかしてカレールーなんじゃ…

「どうぞ、たくさんお召し上がりください」とニタニタ笑う彼女のお母さんと、
真顔で俺を見つめる彼女とそのお父さん。
この空気感に耐えきれなくなった俺は、彼女に助けを求めようと声をかけたんだけど。
「ねぇ、あのちょっと俺……」

彼女の顔を見ると目がなんて言うか、オモチャみたいなガラス玉みたいな目になってたんだ。
「えっ!目が…なんか…なぁおいその目どうした?大丈夫か?」って聞いたんだけど。
彼女の口から出た答えは俺の予想とはかけ離れていた。

「ごめんね。私…ただの疑似餌なんだ。あはははははは」
理解が追いつく訳もなく、俺は固まってしまった。「え…何言って…」

そうどうやら彼女は俺を釣り上げ、この家に連れてくるための餌だったようだ。
彼女の両親が、不気味な笑顔でじわじわと近付いてくる。
「ツレタ…ツレタ…旨そうだ、どこから喰おうか」

俺は腰が抜け足がもつれながらも、無我夢中で逃げ出した。
よく怖い話なんかで気がついたら家に帰ってたとか、どうやって帰ってきたのか分からないって言うよね?
ご都合主義だなぁなんて思ってたんだけどさ、いやぁあれってマジでマジなんだよ!
本当にどうやってか、気付いたら家に帰ってたんだよね!ほんとマジで不思議だよなぁ。

まぁ、皆さんもハニートラップには気を付けた方が良いですよ。
今回俺は違和感に気付けて運良く逃げれたから良かったけど、皆がそう上手く逃げきれるとは思えないからね。まぁ、俺くらい敏感なら別だけど!へへへへへ。

あっ!いけね。って事で、そろそろ話は終わりにするよ。
今日はその後知り合っためちゃくちゃ可愛い女の子のご両親に会いに行くことになってるんだ。
街で逆ナンされちゃって付き合う事になったんだよね。
いやぁ最近モテちゃってモテちゃって困るんだよねぇ!へへへへへ。じゃあ。

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いかがでしたか?この主人公に苛立ちを覚えましたか?おっと、失礼。

世の中には様々な違和感があるものですね。
皆さんも見慣れた光景に、人物に、自分自身に、ふと違和感を感じた事があるでしょう?

その違和感、早く気付かないと、とんでもない事になるかも知れませんよ?

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